意思疎通とマシーナ
「それで、ここはどこなんだ?」
森の中を最初は歩いていたと思ったら、気がつけば大きな木が1本生えていて、後は何もない真っ白な世界。
こんなに白いものを見続けると目が悪くなりそうだ。
「だから知らないわよ、私の話聞いてる?」
機械龍のマスター、もとい、花落が頬を膨らませ少し怒りながら聞いてくる。
わざと頬を膨らましているようであざといが、そこがこの子は可愛い。
「あぁ、聞いてる聞いてる」
「ほんと?ならよかった!」
素っ気ない返事で返したが、実はちゃんと聞いているんですよ、この秋ちゃんは。
そんなことより……暇だ。
かれこれ2〜3時間は経っているのに一向に場面が進まない。
いや、むしろこれは自分達が死んでしまって、天国か地獄かの閻魔様の決断中である可能性もある。
「暇だ……」
そして、思ったことを無意識に口に出すくらい暇になった。
ーー今何日目?
う〜ん……5日目くらいじゃない?
もう一眠りでもするか……
この真っ白で木が一つある空間に来てから数日が経ち、秋と花落は考えるのが面倒くさくなり、仰向けになって常に目を閉じるようになっていた。
そして3日目が過ぎた頃からお互いに考えていることが意思疎通されているように伝わり声を出すのを忘れていた。
おやすみなさい、私は秋の見る夢でも見て暇潰しでもしようかしら?
意思疎通できるということは夢に干渉したり、見ることができるのだ。
それを交互に繰り返す……いや、主に秋が夢を見て花落が干渉や見たりして時間を過ごすのが今での楽しみになっていた。
それより花落、今更だけど、食事とか取らなくていい分にはいい空間だよなここ
お互いちゃんとした住居がないからご飯も安定して食べれないからね〜そう考えるといい空間だね……それより秋、早く夢見てよ!秋の夢は面白いんだから!
はいはい、今寝ますよっと
ーーこの時の私は、この生活がいつまでも続けばいいと思っていた
「マスター……息はあるのに起きませんね……どうすれば」
ワイバーンがまさかマスターを投げて、玉突きのようにワイバーンのマスターを龍核のエリア外に飛ばすなんて……
そう、あの時自分の判断が遅れ、マスターを庇えなかったら確実にマスターは死んでいた。
今後二度とこのようなことがないように胸に誓い、今日も特訓をすることにした。
スペルカードを使用する理由は2つ。
一つ、自らの体力を消費しない。
二つ、スペルカードで生み出した弾幕と別に弾幕を放てる。
龍核もこの二つの理由により使用したのだ。
龍核は巨大な炎を放つ弾幕と思っているが、実は違う。
細かい弾幕を大量に上空から落とす流星群の技なのだ。
その流星群に紛れ撃つより、ワイバーンが上空の弾幕を見て上空に飛び上がり先に回避してから攻撃してくると読んで撃ったのだが……
「判断が遅れたのかスペルカードを使った瞬間嫌な予感を察知したのか、どちらにせよ、もう少し慎重に考えなければ」
マスターだけは何があっても守る。
これはマシーナにとって生死より重要なことだと再確認した。




