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遅めの気付き。

隣に座るミケ君の横顔を改めて見ると、本当に綺麗な顔をしているなと思った。


アシンメトリーなお洒落な髪型と赤色の髪。

レインは真っ赤な薔薇の様な赤色で、ミケ君のは少し茶色が混じった赤茶色って感じだ。


まつ毛も凄く長くて、焦げ茶色の丸い瞳もクリクリとしていて可憐さが半端無い。


背も私と同じくらいで少し小柄。

男子の制服を着てなければ男の子と分からないだろう。



(女顔を気にしてるって言ってたから絶対に言えないけどね…。)



心の内に留めておくことにする。


ちなみに、男子の制服は学ラン風だ。

女子と同じ真っ白な生地に銀糸の刺繍が施されている高級品。



「…ちょっと、何ジロジロ見てんの?」

「あ、ごめんなさい。その制服をとても着こなしているなと見惚れてたのよ」

「は、はぁ?!見惚れてたとか普通言う?!」

「…駄目、なのかしら?」

「あーもうっ…調子狂うな…」



ミケ君の照れる姿を見て生まれた感情にまた違和感を感じた。


警戒している猫系男子の彼。

「ツンデレ」の代名詞の様な男の子。


…ん?猫系男子…?


はた、と考えをストップする。


ミケ君のお祖父様はこの世界に三人しか存在しない大魔術師の一人だった人。

女の子と見間違う程の可憐さ。

決定的なのは猫の様な「ツンデレ」性格。



「あ」

「…今度は何さ?」



お、思い出した…朝から色々あり過ぎて気付くのが遅くなってしまった。


ミケ・スザロ。

歴とした彼も攻略対象者の一人だ。



(そうじゃん!ミケ君と主人公のカップリングに萌えてた方だったじゃんっ!私!!)



可愛い二倍は最強なのだ。

二人が照れながらも花畑でラブラブするシーンは本当に感動物だった。

あれは最早、伝説的に可愛いシーンの一つとして私の記憶に刻まれている。


ハルト様の専属魔導師だと聞いた時点で気付くべきだった。



「ねぇ、何か落ち込んでるところ悪いけど…そろそろ開会式始まるんじゃないの?」

「開会式?あぁ、開会式。…開会式?!」

「うわっ!いきなり立ち上がんないでよ!びっくりするだろ?!」

「遅れたら大変だわミケ君!急ぐわよ!!」



ハルト様とリオネちゃんに開会式には必ず間に合うようにすると約束したのだ。

心配を掛けさせるなんてご法度である。


今から急いでも聖堂に着くのはかなりギリギリになってしまう。

ここは彼らの力を再び借りるしかあるまい。



「皆!聖堂に直行よ!!」

「え、皆って誰…」


『あいあいさー!』

『任せてー!』

『行こう行こうー!』


「え、何?!は?!妖精?!」



状況が理解出来てないだろうが、急ぐ為に慌てているミケ君を光る木の根元へと押し込んだ。


私も飛び込み、目を開けるともう目の前には聖堂があった。

開会式の開始五分前には何とか間に合ったようだ。



「ありがとう皆!今度、タルトをお礼に持って行くわね!」


『やったー!』

『タルトだタルトー!』

『楽しみにしてるねー!』


「何で妖精が見えるの…てか、何で普通に話してるんだよあんた?!」

「そんなことは後よ後!今は開会式の挨拶が先よ!!」

「話を聞けぇぇぇぇええええ」



ミケ君の腕を引っ張って、そのまま私達は聖堂の中へと駆け込んで行った。

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