装備と年齢不詳
装備とは、体を守るための道具であり、衣装では無い
私の選んでる装備を見た鋼牙君にそう言われてしまった。
いや、良いじゃん迷彩柄。草木に紛れるよ?え?強度が足りない?そこは私には関係ない……まって、勝手に選ばないで、自分で選ぶから!
そんなこんなで、強度のある緑色の衣装と茶色い短剣ケース、杖ホルダー、ポーションホルダーを選ぶと、
満足そうに納得して貰えた。
旅に出るにあたって、アップでまとめ髪にしてた髪の色が派手な金髪なので、なるべく草木に紛れる装備が良かったのだが……仕方ない。
髪に関しては、帽子をかぶることを許して貰えた。そうだよね、こんな目立つ髪色隠してもいいよね。良かった。
暗殺者時代は、そうそう髪なんて洗えなかったから、くすんだ黄色で済んでいたのだが、何しろ貴族として暮らしてきたばっかりだ。昨日だってお風呂に入ったばかりである。
髪の色がくすむまで待とうかとも思ったが、一見だらしなさそうなリーダーのいずなさんの毛並みを見るに、このメンバーがそれを許してくれるとは思えなかった。
いずなさんは、赤いワンポイントがオシャレな巫女服?とかいう種族服を選んだ。真っ赤なしっぽが白い布地に映えてとても綺麗だ
ロアちゃんは、水色のフード付きのロングケープ。少し人見知りをするらしく、フードがある方が安心できるらしい。
鋼牙君は紺色の布地で繋ぎ合わせた銀色の鎧いかにもタンクって感じの重装備だった。
レイちゃんは、フリルのスリットが入った、紫色のマーメイドドレスと二の腕までの長さのある手袋。所々に緑のワンポイントがあるため、まるで小さなぶどうのようで可愛い
と言った感じで、みんなの装備が出揃った。
金額は……言わなくていいだろう。王様が何とかしてくれるはずだ……。
「まさか依頼を受けて装備一新出来るとはねー!リーシャちゃん様々だわ」
「百鬼さんに欠けてもらっては私が困るので、当然の報酬ですよ。あ、ちゃんと成功報酬も別途用意するから大丈夫。装備返そうとしないで大丈夫だよレイちゃん」
報酬って単語を聞いて、装備買うぐらいなら……と装備を戻そうとしたレイちゃんに伝えると、ほんとに?って感じで目を輝かせた
「ちゃん呼びが気になるところだけど、まあ良しとするかっ!」
そうルンルンしてるのを聞いて、あれ?っと思う
「レイちゃんの年齢って何歳ぐらいなの?」
「あれっ、聞いちゃう?乙女にそういうの聞いちゃう〜?」
ニマニマと楽しそうに反応したレイちゃんに、うんうんと頷くと、
「じゃあ情報料500ベルね」
「こらっ、依頼人から不必要なお金巻き上げようとするな」
「あうっ」
鋼牙に指でつつかれて、レイちゃんが嫌がるように飛び逃げる
「もー、いいじゃん!お小遣いレベルでしょー!」
「金額の問題じゃねぇよ。すみません、レイは何かにつけてお金を要求してくるので、スルーしてあげてください」
「んーん。私も不躾な事聞いちゃったし、お互い様だから……」
「ちなみにこの中だとレイが1番年上。妖精族は長命だから」
「えっ?」
「誰も実年齢を知らないんだ。本人すら」
「そんなことある??」
思わずツッコミを入れてしまった
他人が知らないのはまだ分かるとして、本人すら覚えてないとか一体何歳なのか……
とりあえず、「レイちゃん」が「レイさん」になったのは確実なようだ
「乙女の秘密を勝手に話すとか、そんなことしてるとモテないぞー!」
「モテなくても結構、恋愛をする気は無いからな」
「ブー!!」
とても年上と思えない会話をしながら、お店を出る2人は、なんだかとっても仲良しに見えた
私は、王様から前もって貰ったお金で金額を払い、お店を後にした。
「もう遅いし、ここでの依頼を報告するために1度王都に戻る必要もあるし、出発は明日からにしようか。」
そう言ったリーダーの一声でその日は宿に泊まることになった。
私は部屋が空いてなくて、女子チームの大部屋に混ぜてもらうことになった
「鋼牙君は1人だけでいつも宿とってるの?」
「まぁ、私達うら若き乙女ですし?」
「フェルレイン以外……だけど」
「あら、それなら、ひとり寂しそうな鋼牙君の元にレイちゃん送り込む?」
「……うるさそう……反対」
「うるさそうって何よ!もうっ、失礼しちゃう。」
和気あいあいと話し出す3人に、少し微笑ましく思いながら、明日のことを考える。
馬車に乗って王都に着いたら、まだ仕事で王都に居るであろう父と兄に百鬼のメンバーを紹介しなければ。
旅に出るにあたって、護衛が居ますよーっていうアピールをするためだ。
ルナとトーマにもよろしく伝える必要がある。
そこから、まずは妖狐の国に行くことになるだろう。次に行くとしたら、既に前世でいったことのある鬼の国だろうか……
妖精の国とエルフの国はまだ行ったことがない。行ったことがないところは慎重になるべきだ。後回しにしてもいいだろう。
因みに、今更だが、猫獣人は人族の仲間だ。
他にも、獣人の方は犬や狼、羊など、色々な種類いるが、まとめて人族である
そんなわけで、人口的には人族がいちばん多いと言われている。
(まぁ、それだけ問題も起こりやすいから、犯罪奴隷制度なんてのもあって、他国に奴隷を送ったりとかしないと奴隷で溢れそうだってのが問題視されてるんだよな)
暗殺者時代に、奴隷落ちした仲間がいるのでその辺はよく知ってる。
1番多く奴隷を送ってるのは鬼の国だが、あちらは人族の血を食事として1日1回摂取する必要があるので、双方利益のある取引になっていたはずだ。
「そういえば、鋼牙君は血の接種は大丈夫なの?」
壁が薄いので、ワンチャン聞こえるかなと思って隣の部屋に大きな声で話かけると、ワンテンポ遅れて、「ああ」と返事が来た
「鬼用の血の入った吸血袋ってのが売ってて、それで摂取してるんだ。都会の方にしかないから、それが王都から離れられない理由だったけど……」
「じゃあ、これからは私が鋼牙君の食事係かな?」
「そういうことになるかな。」
「でも、私だと幼すぎて足りなくならない?必要なら、食事用の奴隷さんか、1人従者を用意するけど……」
「そうして貰えるとありがたいな。
奴隷に事情を話す訳にもいかないから、従者さんが来てくれると助かる」
……との事だったので、ルナかトーマを連れてくることになった。
歳的にもトーマは早いかなと思うので、多分ルナを連れてくることになる。
言葉の勉強はお預けになってしまうが、トーマには従者としての勉強を頑張って欲しいものだ。
そんなこんなでたわいもない話をしていると、5歳児の幼さゆえか、急に眠くなって、その日はそのまま寝てしまったのだった




