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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第101話 流刑島

カイは拘束された。


仲間殺し。


その罪だった。


十歳の少年に与えられた判決は重かった。


流刑。


重罪人だけが送られる島。


そこへの追放だった。


手錠をかけられ。


船へ乗せられる。


周囲には囚人たち。


殺人。


強盗。


誘拐。


様々な罪人が乗っていた。


カイは黙って海を見ていた。


何時間も。


何時間も。


そして。


島が見えた。











船が岸へ着く。


兵士が叫んだ。


「降りろ」


囚人たちがぞろぞろと降りていく。


カイも続いた。


兵士が説明する。


「ここでは自由だ」


囚人たちがざわつく。


だが。


兵士は続けた。


「ただし」


「この島から出ることはできない」


海を指差す。


「外の海流が激しい」


「泳いでも死ぬだけだ」


そう言って。


囚人の手錠を外し。


兵士たちは船へ戻る。


やがて。


船は離れていった。


その瞬間だった。


「死ねぇ!!」


一人の囚人が別の囚人へ襲い掛かった。


殴る。


蹴る。


笑う。


それを見て。


別の囚人も暴れ出した。


島は一瞬で地獄になる。


カイだけは動かなかった。


ただ。


遠くの本土を見ていた。


レイ。


最愛の妹を思い出していた。


その時。


「おらぁ!!」


男が殴りかかってきた。


カイは振り向く。


能力発動。


目の前に鉄の壁が現れる。


ドゴッ。


男の拳が激突した。


「いてぇぇぇぇ!!」


拳が砕ける。


男が地面を転げ回った。


カイは聞く。


「お前」


男を見る。


「何をしてここへ来た?」


男は拳を押さえながら笑った。


「はぁ?」


そして。


誇らしげに言う。


「俺は強盗だ!!」


「だが」


「目撃者も殺したから」


「殺人もかな?」


大笑いする。


カイは黙った。


その被害者は。


何をした?


何が悪かった?


ただ。


運が悪かっただけ。


理不尽だった。


また。


理不尽だ。


この世界は。


どこまでも。


理不尽だ。


なら。


俺が代わりに。


無念を晴らそう。


俺は。


理不尽を許さない。


その瞬間。


能力を発動する。


囚人たちの周囲。


前後左右。


巨大な鉄壁が現れた。


「なんだこれ!?」


「おい!?」


「逃げろ!!」


囚人たちが騒ぐ。


だが。


遅い。


四枚の鉄壁が。


内側へ倒れる。


グシャァァァッ!!


悲鳴。


骨が砕ける音。


肉が潰れる音。


そして。


静寂。


積み重なる鉄壁。


カイは歩き出した。


島の奥へ。


その日。


島の囚人は全員死んだ。











カイは一人生き続けた。


鉄壁を出す。


壊す。


出す。


壊す。


何度も。


何度も。


能力を使う。


島の木々が消える。


岩が砕ける。


地面が抉れる。


島は少しずつ姿を変えていった。


そして。


能力も変わっていく。


大きく。


強く。


速く。


カイは知らない。


それが覚醒への道だということを。


ただ。


理不尽を壊す力を求めていた。


ひたすらに。











五年後。


一隻の船が島へ向かっていた。


船の上。


全身黒ずくめの男が立っている。


長い黒髪。


鋭い目。


当時。


能力ランキング第27位。


ブラッドだった。


ブラッドが面倒そうに言う。


「ちっ」


「なんで俺がこんな島まで来なきゃなんねぇんだ」


兵士が怯えながら答える。


「王命でして……」


「なんでも」


「送られる囚人が」


「即全滅しているらしく……」


ブラッドが笑った。


「へぇ」


「あいつらを殺した奴は気になるな」


船が島へ到着する。


ブラッドは降り立った。


そして。


目を細める。


兵士が青ざめる。


「なんですかこれは……」


島が崩壊していた。


木々は折れ。


岩は砕け。


地面には巨大な傷跡。


まるで戦争の跡だった。


ブラッドが言う。


「お前」


兵士を見る。


「俺の近くにいろ」


兵士は必死に頷く。


ブラッドは周囲を見渡した。


そして。


呟く。


「違うな」


兵士が聞く。


「違う……?」


ブラッドは笑う。


「これは戦いの跡じゃねぇ」


周囲を指差す。


「能力の練習跡だ」


その瞬間。


ゴゴゴゴゴ。


鉄壁が現れた。


ブラッドの正面。


巨大な鉄壁。


そして。


高速で迫る。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


兵士が絶叫する。


ブラッドが睨んだ。


「黙れ」


兵士が固まる。


次の瞬間。


黒い炎が現れた。


ブラッドの能力。


黒炎。


鉄壁が燃える。


鉄が溶ける。


焼け落ちる。


ブラッドはその穴へ飛び。


回避する。


だが。


次の瞬間。


四方に鉄壁。


倒れてくる。


「ちっ」


ブラッドが舌打ちする。


「大した遠距離攻撃だ」


黒炎の壁が現れる。


ドゴォォン!!


鉄壁が衝突する。


しかし。


止まる。


鉄壁は押し切れない。


やがて。


黒炎によって灰になる。


静寂。


ブラッドが言う。


「出てこい」


その声に。


一人の青年が姿を現した。


カイだった。


ブラッドは笑う。


面白い。


明らかに強い。


しかも若い。


ブラッドが聞く。


「お前」


「何位だ?」


カイは首を傾げた。


「何位?」


そして。


真顔で返す。


「なんのことだ」


ブラッドが固まる。


次の瞬間。


最高の笑みを浮かべた。


「ははっ」


「そうか」


面白い。


こいつは。


何も知らない。


だからこそ。


面白い。


ブラッドはカイを指差した。


「気に入った」


「お前を」


「兵士に戻してやる」

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