終幕
光弾で弾き飛ばされたバグズが塵になって消え去る。どれほどの攻撃を与えても決して怯むことが無かったバグズ達が狼狽えている。身体を起こした花音も突然の出来事で思考が止まり、何よりアリス本人もなにが起きたのか理解出来ていなかった。現れたピンク色の光を放つノーツがアリスに付き従うように漂う。手足を再生させた増産バグズはアリスを見据えると、途端に背を向け走り出した。
「花音ちゃん!」
「逃すかっての!」
最後の力を振り絞り花音はノーツを展開させ逃げる増産バグズを追撃する。バグズを生み出す力も残っていないのか一瞬でノーツに撃ち抜かれ地に伏したところを、アリスが出現させたノーツがさらに追い打ちをかけ、中心部にある赤く光る核が剥き出しになった。
「いっけええええええええ‼︎」
花音の叫びと共に剥き出しになった核をノーツが打ち砕く。断末魔を上げる間もなく核を砕かれた増産バグズが爆散し、取り巻きのバグズ達が悲鳴に似た奇声をあげたかと思うと一斉に霧散して消え去った。
張り詰めていた緊張が解かれ、力無く倒れそうになった花音をアリスは支える。ボロボロの二人を、空から差し込む光が優しく包み込んだ。増産バグズを倒した影響か、空を覆っていた闇が徐々に消えていき、白い雲が浮かぶ青い空へと変わっていく。久しく見ることが出来なかった太陽が、煌々と荒廃した街を照らしていた。
「勝った……勝ったよ……アリス!」
「はい!」
自然と笑みが溢れる二人の元に、爆音を響かせながら龍二とお松が駆けつけた。傷だらけの花音を見るや否や泣きながら駆け寄るお松を宥め、花音は静かに座り込んだ。
「やったんだな、とうとう」
「言ったでしょ。アタシはやると決めたらなにが何でもやり遂げるって」
「流石だぜ、お嬢。アリスも頑張ったな」
「ひとまず帰るで! 二人ともボロボロやさかい、ゆっくり休んだらええ!」
そうだね、と呟きアリスに支えられながら花音は立ち上がり車へと乗り込む。バグズが消えた街を、爆音を轟かせながら一行は帰路へと着いた。




