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Seventh Øne  作者: 駿
58/76

Even if we're apart…… ③

「あの……急いで向かわなくてもいいんですか?なんでしたら、私がおぶって走りますけど…………」

「いえ、今すぐに命が奪われる心配はないので構いません。お2人には……落ち着いて集落の現状を見て欲しいので」

「……死者は出ていないのか?」

「はい、今の所は…………」

 しばらく真っ直ぐに車道を歩き続け、私達は遠方の人影を捉えた。

 私の頭で巡っていた悪い予想達は、安堵によって全部が解消された。

 ヨコミチさんの言ったとおり、死んでしまった人はいないみたい。

 全員集まって、私達が来るのを笑顔で待っている。

「……何故、来るのが分かったんだ?」

「見晴らし台とかで見えてたんじゃない?」

 あぁ、よかった。

 差し迫った危険がないなら、落ち着いて厄災を見つけよう。

「気味が悪いな」

「そういうこと言わない…………!」

 と、言いつつ――。

 皆が表情変えずにじっとして待っているのを、私も少しばかり不気味に思いながら、集落へと辿り着いた。

「………………」

「………………」

「………………」

 その不気味さは、住民達と合流しても、無くなることはなかった。

 むしろ増大し、私の背中が恐怖心に連られてピンと張った。

 だって――。

 全員、一言も発さず、表情も出迎えから全く動かさず、ただその目線を私達に集中させているだけなんだから、こんな気持ちにもなる。

 私達のことを皆に説明してくれると思っていたヨコミチさんも、着いてからずっと無表情で突っ立ったまま、何も喋らない。

 訳の分からない沈黙が、この場に満ちている。

 一体何なの、これ――。

「あ、あの……どうも!み、皆さんが困っていると聞いてやって来ました。優木ルナと、セリオスです…………よ、よろしく…………お願いしま、す…………」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

「え、えぇ~っと――」

「よく来てくれました!!」

「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそ!」

「ひぃッ⁉」

「よその人は久しぶりだなぁ!!」「そうですね久しぶりですね」「うんうん、久しぶり!」「久しぶり!」「久しぶり!」「久しぶり!」「久しぶり!」「本当に久しぶり!」

「なんだこれは……!」

 さっきまでニコニコしたまま黙っていたのに、急に私とセリオスを取り囲んで、一斉に歓迎の挨拶を並べ立てた。

 張りついた笑顔を崩さず、機械的に何度も。

 住民達に対する困惑と怖気で、私の心は一杯になった。

「あ、あの!私達、ここが大変な目に遭ってるって聞いて来たんです!!大丈夫なんですか⁉」

 私はどうにかして本題に話を移す為に、皆より声を出して尋ねた。

「………………」

 全員、私の言葉で喋るのを止めたが――。

「いいえ。大変な目になど遭っていませんよ」

「うん」「無いよな?」「何もないよ」「誰が言ったんだそんなこと?」「平和だよね」「地面が謎に移動しただけだね」

「え…………?」

 私が変なことを聞いてると言わんばかりの顔で、何もないと語った。

「そんな、私達……ヨコミチさんにそう聞いて――!」

「ヨコミチさん?」

「ヨコミチさんは…………」


「ヨコミチさんなら、この集落にずっといますけど?」


「…………⁉」

 ここにずっといる?

 何を言ってるの、ヨコミチさんは今こうして私達の傍に――。

「え――」

 いない。

 私達と行動を共にしていたヨコミチさんの姿が、忽然と消えた。

 私はセリオスを見る。

 セリオスも、いつの間にかヨコミチさんがいつの間にか消えていることに、驚愕していた。

「一体、どういうことだ…………!」

「……?ヨコミチさんに用があるのでしたら、案内しましょうか?自宅にいると思いますが」

「は、はい!是非……!!」

 もう、何が何やら分からない。

 集落は平和そのもので、私達をここに呼んだヨコミチさんは集落から離れていない。

 そんな訳ない!

 住民達が言っているのは、何かの間違いに決まっている!!

