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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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永遠の見解。〜ある生徒視点〜

「続きまして、新入生代表の挨拶です」


司会進行を勤めている生徒も平静を装いながらも、やはり代表者達が気になるのかソワソワとしているのが見ていてすぐに分かった。


(まぁ…当たり前か。あんな凄い人物達が揃うことは早々無いしな。)


今年の新入生代表者達は歴代最強と言われる程の容姿と頭脳を持ち合わせていた。

彼らを見る他の生徒達の目は尊敬、羨望、嫉妬、畏怖…様々な感情が入り交じっている。
一人ひとりが持つ影響力が桁違いに凄いのだ。


「ハルト王子…なんて美しいのかしら…」
「ミケ様もとても可愛らしいですわ!」

「リオネ様のあの雰囲気、癒されるよなぁ」
「俺はウルネロ様派だな。あの元気の良さが良い」


周りの生徒達は挨拶をする代表者達を熱のこもった視線で見つめ、口々に思ったことを話していた。

この学園で「新入生代表」に選ばれたら将来を約束されたも同然。
国で重宝される存在となるのだ。

ふと、歴代最強と言われる今年の代表者達の経歴を思い出してみる。


ウルネロ・カーチャル。
この国を支える宰相の一人娘であり、知能数は未知。
彼女に解けない問題は無いと言われている才女。

ミケ・スザロ。
大魔術師を祖父に持つ第二王子の専属魔導師。
最年少で魔導師の資格を取得し、風属性の魔力で右に出る者はいない。

リオネ・デルトロ。
有名な公爵家の長女で、兄には「若き天才」と呼ばれるランジェ様がいる。
土属性の魔力については淑やかな見た目に反し、荒々しく力強さは男も敵わないとされている。

ハルト・トレアスニカ。
この国の第二王子で何もかもが完璧とされ、多くの者を魅了する力は天性のもの。
最近ではハルト様個人でもいくつか事業を始め、そのお陰かこの国は彼のおかげでより発展した。


そして、新入生代表者の中で最も「最強」と言う言葉を誇るに相応しい人物。


「トワ・アトリエスです。これから三年間、学園生活を精一杯、満喫したいと思いますわ」


トワ・アトリエス。
この国で彼女を知らない者はいないくらいの有名人で、彼女の成し遂げてきたことは凄いとしか言い様が無い。

まず、彼女の調合する薬は誰もが欲しがる物で効果が従来の薬とは比べ物にならない。
国の経済を支えるものとなっている。

そして、彼女が持つ魔力量と魔法センス。
これは大魔術師に並ぶかそれ以上という噂もあるくらいの存在だ。

ハルト様の婚約者でもあり、彼女のこの国での立場は確固たるものとされている。

容姿、知識、魔力、家柄。
全てを揃えた「最強」な人物なのだ。



「代表者の皆様、ありがとうございました。では、これにて開会式を終わります。各自、自分の教室へとお戻り下さい」



司会者の言葉に従い、生徒達はゾロゾロと扉へと歩いて行く。

俺も出ようと椅子から立ち上がるとドンッと誰かと肩がぶつかり、眼鏡を床に落としてしまった。


(参った…何も見えない…。)


かなりボヤけている視界で拾おうとすると、パキリと嫌な音がした。
最悪なことに眼鏡は踏まれて粉々になってしまった様だ。


「す、すみません!か、必ず!べ、弁償しますので!本当に申し訳ありませんリュード様!!」
「…問題無い」
「いや、で、でも「少し貸して下さる?」ひょえ?!」
「どうした?」


俺の眼鏡を踏んだ男子生徒は急に奇声を上げた。

…視界が悪くて誰が来たのか、さっぱり分からん。

声からして女子生徒だろうことは分かった。だが、この声…どっかで聞いたような。


修復(フィロム)
「ひぇ?!修復魔法も使えるんですか?!トワ様!!」
「…アトリエス、だと?」
「はい。しっかり直したんで、もう大丈夫ですわ」


カチャリと眼鏡をかけられ、視界が一気にクリアになる。

どうやら、修復魔法で眼鏡が直るだけでなく、合わなくなっていた度も俺の視力に合う様になっていた。

まさか眼鏡が壊れて、生徒達の憧れのご令嬢と話すことになるとは思わなかった。


「すまないな。俺は二年のリュード・ロッド。この礼は後日改めてきちんとする」
「いえ、私は眼鏡を直しただけですわ。気にしないで下さいませ」
「しかし…」
「ふふっ、ではまたお会いした時に学園の素敵な場所を教えて下さい。
ここは広いから迷いそうで、探検は大変そうですもの」
「ははっ、確かに迷うだろうな。あぁ、任せてくれ」


ごきげんよう、と言って去っていくトワ・アトリエスの後ろ姿を見送る。

ことの発端の男子生徒は未だに夢心地の様だ。


「…なかなか面白いじゃないか」


五人の新入生代表者達。

新しい風をこの学園に吹かせてくれそうである。
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