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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第106話 始末

「カイ……」


「本当にカイなのか……」


カイは黙っていた。


鉄の壁越しに話す。


久しぶりだった。


だが。


懐かしさはなかった。


父は笑う。


「立派になったな」


「能力ランキング第7位か」


「すごいじゃないか」


カイは無表情だった。


父が続ける。


「レイも喜ぶぞ」


その名前を聞いた瞬間。


カイの目が冷たくなる。


カイが問う。


「一つ聞く」


父が頷く。


「なんだ?」


カイが言う。


「なぜ奴隷商売をしている」


静寂。


父は不思議そうな顔をした。


「なぜ?」


そして。


当然のように答える。


「儲かるからだ」


カイは黙る。


父は続けた。


「女は高く売れる」


「子供も売れる」


「能力者はもっと高い」


カイは何も言わない。


父はさらに続ける。


「商人は利益を追う」


「一番稼げる方法を選ぶ」


「当たり前だろ?」


罪悪感はない。


後悔もない。


本気だった。


カイが聞く。


「人を売ることに何も思わないのか」


父は即答する。


「思わない」


その瞬間。


カイの中で何かが切れた。


人間を。


商品としか思っていない。


父は気づかない。


「お前だって理解できるだろ?」


「能力ランキング第7位だ」


「強者なんだから」


「強者は弱者を使う」


「それが世の中だ」


カイは思い出す。


ボルク。


流刑島。


ブラッド。


ウィンド。


そして。


目の前の男。


全員同じだった。


理不尽を作る側。


沈黙。


長い沈黙。


父が違和感を覚える。


カイが何も言わない。


「カイ……?」


カイが呟く。


「そうか」


もう確認は終わった。


聞きたいこともない。


カイは振り返る。


父が叫ぶ。


「待て!」


「カイ!!」


だが。


カイは止まらない。


鉄壁が消える。


カイの姿はもうなかった。











胸の中が気持ち悪い。


カイは吐きそうだった。


自分にとって。


父は悪い人ではなかった。


家にはほとんど帰らない。


だが。


優しい父だった。


そう思っていた。


しかし。


違った。


その本性は。


人を物として扱う外道。


女を売る。


子供を売る。


能力者を売る。


金のために。


ただそれだけのために。


これが現実。


カイは拳を握る。


なんでだ。


なんでこんなに理不尽なんだ。


この世は本当に腐っている。


そして。


もう一人の家族を思い出した。


レイ。











カイはレイを見に行った。


今さら。


どう会えばいいのか分からなかった。


だから。


変装した。


帽子を深く被る。


顔も隠す。


遠くから見るだけ。


レイは小さな村で暮らしていた。


母と二人。


平和な村。


争いもない。


静かな場所だった。


カイは家を見つめる。


窓から見える。


一人の少女。


優しい笑顔。


レイだった。


すぐに分かった。


顔だけで。


レイだけは何も変わっていない。


昔のままだった。


カイの顔が少し緩む。


だが。


次の瞬間。


家の奥から母が現れた。


カイの表情が凍る。


吐き気がした。


思い出す。


売られた日。


愛されなかった日々。


いつもレイだけを見ていた母。


自分を見なかった母。


全部蘇る。


カイは口を押さえる。


苦しい。


もはや。


自分にはレイしかいない。


あんな悪魔たちから生まれた。


唯一の光。


レイ。


助けなければ。


いつか染まる。


この世界に。


この理不尽に。


カイは考えた。


父。


母。


ブラッド。


全員を始末する方法。


そして。


レイが一人でも生きていける方法を。











数日後。


カイはブラッドを呼び出した。


「どうした?」


不機嫌そうだった。


最近ずっとそうだ。


カイが最上位になってから。


ブラッドは変わった。


カイが言う。


「両親を殺してほしい」


ブラッドが固まる。


数秒。


何も言わなかった。


そして。


「カイ……」


「何言ってんだ?」


カイは答える。


「奴らはクズだ」


冷たい声だった。


「だが」


「俺が殺せば親殺しだ」


「さすがに問題になる」


ブラッドは黙る。


カイの目を見る。


本気だった。


迷いもない。


ブラッドが笑う。


「俺はいいぜ」


誰の親だろうが関係ない。


人を殺すことに何も感じない。


ブラッドはそういう男だった。


カイが続ける。


「ただし」


「妹には手を出すな」


「もし手を出せば」


そこで言葉を止める。


最後まで言わない。


必要なかった。


その目だけで十分だった。


本物の殺意。


ブラッドの額から汗が流れる。


「分かったよ」


カイは頷く。


こうして。


父と母の死が。


決まった。


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― 新着の感想 ―
ウッソでしょ、、絶句 闇が、、、深すぎる
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