 私達は集落に足を踏み入れて、ヨコミチさんがいるという住居へ案内された。


「あっ、どうも。避難民の方ですか?」

「えっ、え……?」

「私、この集落の纏め役を務めている、ヨコミチです。よろしく」

「……………………」

 住居に入るなり、椅子に座っているヨコミチさんが初対面であるような振舞いを見せた。

「どうし、て……え、だって……なんっ…………なんで…………!?」

「大丈夫ですか?随分と顔色が……」

「覚えて、ないんですか?私達のこと」

「……?どこかで、お会いしましたか?」

「………………」

 会っているじゃないですかって問い質したかった――。

 けど、あまりに意味不明な状況に頭がついて行かなくて、その場にへたり込んでしまった。

「大丈夫ですか⁉すぐに横になった方が……」

「いえ、なんでもありません、なんでも……」

「そうですか?大分お疲れに見えますけど――」

「貴様こそ、随分と汗ばんでいるようだが?」

「えっ?あぁ……私、汗っかきなもので…………!」

「足も、震えているな」

「これはちょっと、疲労が溜まっていまして……」

「……そうか。少し、辺りを散歩しても構わないか?」

「は、はい。いいですけど?」

「ルナ。行きましょう」

「え……?」

「あの!少し、ゆっくりした方が……!」

「そんな時間はないのだな、失礼する…………」

 セリオスが私の手を取って立ち上がらせ、ヨコミチさんの住居を後にした。

「セリオス……?」

「ルナ、元凶を探りましょう。全員、間違いなく何者かによって操られている」

「…………!」

「ここに巣食うアンサラーを見つけ、倒す。そうするしか……彼らを救う道はないでしょう」

「倒す……」

 戦いはもう避けられないということが、セリオスの言葉の重み――。

 そして、ここまで見せつけられた集落の深刻なまでの異常さから、感じさせられる。

「私達の手で……?」

「……ラスタの戦線復帰が依然として難しい以上、我々のみで倒すしかない」

「…………説得は、出来ない?」

「これ程までの支配を行なっている相手に、凡庸な平和論が通じるとお思いですか?何がなんでも倒すべきです」

「………………」

 どうしよう、クロちゃん。

 私達の思い通りには、進みそうにないよ。



 セリオスの主導で、住民達を操っているアンサラーの捜索を始めた。

 集落の全体を巡って探したり、住民1人1人にダメもとで聞き込みをしたり……。

 日が落ちるまで必死に行ったけど――。

「はぁ…………」

 アンサラーを突き止めることは出来なかった。

 出来る限り集落中を探し回っても痕跡すら見つけられず…………やる前から分かってはいたけど、支配下に置かれている為に聞き込みも、有力な証言はゼロ。

 もしかすると外出しているのかもしれないと思って、今もこうして集落から離れずに居座っているけど、現れる気配は一向にない。

 多分アンサラーは、私達の動向をどこかで見張っているんだろうけど。

「もう分身使おうかな……?」

「敵に手の内を明かすので駄目です」

「やっぱり?あ~あ、このままじゃ手掛かりなしだよぉ…………」

「しかし、住民達にある共通点は見つけられました」

「…………?あぁ、怪我のことね!」

 それは聞き込みをしている際に発見したもので、住民の全員が身体の何処かに、包帯で巻いていて――。

 それについて聞くと全員が、何日か前に切り傷が出来てしまったからだと言い、どうして出来たのかは曖昧にしていた。

 セリオスはこの奇妙な一致に、アンサラーの力と何か関係あるんじゃないかと睨んでいる。

「アンサラーが皆に傷を付けて…………そうすることで相手を支配している、ってことかな?」

「いざ相対した時には、傷を付けられないようにしましょう」

「そういえば、クロちゃん達には、経過報告とかした方がいいのかな……?」

「ここで合流した所を見つかれば、別行動を取った意味がない。このまま捜査は続けましょう」

「なら、今日はここに泊まりかぁ……うぅ、今日は風が吹いててさぶいなぁ。どこかの家に」

「いた!お~い!!」

「ヨコミチさん…………!」

 懐中電灯を持ったヨコミチさんが、私達に用があるのか遠くから呼び掛けて、朝と同じように走って近づいて来た。

 必死さはもう、欠片も無くなっているけど。

「いやぁ、随分長い散歩ですね。何か、余程気になることでも?」

「いえ…………特にそういう訳では」

「もう夜になってきてますし、私の家で休んで行きませんか?」

「えっ、いいんですか?」

「勿論!まぁ少し、狭いとは思いますがね」

 この優しさは、洗脳とは関係ないヨコミチさん本来のものだと信じたいけど…………。

「どうする?セリオス」

「…………まだ、戻る訳にもいきませんからね」

「決まりね」

 私達はヨコミチさんの誘いに、乗ることにした。

