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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第103話 鉄の国

城の中が騒がしかった。


兵士たちが走る。


大臣たちが叫ぶ。


ただ事ではない。


ブラッドとカイは王の間へ向かっていた。


扉が開く。


王は玉座に座っていた。


だが。


顔色が悪い。


震えている。


ブラッドが不機嫌そうに言う。


「どうした?」


王が慌てて答える。


「北の国々が次々に滅んでいるのだ!」


ブラッドが眉をひそめる。


王は続ける。


「このままでは!」


「次はこの国だ!」


王は地図を指さす。


そこには。


いくつもの国に大きな×印がついていた。


カイが聞く。


「誰がやった?」


王が答えた。


「能力ランキング第11位」


少し震えながら。


その名を口にする。


「ウィンドだ」


静寂。


王は説明する。


「能力『竜巻』」


「巨大な竜巻を生み出す能力」


「奴が通った後には何も残らん」


村。


街。


城。


人。


全て吹き飛ぶ。


王が下を向く。


「誰も止められなかった」


カイが聞く。


「何故そんなことを?」


すると。


ブラッドが笑った。


「俺と同じだろ」


「最上位を狙ってる」


カイは思った。


理不尽だ。


最上位になりたい。


ただそれだけで。


人を殺す。


国を滅ぼす。


許せない。


カイが言う。


「俺がやる」


王が驚く。


ブラッドも黙る。


本当なら。


自分が行きたい。


だが。


分かっていた。


相性が悪い。


ウィンドの風は異常だ。


黒炎は消えない。


だが。


飛ばされる。


攻撃が成立しない。


そして。


ブラッドは気付いていた。


いつの間にか。


カイは。


自分に並んでいる。


いや。


もしかしたら。


もう……


「好きにしろ」


ブラッドが言った。











ウィンドは空を飛んでいた。


風が身体を持ち上げている。


能力ランキング第11位。


ウィンド。


能力『竜巻』


彼は空から地上を見下ろす。


笑う。


下には。


自分が壊した国々。


街。


城。


村。


全て消えた。


残ったのは瓦礫だけ。


「最高だな」


ウィンドが笑う。


「これが俺の強さだ」


「こりゃもう」


「俺が1位なんじゃねぇか?」


誰も止められない。


誰も追いつけない。


そう思っていた。


次の目的地を確認する。


能力ランキング第27位。


ブラッドの国。


そこを潰す。


そのはずだった。


だが。


ウィンドは固まる。


「……は?」


目を擦る。


見間違いかと思った。


もう一度見る。


だが。


変わらない。


前方にある国。


それは。


巨大な鉄の要塞だった。


国全体が。


無数の鉄壁で覆われている。


壁。


壁。


壁。


壁。


どこまでも壁。


まるで。


国そのものが一つの城になっていた。


「意味が分からない……」


ウィンドが呟く。


風が吹く。


ウィンドは生まれて初めて。


恐怖に近い感情を覚えた。











国中の人々が空を見上げていた。


兵士も。


商人も。


子供も。


全員。


目の前の光景を理解できない。


国の外周。


国の天井。


高い鉄壁。


さらにその外側。


また鉄壁。


さらにその外側。


また鉄壁。


何重にも。


何十重にも。


鉄の壁が積み重なっていた。


もはや城ではない。


国そのものが。


巨大な要塞へ変わっていた。


「なんだよこれ……」


兵士が呟く。


「夢か?」


別の兵士が言う。


ブラッドも見上げていた。


そして。


理解していた。


犯人を。


「おい」


ブラッドが聞く。


「これは何だ?」


カイは真顔だった。


まるで当たり前のように答える。


「吹き飛ばされない城を作った」


静寂。


誰も言葉が出ない。


ブラッドも。


王も。


兵士も。


理解を拒否した。


カイは空を見る。


遠く。


ウィンドがいる。


能力ランキング第11位。


今までなら勝てなかっただろう。


だが。


今のカイは違う。


島で五年。


本土で一年。


誰よりも能力を鍛えた。


鉄壁。


その能力は。


もはや壁ではなかった。


国を守る盾。


国を閉じ込める牢獄。


ブラッドは思う。


もう認めるしかなかった。


カイは。


最上位クラスに到達していると。


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