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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。




季節は巡って新しい物語へーー……




「トワおねーちゃん!」

「お帰りなさい。また妖精達と遊んでたの?」

「うん!えへへっ、だっこだっこー!!」

「ふふっ、はいはい」



抱き上げるときゃっきゃっと楽しそうに笑うこの子はクオン兄さんとカラン姉様の子、そしてもう一つの魂が宿っている特別な子。


髪の色は綺麗な深緑色、名前はエンリ。


子ども特有の柔らかい頬を優しく撫でると擽ったそうにエンリは笑った。


彼の中にはタロットのお兄さん、サロット君の記憶がある。

エンリが話せる様になって初めてタロットに会った時の事は今でも覚えている。



「…」

「どうしたのエンリ?タロットが気になるの?」

「このにーちゃ、しってる!おとーとだったひとだ!!」



その瞬間、タロットは大泣き。

クオン兄さんとカラン姉様、他の皆は大慌て。


エンリが話すには自分の中にたくさんの知らない記憶があって、その記憶は絵本を読んでる感覚らしい。


あのたくさんの出来事があった時から二年、色々な変化もありつつ、私達は平和な日々を過ごしている。



『エンリは元気が良過ぎる…もう追いかけ回されてヘトヘトやで…』

『情けないわねぇ。エンリが鬼ごっこしたいって言ったら乗り気だったじゃない』

『あないに体力あるとは…』


「レインたちもはやくあそぼー!!」

「アイツの体力は凄ぇな」

「将来が楽しみぞよ」

「あはは…エンリはいつも妖精達と遊んでるから体力が凄いんだ」

「ホムラとスイレンもありがとう」

「こう見えて二人共、子どもが大好きだから凄く楽しんでるよ」

「「子どもは可愛いからな」」



赤ちゃんの頃から妖精達と触れ合っていたエンリはハヤテとリリィとも話せ、妖精界にも遊びに行っているから妖精王達とも仲良し。


特に土の妖精達のイタズラ好きな性格が移って、二歳にして立派なイタズラっ子に育ってきている。クオン兄さんがその第一の被害者だったり。



「お待たせトワ。仕事がやっと片付いたよ。エンリも久しぶりだな」

「学園は夏期の休みだが警備は毎日だからな…意外と大変だ。ふっ、トワとエンリが元気そうで何よりだ」

「お久しぶりですトワ!会いたかったです!!」

「相変わらず無駄に元気だねトワ」



ランジェ様が言った通り、今は夏休み真っ只中。


今日は私の家でお泊まり会。

集合は昼過ぎからで、そろそろ皆が集まる頃だ。



「おーい、ウルネロとアロネットも来たぞ」

「こんにちはトワさん!お土産持って来たの!」

「うむ、我も持って来たのだ!」

「待ってたわ二人共!ありがとうヴァン」



ウルちゃんとアロネットちゃんも登場して一気に賑やかに。

それに続いて部屋の中にいたタタとナナも外に出て来たから後はリュードとタロットだけ。


ちなみにタタとナナは私の家でアリンとサナに仕事を教えて貰いながら、暮らしている。

二人の優秀さにお父様とお母様は感動していた。



「遅くなって悪い。タロットが道に迷って大変だったんだ」

「リュードひどーい。それ言わない約束ー」

「リュード、タロット!あそぼー!!」

「エンリは元気だーね。良いよー何しよっかー」



駆け寄るエンリを優しい目で見るタロット。

サロットとの二度目の「約束」が守られて本当に良かった。


タロットの側にいて彼をずっと支えていたタタとナナもエンリと楽しそうに話す彼を少し離れた場所で優しく見守っていた。



「タタとナナもエンリと遊んでくれてありがとう。たくさん遊んでくれる!っていつも凄く喜んでるのよ」

「僕らは別に…」

「と、当然の事をしただけだよ」

「ふふっ、お兄ちゃんとお姉ちゃんって呼ばれてるの知ってるわよー?」

「「!!」」



照れてる二人がもう超可愛い。

我慢出来ずによしよしと頭を撫でると、少し頬を赤くした彼ら。


大好きな場所に大好きな人達がいる。



(最初はどうなるかと思ったけど…こんな日が来るとはなぁ。)



前世の記憶を思い出したら、まさかの此所は元ゲームの世界。しかも私の立ち位置は死亡ルートしか用意されてなかった悪役令嬢。


けれど、手に入れたものはかけがえのないものばかり。大好きなこの世界。


悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。


私は「トワ・アトリエス」。

絶対に悪役令嬢にならなくちゃいけないなんて誰が決めたの?


運命を決めるのは自分自身。

私は私の物語を作っていくんだ。



「トワさん!ケーキの準備が出来たみたい!!」

「今行きますわ!!」



かけがえのない皆とこれからも。



ここからはゲームに無い物語。


さぁ、新しい物語を始めましょうか。






〜THE END〜

やっと完結致しました…(´∀`*)

このお話を読んで下さった読者の皆様、本当にありがとうございます!!


取り敢えず、ほっと一息。


後は後日談的な話を一話くらい書いて終わりたいと思っております。

そしてそして、ずっとずーっと書きたくてウズウズウズウズしていた新作を明日から書いていきます!!


興味が湧きましたら是非どうぞm(_ _)m

ではでは、これにて『悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。』を完結させて頂きます!


改めて、


最後まで読んで下さった読者様、ブックマークして下さった読者様、感想をして下さった読者様。


本当に本当にありがとうございましたー!!!

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