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10P 二回戦

波乱。


 こうしてサドンデスを勝ち上がったメンツは康治をはじめ、ヒルダ、ジグマ加藤、店長岸、たばこ屋鈴木、エスメラルダが二回戦の進出となった。


 天上のジンは次なる勝負を告げる。

「よくぞ勝ち上がった勝負師たちよ。二回戦はスロットの金字塔「ホクトの拳」のバトルボーナス連チャン勝負とする」

 虎徹はこくりと頷き、マイクを握りしめなおす。 「さあ、2回戦はスロット勝負。しかもまさに康治軍対パーラー群対決に相応しい、文字通りのバトル対決~ぅ。それでは舞さんルールの説明をどうぞ」

 舞はカウンターでごそごそしていた。 「・・・・・・」 虎徹は首を捻り、

「カウンターの舞さーん」 と呼ぶ。


 すると彼女は食べかけのカップ麺をカウンター下の棚に隠し、口をもぐもぐさせながらマイクを持った。

「んが、くくっ!ふぁぃ。それでは、ルール説明をします。天の声が言われた通り、スロット「ホクトの拳」のバトルボーナスの連チャン回数となります。出玉は関係なく純粋な連チャン数で競って頂きます。健太郎がラ央に倒されない限りバトルは継続していきます。次の決勝に残るのは3名となります。いざっ!」

「勝負っ!」

 虎徹と舞は同時に開始の合図を告げた。

 

 各自人は一斉にバトルボーナスをはじめる。

 ところが康治軍・・・。

「な・・・なんですうの」

 ヒルダはボーナス確定画面で7が揃えられず、目をぱちくりさせている。

「あ~耳が」

 エスメラルダは元より戦意喪失したままだった。 「・・・・・・」

  康治はまず自分の台の目押しをして7を揃える。 「・・・白オラオラか」

 健太郎が白文字でオラオラと叫んでバトルボーナスが開始される。

 

 康治は席を立つと、

「ほらよ」

 とヒルダの台の目押しをし、

「黄色オラですう」

「さっさと打ち始めて」

「わかったですう」

 それからエスメラルダの7を揃えようとするが、 「・・・揃わない・・・まさか」

 彼は黒BARの「ホクトの拳」図柄を目押しする。  

 ギャーンっ!

「ひいっ!」

 エスメラルダは悲鳴をあげ、凄まじい音の確定音とともにレインボーオラオラが出現した。

「エスメラルダこれ激アツだぞ。とにかく回してくれ」

「・・・分かりました」


 そして・・・。

「・・・マジかよ」

 と、康治は絶句する。

 健太郎とラ央の睨み合いの後、チラリ足が見え先制したのはラ央の方だった。

 ラ央は両手から黄色い波動をつくりだしていた、彼の最大奥義「GO翔覇」の発動でこれを食らったら95%で敗北が確定するのだった。

「頼む。避けてくれケンタロウっ!」

 康治の叫びも虚しく、直撃を浴びた健太郎は膝まずく。

「ワンチャン立ち上がれっ!」

「ぐふっ!」

「・・・・・・」

 ♪てれれれれーれ♪ 終了の曲が流れる。

「ケーン・・・復活」

 康治は最後の祈りを込めてレバーオンする。

 バシューン。

 と稲妻が走り、通常画面へと戻る。

 見事な単発終了だった。

「あばばばっ!」

 康治は絶叫して項垂れてしまう。


 ホール内にバトルボーナスの爆音が景気よく響き渡っている。

 ひとりを除いて・・・。

「・・・返り咲いてこの仕打ちかよ」

 がっくりと椅子に背をもたせ、脱力する康治は悔し気にそう呟いた。

「康治、あなたの無念は朕たちが晴らしてくれるですう、それ、それ、それ~ですう・・・あ」

 ヒルダは前のめりになって、白熱する液晶に映る戦闘シーンを見つめていた。 まるでおばあちゃんがはじめてのファミコンに夢中になったかのように。

 3連目、ラ央の中攻撃蹴りが健太郎にヒットし倒れる。

「ケンタロウ立つですう・・・復活ですう」

 バシューンっ!

「無念ですう」

 エキサイティングしたヒルダは康治同様、天を仰ぎ椅子の背もたれによりかかった。


 ホール軍はジグマ加藤が4連で終わったものの、たばこ屋鈴木が7連、そして店長岸が裏で店長ボタン(遠隔?そんなもの本当は存在しないもんね?)を駆使して10連を達成していた。


 もはや、康治軍の命運はエスメルダ一人へと絞られた。

「さぁ、とんでもない展開となりました。康治軍、康治様、ヒルダ様は無念の敗退決定~残るはエスメラルダ様の健太郎の活躍に委ねられた~っ!しかしっエルフの女王はいまだホール爆音にさいなまれてレバーオン出来ないっ!危うし康治軍っ!」

 虎徹は状況を解説し、康治軍のピンチを伝える。 「・・・エスメラルダ様」

 エマは両手を胸の手前で重ね祈る。

「エスメラルダ、頑張って」

 エリザはそう言葉をかける。

「・・・エスメラルダ」と、康治。

「ファイトですう」と、ヒルダ。


「・・・・・・くっちゃ」

 そんな皆の姿をみて、作り笑いを浮かべるエスメラルダは意を決してレバーオンする。

「ひっ!」

 彼女は鳴り始める爆音に顔をしかめる。

 それでも、それでもとエルフの女王はレバーとボタンを叩き続けた。

 それに答えるかのように北東健太郎は大活躍、奥義ホクト百裂拳で攻撃、GO翔覇をかわしたり、ケーン復活、シャオ復活を織り交ぜてバトルボーナスは続いていく。

 そしてついに20連を越え26連目でエンディングを迎えた。

「・・・・・・」

 と、同時にエスメラルダは失神してしまう。


「二回戦これにて決着っ!26連っ、エスメラルダ様いち抜けっ!10連店長岸っ!たばこ屋鈴木さん7連っ!よって、この3者で決勝戦が行われ・・・」  

 虎徹のアナウンスが響く中、二回戦優勝者のエスメラルダは気を失ったまま椅子からずれ落ち床に倒れてしまった。


そして・・・。

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