 暗くなり始めた道を3人で歩き出し、彼の家へと向かう――。

「ルナ。最低限の警戒は怠らないように」

「……分かってる」



「邪魔をする」

「どうぞどうぞ、足元に気を付けてください……そうだ!ポトフでもどうですか?」

「いいんですか?是非!」

 ヨコミチさんに懐中電灯で中を照らして貰いながら、私達は建物内へと入り、リビングのテーブルへ腰掛ける。

 置いてある電気式ランタンの電源を、ヨコミチさんが入れることで、リビングに光が灯って内装が見えた。

「今、温めますから」

 ヨコミチさんはキッチンに移動し、鍋を据えたガスコンロに火を入れる。

「すみません。泊まる場所だけでなく、食事まで」

「いえいえ!まだ、1人の夜に慣れてないもので……いてくれるだけでも、ありがたいです」

「え…………」

「………………」

「あっ、すいません。1人息子が最近……亡くなってしまいまして…………」

「亡くなったって……」

 辺りを見回すと、窓の方に1枚の写真が立てられていた。

 薄暗いからよく見えないけど、小学校の校門で集合する3人家族の写真だった。

「よし、湯気が出てきた」

 カチッと、火を消すつまみの音が鳴り、食器に注がれるスープの音が、静かなリビングに広がった。

「お待たせしました。どうぞ」

「ありがとう、ございます…………」

「……すみません。変な空気にしちゃって」

「そんな……謝ることじゃ、ないですよ…………!ご冥福を、お祈りします…………」

「ありがとうございます……どうぞ、冷めない内に」

「あっ、はい!頂きま――!!」

「お待ちください。私が先に……」

 セリオスが先んじてスープを口に運び、喉に流す。

「問題ありません」

「……?何か、アレルギーでも?」

「いえ、気にしないでください!頂きます!!」

 私達は手を合わせ、出してくれたスープをスプーンで掬い、口に運ぶ。

 暖かいスープが、夜風に晒された身体に沁みる。

「美味しいです!」

「ありがとうございます。息子も、私のコンソメスープが好きで……最近こればかり作ってるんですよ…………はは」

「………………」

「あぁ……すいません、また。いやぁ、どうにも口が滑っちゃって――」


「その息子とやらはいつ、どのようにして亡くなったのだ?」


「ッ⁉」

 セリオスの口から突然、気遣いの欠片もない言葉が投げ掛けられる。

 ヨコミチさんのスプーンを持つ手はピタリと止まり、硬直した。

「セリオス……!」

「……何故、そんなことを?」

「まさかそれも、覚えてないとは言うまい」

「アンタねぇ!聞いていいことと悪いことがあるでしょ⁉」

「この男の息子の死。それには、アンサラーの正体を解くカギがある。我々は目的の為に聞かねばならない」

「だからって――ッ!」

「……………………」

 ヨコミチさんの右手からスプーンが零れ、スープに持ち手が沈んだ。

「ヨコミチ……さん…………?」

「あれ……?」

 震えた声が漏れる。

「あれ、あれ……?」

 ヨコミチさんは立ち上がり、ふらついた足取りでリビングを歩き出し、立てていた写真に飛び付いた。

 そして膝を崩し、写真にいる人を凝視しながら、独り言でしどろもどろに呟き続ける。

 その常軌を逸した彼の様子を目の当たりにした私の体温は、戦慄によって急速に冷え込んでいった。

「はは……なんでだ、なんで…………思い出せないんだ?タケルの思い出は沢山覚えてるのに、なんでだろう?ごっそり、抜け落ちてる。覚えていなきゃいけないのに、見たはずなのに……なんで、なんで思い出せないッ!?」

「ッ⁉ヨコミチさん、落ち着いてください!」

 混乱したヨコミチさんが、写真を持ち続けたまま、床に頭を叩きつけ始めた。

 私は彼の両脇の下から腕を通して引っ張り、頭突きを止めさせるが、ヨコミチさんは尚もがき続けた。

「誰かが殺したんだ、タケルをッ!!私も守ろうとして飛び出したのを……アイツが、アイツが!!アイツが!!アイツが!!アイツ……あの、男がッ!!」

「……その男とは誰だ!?何処にいる⁉」

「セリオスッ!!」

「いッ、あぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

「ッ!!」

「いぃぃぃ痛いッ!頭ぁ……頭がぁッ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 思い出そうと暴走していたヨコミチさんだったが、今度は頭を両手で押さえ、頭痛に苦しみ出した。

 写真も放り投げ、苦痛から逃れたい一心でのたうち回り、絶叫を上げる。

「思い出さなくていいですから!ヨコミチさん!ヨコミチさんッ!!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」

