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Idea  作者: ひのきそら
第三章 defenders of railgun
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不死の軍勢

 無数のノーツが不死身の兵を豪雨のように襲う。装甲兵が攻撃するまでもなく、拍子抜けする勢いでアリス一人によって殲滅されていく。だが、オリヴィエの言葉通りノーツによって重傷を負っているはずのフォール兵は何事もなかったかのように立ち上がると狂ったように声を上げて走り出した。


「ッ!」


 振るわれる電流の刃を避けつつ、光を纏った両手足で乱打を打ち込み大きく吹き飛ばした。兵一人一人の戦闘力はそこまで脅威ではないが、無限に起き上がり続ける以上いずれアリス達の体力が尽きてしまう。追い討ちをかけるように国境付近に配備された機兵団が前進し、本格的な戦闘が開始された。


 オリヴィエ率いる狙撃隊は前進する機兵団を光銃から撃ち出されるレーザーで破壊していく。


「ッ! 装甲兵、総員退避!」


 戦況を見渡せる位置にいたオリヴィエは声を荒げて退避命令を出す。機兵団の後方に鎮座していた巨大な機兵が攻めきれず痺れを切らしたのか、味方諸共吹き飛ばそうと電磁力の爆弾を形成し、アリス達目掛けて撃ち出した。


「退避だ! 退避せよ!」


 装甲兵が一目散に逃げる最中、一人がフォール兵に足を掴まれ身動きが取れずもがいていた。オリヴィエ達が放つレーザーが爆弾を迎撃するが、爆弾はその威力を変えずに迫る。


「誰か! 助けてくれ!」


 装甲兵の叫びも虚しく、爆弾が一瞬で着弾し河川一帯を轟音と共に爆発させた。


 逃げ遅れた装甲兵の命は無い。誰しもがそう思っていたが、咄嗟に光の壁を展開したアリスによってなんとか命拾いしていた。すぐさまアリスは袴姿へと変わりフォール兵の手足を刀で斬り飛ばし装甲兵を解放する。


「怪我はありませんか?」


「あ、ああ。すまない、助かった!」


「そちらの兵士を連れて後方へ退避して下さい。両手足が無い以上、襲われることはないはずです」


「分かった!」


 手足を失ったフォール兵を担ぎ上げ、装甲兵は足早に自陣へと駆け出した。爆発による攻撃が通じないと悟ったのか、巨大な機兵は重厚な機械音と共にジェットエンジンを稼働させアリス目掛けて前進する。


「無窮一刀流・八重桜!」


 迫り来る巨大機兵とすれ違う形で、アリスは居合の構えから抜刀し剣戟を加える。しかし、その重く固い機体に傷を付ける程度でダメージにはならなかった。再びアイドル衣装へと姿を変えたアリスはノーツを集約させ巨大な光球へと変化させる。


「Splash Shooting Star!」


 炸裂した光球が周囲にいたフォール兵と機兵を一網打尽にして襲いかかる。光球の爆発によって機兵とフォール兵は跡形も無く吹き飛び、巨大機兵の機能を停止させることに成功した。


「やるじゃないアリス。配備された機兵団とフォール兵の大半を倒すなんて、流石に予想外よ」


 戦況が不利だと判断した残された機兵団は踵を返しフォール兵と共にガロン川から撤退した。撤退する機兵団を見てアリスが気を抜いた直後、再起動した巨大機兵が残されたエネルギーを使い電磁力の砲弾を至近距離で炸裂させた。


「きゃああ!」


 反応が遅れまともに砲弾を喰らったアリスは雪原に数度身体をぶつけながらガロン川へ落ちてしまう。


 すぐさま擊ち出されたオリヴィエ達の銃撃で巨大機兵は今度こそその機能を停止させた。


「急いでアリスの救助を! すぐに帰還するわ! 衛生兵は帰投するまでアリスの応急処置! 絶対に死なせないで!」


 血相を変えたオリヴィエは指示を出しながら銃を放り投げ駆け出すと、躊躇する事なく極寒の川へと身を投げ沈んでいくアリスを掴み水面へと泳ぐ。


 薄れゆく意識の中、アリスは川辺へと辿り着き必死に声をかけるオリヴィエを見つめながら意識を失った。

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