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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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ゲームスタート。

「もうっ凄く心配したんですからね?魔法便を送ってくれて良かったです!」
「植物好きにも程があるっての」
「目を離すとすぐにトワはどこかへ行ってしまうからね」
「ふははは!流石、トワ君だな!」


午後の授業を全て終え、生徒達が利用可能なカフェテリアに皆で集まり始まった私の反省会。

私が珍しい植物を見ると夢中になって観察をしてしまう癖を皆は既に知っている為、呆れた様子だった。す、すみません…。


(ランジェ様が言った通り、魔法便を送っといて良かった…。)


ヴァン君の話が済んだ後に、ランジェ様から心配しているリオネちゃんへ魔法便を送った方が良いとアドバイスされたのだ。

魔法便とは書いた手紙に魔法をかけると鳥の形に変化して相手に飛んで行く魔法の手紙のこと。


「俺もトワ殿に話があったからな。すぐに返してやれなくてすまない」
「話って何だったんですのランジェ兄様?」
「実は前から探していた補佐にヴァン殿を指名したんだ。トワ殿にはその許可を求めた」


その言葉を聞くと皆は驚いていたけれど、ヴァン君の防御魔法についての知識が凄いことは皆把握済みだからすぐに納得した。

「ヴァン・アトリエス」という名前はここ数年でかなり国に広まった。
ゲーム通り、ヴァン君の火属性の魔法演舞は芸術性が高く防衛力にも優れ、美しく強い魔法として評価されている。

前に見せて貰った炎のドラゴンは本当に凄かった。画面越しで見るのと訳が違い過ぎでした。


「僕、ヴァン・アトリエスの魔法を一回だけ見たことあるけど完成度が高くて凄かったな」
「おぉ!それは興味深い!入学してきたら是非見せて頂きたいぞ!!」
「ふふっ、ヴァンに二人を紹介するのが楽しみだわ」


ヴァン君にミケ君とウルちゃんを会わせるのを楽しみにしていると、「あの…」と後ろから小さな声が聞こえてきた。

その声の主を見た皆の表情が一瞬だけ固まる。

ハルト様なんか鉄壁の笑顔に変わっちゃうし…この笑顔になるということは警戒心バリバリということだ。

確認すると主人公のアロちゃんだった。
あ…確かこれ、最初のイベントじゃないですか。

主人公が先生に頼まれてハルト様を呼びに行くイベントだった筈。
ここがハルト様と主人公の最初の出会いであり、それに嫉妬したトワが主人公に目をつける出来事でもある。

ゲームでは綺麗な主人公の髪を褒めたハルト様の言葉に照れた主人公の可憐さにハルト様がときめく感じだった。
トワはそれを見て初っぱなから主人公に紅茶ぶっかけてたっけな…修羅場だ。


「ハルト様、ルミエル先生から聖堂に来て欲しいと伝言を頼まれたのですが…ご一緒に来て頂けますか?」
「ルミエル先生が?……分かった。ごめんね、皆。ここで僕は失礼するよ。
トワは真っ直ぐ皆と寮へ帰るんだよ?植物観察はまた今度ね」
「わ、分かってますわ!」


帰りにもう一度あの植物を見に行こうとしているのがハルト様にはお見通しだったようで、先に釘を刺されてしまった。

あまりにもお見通し過ぎて悔しい…いつか何かでギャフンと言わせてやるぜ王子め。

その思考さえも分かっているのかニヤリとした笑みも向けられた。貴方はサトリか何かですか。


「あの…大丈夫、ですか?」
「えぇ。では行きましょうか」
「は、はい!…………え?」
「?何か?」
「な、何でもないです!」


ハルト様が立ち上がるとアロちゃんはハルト様の顔を見つめていて、何かを待っているようなそんな感じがした。

私もハルト様の言動を不思議に思った。
ゲームでは既にアロちゃんの髪を褒めている筈なのに全然褒めないし、むしろ全く興味無さそうである。

どうした王子よ。こんな可愛い子が目の前にいるんだぞ。

私的には死亡ルートが避けられればそれで良いから嬉しいけど、何のアクションもしないのは男としてどうなのだ王子。

疑問のままハルト様とアロちゃんはカフェテリアから出て行く。えーっと…イベントは?


「ふむ。あの生徒がリオネが言っていた気になる生徒か?」
「そうなんです。ランジェ兄様もアロネットさんの魔力は気になるでしょう?」
「少しな」
「うーむ…事件の予感なのだ!」
「ウルネロは何でも事件にしたがるよね」


二人がいなくなった後で皆は昼食の時と同様にアロちゃんについて話し出した。

確かに彼女の魔力オーラに最初は違和感を感じたけど、ウルちゃんが言う事件なんて起こらないと思う。可愛いし。

それが私の中で一番の理由だったりする。


『あの子に気を許さない方が良い。それは確実に言えることだよトト』

「!」


突然、頭の中に響いてきたレインの声。

今すぐ庭に来て欲しいと言われ、その声は焦っているように聞こえた。


「ごめんなさい、少しレインと話して来るわ」
「おや、妖精王から呼び出しかい?」
「えぇ…何か話したいことがあるらしいの」
「あの女のことかもしれないね」
「勘が冴えてるじゃないか魔術師。その可能性は高いぞ」
「だから僕は魔術師じゃなくてミケだってば」


ミケ君、ウルちゃん、まさかのビンゴです。

レインの焦る声に私も何故か心をザワつかせていた。
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