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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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忠告と予感。

校舎の裏側に行くと、人気が無い庭がある。

そこは少し寂しい感じがして人が来ることは殆ど無い。だから、レインと会うのにはうってつけの場所なのだ。


「レイン!急にどうしたの?」
「ここじゃゆっくり話せないから妖精界に行こう。少し長くなるかもしれないから」
「わ、分かったわ…」


壁に寄り掛かって待っていたレインは辺りを少し見回すと私の手を掴んで妖精界に続く扉を作った。

どうやら、思った以上に問題は深刻そうだ。

妖精界の森の中に着くとそこにはテーブルと椅子が用意されていて、レインに促されて座った。


「ごめんね。急に呼び出したりして」
「全然、平気だよ。それで…話はアロちゃんのこと?」
「うん。早めに対策を考えておかないと、あの子は危険だ」


レインがアロちゃんを偶然見た時、闇属性の魔力に興味が湧いてオーラも一緒に見たらしい。
その色は今まで見たことが無い色で、禍々しい何かを纏っていたと言う。

闇属性の魔力がとても素晴らしい魔力で、同時にとても危険な魔力だと私は知っている。

妖精王と皆からの忠告。
「アロネット・ナディア」が私の知る主人公では無いことが今この瞬間に理解した。


「彼女は何かを企んでいる…危険だと判断したら迷わず魔法で対抗するんだよ?
僕もすぐに行くから。それと、なるべく誰かと一緒にいて欲しい」
「うん…分かった。ありがとうレイン」
「相手は闇属性。何の魔法を使ってくるか分からないのが不安だな…」


顔の前で指を組んで、目を伏せる姿は少し疲れていた。立ち上がってレインの頭を抱き寄せる。

多分、レインは何か対策を作る為に何度もアロちゃんのオーラを見たんだと思う。
妖精というのは邪悪な魔力の影響を受けると一気に体が弱ってしまうのだ。

闇の魔法にどれだけ私の魔法が通用するか分からないけれど、頑張らなくてはいけない。


(裏組織とアロちゃんの魔力…最悪な展開にならなきゃ良いけど…。)


最も怖いのは裏組織とアロちゃんが連携してしまうこと。

私が知る主人公は裏組織を倒す側だったけれど…今のアロちゃんは予測出来ない。

私の大切な人達を守らないと…ここは現実で一度っきりなのだ。ゲームのように失敗してやり直しなんていうことは無理な世界。


「このままレインには妖精界で休んでいて欲しいの。少しでも魔力を回復して、早く元気になってね」
「でも、トト…」
「お願いレイン。私も貴方が心配なの」
「………、はぁ…分かったよ。本当に危険な時は必ず僕を呼んで。それと…ありがとう」


頷いてくれたレインに安心した。

妖精界の自然から力を貰える為、ここにいた方が絶対に安心なのだ。

レインにはいつも元気でいて欲しい。


「土の妖精さん達、レインをよろしくね。ちゃんと休むように見てて。無理は禁物だよ?」

『分かったー!』
『任務だ任務だー!』
『王様を守るー!』

「皆…ははっ、ありがとね」


照れくさそうにするレインに別れを告げて、扉の外に足を踏み出すと私の寮部屋に出る。

部屋にあった机の上には「大丈夫?」と書かれた魔法便で飛んできた小鳥がいた。

既にこっち側は夜の八時頃になって、窓から見える空には星が輝き、時間の早さに驚く。

妖精界にいると本当に時間を忘れてしまう。


『おかえりなさい、主様。レインとたくさん話せた?』
『オレらも全力でサポートするからな!安心せぃ!!』

「うん、ありがとう…リリィ、ハヤテ」


心配を掛けてしまった皆に向けて魔法便を送った私はシャワーを浴びて、そのまま夕食を食べずに寝てしまった。

そして、その夜は知らない誰かが怪しく笑う夢を見た。
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