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学生
「変わった呪いの匂いがしたから。」
ニクルスは僕の心臓を指差してそういった。
「えっ。」
「じゃあね。」
「あっ。まって!」
追いかけるともうそこにニクルスは居ない。あの鋭い眼光は、まるで別人のようだった。
どういう事だろうか。しかし頭が重くて辛い。難しい事は考えられそうもない。
それから後に二ルクスに話を聞いても、まるで覚えていないかのようだった。
カマを掛けてやろうかとも思ったが子供相手にそこまでするのもはばかられた。
船は思ったよりも風が良かったらしく、8日でジルガンティアについた。僕はやっと船酔いの苦しみから開放されるのだ。
「リカルドはこれからどうするの?」
ニクルスとはかなり打ち解けた。沢山話してくれる。
「分からないんだ。気づいたら船に居たから。できれば帰りたいんだけどね。」
「今日は何処に泊まるの?」
野宿だろうか。本当に一文無しだし、ブーメランも無い。船の代金は先払いだったようだ。
「ぼくのへやに来る?」
なんとも情けない話だが、僕は好意に甘えることにした。12歳の。
二ルクスの部屋は学生寮だった。小さな一人部屋で、ベットと机が一つずつある。ここは協会の学校と隣どうしになっている。
僕は絶対いては行けない場所な気がする。




