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Idea  作者: ひのきそら
第二章 妖魔剣聖譚
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防衛戦

 門の外から咆哮が聞こえる。外から鈍器のようなものを打ち付けているのか重く鈍い音が響く。男たちが懸命に丸太や己の身体で抑えてはいるが徐々に門にヒビが入っていた。


 紡の後を追って来たアリスだったが肝心の紡の姿が見当たらず辺りを見回すと、巨大な竹垣に佇む紡の姿を見付けた。


「嬢ちゃん、ここにいちゃ危ねえぞ!」


「私も戦います!」


「なに!?」


 ペンダントを握りしめアイドル衣装へと姿を変え、両足に光を纏わせ勢い良く地面を蹴り竹垣まで飛び上がる。容姿が変わったアリスに驚きながら、紡は腰の刀を抜き門前に群がる妖魔を見据える。


「私にも手伝わせてください」


「ありす殿、かたじけない……あれが元凶である黒い妖魔だ」


 紡に促されアリスは眼下を視界を落とす。牛の様な頭部を持った二足歩行の怪物。筋骨隆々の巨大な体躯に見合う棍棒を握りしめ、狂った様に声を荒げながら門を叩いていた。まさしく鬼という容姿の妖魔の周囲には一回り小さい牛頭の妖魔や蜘蛛のような姿をした妖魔がひしめき合い声を荒げていた。


「一瞬でも隙を見せれば喰われる。油断めされるな!」


「はい!」


 刀を構え飛び出した紡と共に、背後にノーツを展開させアリスは群がる妖魔の群れへと飛び込んだ。


 着地と同時に妖魔の首を斬り飛ばしその勢いのまま次々と群がる妖魔を両断していく。数十体はいたであろう妖魔達が手も足も出ず殲滅されていく。アリスも負けじとノーツを撃ち出し門に向かう妖魔を撃ち抜き進路を妨害した。


 絶えずノーツを撃つアリスに向かって黒い妖魔が棍棒を振り上げながら突進するも、咄嗟に光の壁を展開して巨大な棍棒から身を守る。だが、力任せに棍棒を打ち付け続け光の壁をあっという間に粉砕してそのままアリスを叩き潰そうと棍棒を振り下ろした。


「ッ!」


 光の壁を展開は間に合わないと後退したアリスの前に出た紡は刀身で振り下ろされた棍棒をいなし流れるように上段で刀を構える。


「無窮一刀流・八重桜!」


 目で追えないほどの速度で刀を振るい鞘へ納める。黒い妖魔が構わず棍棒を振り上げようとした瞬間、振り上げた腕に切れ目が入り細切れになって地面に落ちていった。痛みにのたうち回る黒い妖魔にトドメを刺すため、紡は刀の柄に手を添え重心を低くして居合の構えを取った。


「今ここで引導を渡してくれる!」


 抜剣の直前、黒い妖魔は口から煙幕を吐き出し視界を遮ると残った妖魔と共に森へ向かって逃げ出した。煙幕が晴れ黒い妖魔の姿が消えたことを確認すると、紡は刀から手を離し構えを解いた。


「逃げたか……次こそは必ずその首斬り落としてくれる」

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