「ッ⁉」

 ヨコミチさんの、苦悶が止まった。

「あぁ、思い出した…………」

「何ッ⁉」

 ヨコミチさんは涎を垂らし、窓から見える空を見て呆然としながら、思い出した内容を呟く。

「此岸、リョウ。アイツが、タケル……を…………殺した。斧で」

「此岸リョウって……⁉」

「あの男か……!」

「奴は、今もここにいる……ここで、皆を…………」

 ヨコミチさんの目に、涙が溢れ、零れ落ちる。

「タケ、ル……」

「ッ、ヨコミチさん!!」

 力が抜け落ちたように、ヨコミチさんの身体が崩れ、倒れ伏した。

「ヨコミチさんッ、ヨコミチさんッ!!」

 揺すり、声を掛けるが起きる様子はない。

 私は急いで、胸と腹部が動いているのかを確認。

「……!ふぅ…………」

 正常に呼吸をしているのを見て胸を撫で下ろし、回復体位の姿勢に身体を動かした。

 命の危険はなくてよかったけど……。

「此岸リョウがここにいる、か。大きく進展しましたね」

「…………」

「具体的な場所を聞き出せなかったのは、残念ですが」

「ッ!」

 毅然とした態度を取り続けるセリオスに、私はどうしようもなく腹を立て……。


 彼の頬を、平手で叩いた。


「…………」

「本当、何様のつもりなのアンタ……⁉」

「いけませんか?」

「嫌なことを無理矢理聞き出して、そのせいで倒れたのに……何とも思わないの⁉」

「生きているのなら問題はないでしょう?」

「それは結果論でしょ!もし、取り返しの付かないことになっていたら、どうするつもり!?」

「仮定の未来を議論するなど不要です。私は追及に最善を尽くし、彼の身に予測不能な意識の途絶が起きた……ただそれだけのこと」

「……アンタには、ブレーキってものがないわけ?」

「些事に躊躇っている場合ではないでしょう。ルナ、貴方は世界の命運を懸けた戦いの渦中にいるということを……十分に理解出来ていない」

「私は、アンタみたいにはなれない……!」

「いいえ、貴方は私と同じ道を辿らなくてはならない。貴方の輝かしい光を、絶やさぬ為に」

「私は――ッ⁉」

 否定の言葉をセリオスに掛けようとした、その時――。

「…………!」

 けたたましいサイレンが、街頭スピーカーから一斉に鳴り響く。

 私は、反射的に耳を両手で塞いだ。

「何なのこれ……⁉」

 サイレンは、こちらに恐怖心を抱かせるように、止め処なく鳴り続ける。

 音に慣れて両手を耳から離した。

 けど、怖気から来る寒気は、拭えないどころか増すばかり。

 一体、誰がこんなサイレンを鳴らしてるの……?

「ッ!ルナ……!!」

「ッ⁉」


 意識を失っているはずのヨコミチさんの身体が、動き始めた。

 首が項垂れたまま吊られるように起き上がり、閉じていた瞼を開いて、生気のない瞳を私達に覗かせる。


「ヨコミチさん……?」

「………………」

 ヨコミチさんが、不安定な足取りで歩き出す。

 向かっているのはリビングの出入口だった。

 まさか、外に――⁉

「ちょっと待って、ヨコミチさ――!」

 私は行かせまいと慌てて彼の袖を掴むが、ヨコミチさんは意に介さず歩き続け、私の手を振り解く。

 胸に両腕を回して強引に引き留めようとしても、彼は私を巻き込んで玄関へと進んで行ってしまう。

 ――明らかに、身体からじゃない別の力がヨコミチさんを動かしている!

「この鳴り響くサイレンが、彼を……?」

 ヨコミチさんは機械的な手つきでドアノブに手を掛け、扉を開いて外へ出る。

 どこへ行くつもりなのか。

 私達が追い掛けると――。

「…………………………」

 ヨコミチさんだけじゃない。

 沢山の人達――。

 Aエリアに住む全員が、彼と同じく、虚ろな表情で夜の街路を歩いていた。

 示し合わせた訳でもなく、同じ方向に。

「皆、サイレン聞いておかしくなっちゃったの……⁉」

 次々と、人が私の横を通過して行ってしまう。

「ルナ、後を追いましょう。全員がどこかへ集まるのなら……サイレンを鳴らし、集合させた敵がいるはずです」

「うん……!」

 今すぐにどうにかすることが出来ない悔しさに歯噛みしながら、導かれる住民達を追った。

 ――サイレンは未だ、止まる様子を見せない。


 住民達の集合地点。

 どうやらそれは、誰もいない小学校の体育館だった。

 皆、校門を通って、体育館へと入っていく。

「なんで、あんなとこに……?」

 私達も入ると、1人1人が前後間隔を整えながら、列を成している。

 ……そんな状況ではないけど、全校集会を思い出してしまった。

「ルナ、壇上を見てください」

「ッ⁉」

「奴が、いる……!」


 壇上の中央に置かれた演台。

 その上で胡坐をかき、光沢のある両刃斧を肩で支えながらこちらを見下ろす人影が1つあった。

 白Tシャツの上から羽織った黒い革のジャケット、腰回りにチェーンを付けたデニムパンツ。

 胸元で煌めきを見せる紫のドグマ・コア。

 間違いない、アイツが――。

「此岸、リョウ……!」

「ようこそ、俺の王国に」

「………………」

「挨拶が遅れて悪かったな。歓迎してやるぜ、たっぷりと」

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