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Idea  作者: ひのきそら
第二章 妖魔剣聖譚
34/58

共同戦線

 銀狼に連れられ山頂付近まで辿り着いたアリスと紡の目に飛び込んできたのは、ひしめく妖魔に果敢に立ち向かう銀狼の姿だった。体格で大きく劣っていながらも俊敏な動きで翻弄し、統率の取れた連携で互角の戦いを繰り広げている。しかし、単純な力の差と耐久力、加えて黒い瘴気によって強化されているのか致命傷を与えることまでは出来ず徐々に押されていた。


「黒い妖魔!」


「ここで決着をつける!」


 臆することなく立ち向かうアリスと紡を妖魔の苛烈な攻撃が襲う。洗練された太刀筋で群がる妖魔を薙ぎ倒し、無数のノーツによる弾幕で確実に殲滅していく。先陣を切っていた片腕の無いあの黒い妖魔は二人に気づくと、血相を変え銀狼には目もくれず突撃した。


「Splash Shooting Star!」


 生半可な攻撃では通じないと先の戦いで痛感したアリスはノーツを収束し巨大な光球を炸裂させる。迫る光球を棍棒で払うも光球の威力に耐えることが出来ず、棍棒は砕け散り光球が巨大な身体を撃ち抜いた。


「ありす殿、見事だ!」


 抉るように身体を撃ち抜かれた黒い妖魔は悲鳴に似た声を漏らしながら力無く倒れ込む。群がっていた妖魔が混乱している隙に残った妖魔を斬り倒していく。突如として現れたアリスと紡に最初は困惑し、威嚇していた銀狼だったが、妖魔を次々に倒していく姿を見て次第に警戒を解いていく。


「お前たち……何故ここに!?」


「決まっている、全ての元凶たる黒い妖魔を討ち其方らを助けるためだ」


「…………信じて良いのか?」


「其方らと築き上げてきたこれまでを、拙僧は無下にはしたくない。銀狼の長よ、いま一度共に手を取り合おう」


 梅を助けた際、群れを統率していたあのリーダーの銀狼は配下に号令をかける。アリスと紡を守る様に、銀狼達は妖魔に立ちはだかり唸り声を上げた。


 虫の息だった黒い妖魔は、逃げ出そうとする妖魔を掴んだかと思うと、大口を開けて噛みつき貪り始めた。逃げ惑う妖魔を次々に喰らい最後の妖魔を飲み込んだ途端に、纏っていた瘴気が膨れ上がり黒い妖魔を完全に包み込んだ。そして、一際大きな咆哮を天に向け放ち、空が深く暗い闇に覆われた。


「あれは!?」


 花音の世界で見た記憶が蘇る。バグズに侵食され世界が闇に覆われた時と同じ光景が広がっていた。瘴気の中から大量のバグズが湧き上がり、妖魔を喰らい回復したのか抉り穿たれた傷は塞がり、斬り落とされたはずの片腕も復活していた。

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