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Idea  作者: ひのきそら
第三章 defenders of railgun
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襲撃者

 小型空母に乗り込み基地から出発したアリス達は襲撃された駐屯地へ向かう。見たこともないハイテク機器の数々に、防寒具を着込んだ龍二と紡は胸躍らせながら操縦席をウロウロしていた。


「龍二に紡、あんまりちょっかい出さないでよ」


「仕方ねえだろ! こんな男心くすぐる機械が目の前にあるんだ、テンション上がんねえ方がおかしいぜ!」


「この様な絡繰は初めて目にしたが、この胸の高鳴りは抑えきれん」


「男子はみんなこういうのに憧れるんや。花音はん、勘弁してやってくれえな」


「ふーん、まあいいや。それよりアリス、体調はどう?」


「はい、もう十分戦えます!」


「無理だけはしないでね。アタシ達がいるから、遠慮せず頼ること!」


「はい!」


「着いたわ、ここがコンステル峡谷。揺れるからしっかり捕まっていなさい」


 オリヴィエが言い終えると、空母は駐屯地上空で静止し着陸態勢に入る。ジェットエンジンが巻き起こす突風で雪が舞い上がる中、駐在したいたバロール兵が集まり姿勢を正す。


「状況は?」


 ハッチが開くとオリヴィエは足早に空母を降り側にいた兵に尋ねる。アリス達も後に続いて空母を降り駐屯地を見渡す。氷の結晶で覆われた峡谷。谷底は視認出来ないほど深く万が一足を滑らせれば命は無いだろう。氷の結晶の上に立つ駐屯地は、先の襲撃で各兵器諸共その殆どが大破していた。


「はっ! 襲撃して来た敵は現在付近では確認出来ておりません。ドローンやレーダーで常時監視を続けていたのですが、本当に突然現れまして……この有り様です」


「死傷者は? これだけ攻撃、相当の兵が被害を受けたはず。手当が必要な者をすぐに空母へ乗せなさい」


「いえ、それが。死傷者はおりません」


「なんですって?」


「敵は兵器と駐屯地のみを攻撃した後、煙のように姿を消しました。駐在していた兵には一切攻撃する素振りを見せず、反撃することも無く、忽然と」


「どういうこと? 戦力を削ぐのが目的なら、主戦力となる兵を攻撃しないわけがない……」


「あの、襲撃してきた敵の特徴などは覚えていますか?」


「はい。実際に交戦した兵が残した映像記録がありますので、お見せします」


 そう言うと、バロール兵は腕に取り付けた端末を操作して映像を見せる。


 黒いコートを纏い軍刀と銃を手に持つ襲撃者が映っていた。綺麗な黒髪を雑に切り揃えており、中性的な容姿の襲撃者はたった一人で数十はくだらない数のバロール兵を圧倒していた。精密な射撃と剣戟でバロール兵を迎え撃つが、手傷を負わせる様な攻撃は一切していなかった。駐屯地への攻撃も、兵が逃げ出すことを想定しているかの様に時間差で爆破させている。


「フォール軍の人間じゃないわね。あの修道女とも関係は無さそうだけれど、あなた達はどう? この人物に見覚えは?」


 画像を見ていたアリス達は見覚えの無い敵に困惑しながら首を横に振る。記録に無い謎の襲撃者にオリヴィエも困惑するが、すぐに思考を切り替え駐屯地の立て直しを命じる。


 その直後、遠方から光が発せられ遅れて強烈な発砲音が駐屯地に響いた。アリス達は視線を空へ移すと、不規則に光る電磁力の爆弾が見えた。アリスと花音はすぐさま光の壁を上空へ展開し、なんとか擊ち出された爆弾を防ぐ。


「ちょっと、急になんなの!?」


「最悪のタイミングね。フォール軍の侵攻よ、総員迎撃準備!」


 状況は一変し、兵達は慌ただしく戦闘態勢に入る。流石に戦地へ連れて行くわけにもいかないためお松を龍二に任せると、アリス、花音、紡はオリヴィエ率いる部隊と共にフォール軍の迎撃へと向かった。

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