表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/189

第104話 最上位入り

ウィンドは空に浮いていた。


額から汗が流れる。


目の前には。


巨大な鉄の要塞。


国そのものを覆う城。


理解できない。


理解したくもない。


だが。


破壊するしかなかった。


己の信念を守るために。


「消えろォォォ!!」


ウィンドが両手を広げる。


能力発動。


暴風。


風が唸る。


空が荒れる。


巨大な竜巻が生まれる。


今までで最大。


全力だった。


竜巻は地面を削る。


木々を巻き上げる。


岩を砕く。


そして。


巨大な鉄の城へ激突した。


ドゴォォォォォォン!!


凄まじい轟音。


王たちも。


兵士たちも。


全員が息を呑んだ。


だが。


結果は。


「は……?」


ウィンドが固まる。


鉄壁が何枚か剥がれただけだった。


それだけ。


巨大な城は。


まだそこにあった。


形を保ったまま。


びくともしない。


「くそっ!!」


ウィンドが叫ぶ。


再び能力を使う。


竜巻を作ろうとする。


その時だった。


ガチャン。


ガチャン。


妙な音が響く。


ウィンドが目を向ける。


そして。


言葉を失った。


剥がれたはずの鉄壁。


それが。


元に戻っていく。


新たな鉄壁が現れ。


壊れた部分を埋めていた。


再生。


まるで生き物だった。


「なんだよ……」


「これ……」


悪夢だった。


壊しても。


壊しても。


戻る。


終わりが見えない。


ウィンドが呆然とする。


その瞬間だった。


影が落ちる。


空が暗くなる。


「なんだ?」


ウィンドが上を見る。


そこには。


巨大な鉄壁。


「な……」


ゴォォォォン!!


直撃。


鉄壁がウィンドへ激突した。


身体が吹き飛ぶ。


骨が軋む。


意識が揺れる。


だが。


ウィンドは能力を使う。


暴風。


鉄壁を押し返す。


「まだだァァァ!!」


しかし。


ガン!!


さらに上から鉄壁。


ガン!!


また鉄壁。


ガン!!


ガン!!


ガン!!


無数の鉄壁。


次々と落ちてくる。


積み重なる。


押し潰す。


ウィンドの顔が歪む。


「くっ……」


耐える。


耐える。


耐える。


だが。


限界だった。


鉄壁の山が落下する。


そのまま。


ウィンドは地面へ叩きつけられた。


そして……


グシャ。


能力ランキング第11位。


ウィンド。


死亡。











王たちは沈黙していた。


喜ぶべきなのか。


怯えるべきなのか。


分からない。


確かなことは一つ。


能力ランキング第11位。


それを。


カイが殺した。


正当防衛。


間違いなく正当防衛だった。


だが。


問題はそこではない。


最上位会議。


彼らがどう判断するか。


王が頭を抱える。


カイは窓の外を見る。


国を守った。


人を守った。


それなのに。


責められるかもしれない。


理不尽だった。


まただ。


また理不尽。


強い奴が決める。


上の奴が決める。


それがこの世界。


カイは拳を握った。


おかしい。


この世界は。


だが。


その後。


何も起こらなかった。











一年後。


カイは十七歳になっていた。


訓練場。


鉄壁が空を覆う。


ブラッドが黒炎を放つ。


二人は相変わらず鍛えていた。


だが。


もう違う。


ブラッドは分かっていた。


カイも分かっていた。


二人はもう対等ではない。


カイの方が強い。


圧倒的に。


ある日。


一通の手紙が届く。


ブラッドが封を切る。


そして。


次の瞬間。


「よし!!」


大声を上げた。


「能力ランキング第22位まで来た!!」


嬉しそうだった。


能力ランキング第27位。


そこから七年。


ようやく。


第22位。


ブラッドは笑う。


そして。


ふとカイを見る。


「そういや」


「お前もランキング入りだろ?」


カイを見る。


「何位だった?」


何気ない質問。


だが。


カイは少しだけ黙った。


そして。


答える。


「……第7位だ」


静寂。


「は?」


ブラッドが固まる。


能力ランキング第7位。


カイ。


理不尽を憎む少年は。


あっという間に。


最上位へ到達した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