シーン16/バトル・デモンストレーション、細則
「さて、いよいよバトル・デモンストレーションの本番だ。細則を確認しよう。
・『アクセスポイント』は三か所。
・チーム戦としては、プレイヤーのチェックイン順位の合算で勝敗を決める。
・プレイヤー個人に対しては、
一、チェックイン順位、
二、相手の死亡フラグを立てた数、
三、街への影響(破壊度、迷惑の度合い)の少なさ
の三点を評価する。
・武器の使用は禁止。
・警察沙汰を起こさない。起こしたプレイヤーは失格とする。
・デモンストレーション参加者以外への迷惑行為、暴力行為は禁止。違反した場合罰金を申し受ける。罰金の下限は十万円。上限は無し。
なにか質問は?」
ハオランさんは僕たちを見回した。琳さんが手を挙げた。
「コントローラーはバトルに参加しないんだね?」
「ああ、参加しない。プレイヤーからコントローラーへの手出しも禁止だ」
「よかった」
琳さんはそういうと俺に向かって頷いた。いや!別にそこまで怖がってない…こともないか。正直ほっとした。いや自分のためじゃない。チームBのコントローラーはグエンだ。女の子の安全は確保しないと。
「同時に、コントローラーもプレイヤーの安全に気を配って貰いたい。もしプレイヤーが暴走した場合は強制的にゲームから降ろしてくれ。プレイヤーも各自安全には十分気を配ること。なるべく怪我のないよう気を付けてほしい。万一コントローラーが制御できないような事態が起きたら、すぐ私に連絡してくれ」
「私たちは大丈夫よ。ね、カイン」
いや、ぜんぜん大丈夫な気がしない。ここんちはコントローラー自ら暴走しそうだ。
「章生~、つまんねぇことでビビってハオランさんに連絡したりすんなよ~」
月輝雨、人聞きの悪いこと言うな。陽太もなんで頷いてるんだ。失礼なヤツだな。
「大丈夫だよね、章生。まさかグエンより先にハオラン呼んだりはしないでしょう」
琳さん、俺に釘を刺してるのかしら。そんなに心配なら俺を巻き込まないでほしい。
「グエン、スマホの番号教えてよ。俺のも教えるから」
「琳のは知ってるわよ」
「…だったね。じゃ、番号教えて」
「やだ」
「グエン、デモのためだよ。万が一の場合はホットラインが必要になるかもしれないでしょ」
グエンは黙って琳さんを見上げ、ジーンズのポケットからスマホを取り出した。
「変な妨害とかは無しよ」
「グエン、妨害に使うならわざわざ本人に聞かないよ。予想されるようなことやっても効果は薄いじゃない。俺が妨害するなら、もっと全然うまくやる」
「琳てホントに性格悪いのね、ちょっと感心する」
「褒めてもなにも出ないよ」
ああ、いよいよバトルデモ本番だ。みんなテンション上がりまくりで見てられない。まったくもう。怪我なんかしないでくれよ。みんな無茶するから心配だよ。




