表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Idea  作者: ひのきそら
第三章 defenders of railgun
46/58

バロール連合軍前線基地

 バロール連邦国。極北の地に位置し複数の共和国からなるこの国は、敵対国である巨大国家フォールと長年に渡り戦争状態を維持していた。


 終わりの見えない戦いの中、両国共に兵器開発に注力し自立式の機械兵や超大型の飛空艇、電磁力を活用した武装などの技術革新が起こった。


「だからあ! さっきから何度も言ってんでしょ! アタシ達はIdeaを元に戻すために世界を巡ってんの! フォール軍だかなんだか知らないけど、とりあえずここから出しなさいよ!」


「嘘を吐くな! どうせ使い捨ての駒だろうが、お前達もあの女と同じくフォール軍に雇われた傭兵なんだろう?」


「あーもう! 全っ然話が通じないんだけど!」


「そう喚くなお嬢。ただでさえこの牢屋は狭いんだ、声が響いて頭が痛えよ」


 オリヴィエ達に囚われたアリス一行は、バロール軍前線基地に到着するなり狭い牢へ入れられていた。見張りについている兵士を説得しようと花音は数十分もの間口論を続けていた。


「龍二殿の言う通りだ。花音殿、今は堪えよ」


「堪えよ、じゃないでしょ! アタシ達にこんなとこで立ち往生してる時間なんてないんだから!」


「せやけど花音はん、どうしようもあらへんやんか。花音はんのノーツでも、紡はんの刀でもこの牢、びくともせえへんかったんやし」


「……ッ!」


 怒りのまま牢を蹴りつける花音だったが、逆に痛みに悶絶してしゃがみ込んでしまう。


「騒がしいわね」


 足音を響かせ現れたオリヴィエは呆れた様子でうずくまる花音を見下ろす。姿勢を正し敬礼する兵に楽にするよう指示をすると、オリヴィエは牢に近づき口を開いた。


「あなたがどれだけ吠えても何も解決しないってこと、理解出来たかしら?」


「うっさい! さっさとここから出せ!」


「貴様、オリヴィエ様になんて口の利き方を!」


「威勢だけはいいけれど、あなたを尋問してもまともに情報を聞き出せそうにないわ……そうね」


 オリヴィエは牢の隅でお松を抱きかかえるアリスに目をやり指を差して兵に指示を出す。


「あの子なら少しはまともに尋問出来そうね。あの人形と一緒に牢から出しなさい」


「ちょっとあんた、アリスとお松に手出したらただじゃおかないから!」


「捕虜に危害を加えるのは戦時国際法に触れる。手荒な真似はしないわ……抵抗しなければね」


 電流の手枷をつけられ、アリスとお松は兵に連れられて牢から出るとそのまま尋問室まで連行される。

 少し待つようにオリヴィエは言うと、お松を取り上げ背を向けた。


「お松さんになにするんですか!?」


「発信機の類が無いかどうか調べるだけよ。あなたたち、先に尋問室へ向かいなさい、私もすぐ行くわ」


「はっ!」


「アリスはん……!」


「お松さん!」


 心配するアリスを他所に、オリヴィエは足早にその場を離れる。


 お松を連れたままオリヴィエは基地内の自室に入ると机の上にお松を置きまじまじと見つめる。


「一応言っとくけど、発信機なんてあらへんで……?」


 お松の言葉に耳を貸さず、オリヴィエは自室の鍵を閉め大きく息を吸い込んだかと思うと、先ほどの無表情から一変、年頃の少女の様な弛んだ笑顔を見せた。


「んかあああああああああわいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」


「……………………は?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