魔剣王
剣を構え闇の斬撃を放つ。超高速で放たれた斬撃を花音は展開したノーツで弾き、身体に光を纏いグラン目掛けて駆け出した。繰り出される蹴りや拳は悠然と構えるグランには届かず、幼児を相手にしているかのような態度で振り上げた剣の衝撃で花音を吹き飛ばした。
「グランとか言ったっけ。アンタがバグズ達を作って操ってるってことでいいんだよね?」
「バグズ? ……ああ、あのウイルスのことか。俺が作ったわけではないがな、こいつらは俺の下僕というところだ。それより、呑気にお喋りしている暇がお前にあるのか?」
呼び出されたバグズが後方にいたアリスに迫る。息を呑み動けずにいるアリスを、花音はノーツを飛ばしてなんとか守るが目の前のグランを相手にしながらアリスを守り切ることが出来ないことを悟っていた。
「アリス、ここから出来るだけ早く、遠くに逃げて。アタシがコイツら引き止めておくから」
「無茶です! いくら花音ちゃんでも……」
「大丈夫、言ったでしょ? アタシはやるって言ったら何がなんでもやり遂げるんだから」
アリスにノーツを漂わせ花音は再びグランに向かって駆け出した。自分がここにいては花音の足手纏いになる。不甲斐無さで涙を溢れさせながら、アリスは踵を返してその場から離れた。
「逃がさん」
「行かせるかっての!」
アリスの後を追おうとしたグランに強烈な回し蹴りを喰らわせ花音は対峙する。周囲が照らされるほどのノーツを背後に展開して進路を塞いだ。全くダメージが無いのかグランは余裕の笑みを浮かべ剣に闇を纏わせる。
「良いぞ、ウイルスども相手に戦ってきただけはある。楽しめそうじゃないか!」
「言ってろ。アンタのことぶっ飛ばして、知ってること全部話してもらうから!」
一瞬の間を置きグランが闇の斬撃を、花音はノーツの弾幕を放ち激突した。




