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和やかなお茶会からの。

リオネちゃんとランジェ様と初めて会った日から四日後。

嬉しいことに二人はまた会いに来てくれたのだ。



お兄さんのランジェ様が攻略対象者だと分かっちゃったけれど、リオネちゃんという尊い友達と会わないっていう選択肢は即破壊した。


もうめっちゃめっちゃめっちゃ私が気を付けて、ゲーム通りなのを避ければ良いだけだしね。



というわけでして、そんな辛すぎる選択肢は頭からポイして今は三人でお茶会中。



「まぁ…この紅茶凄く美味しい…」

「ふふっ、私の自信作なの。庭で採れたハーブで作ってみたのよ」

「ふむ。トワ殿が自ら作ったのか?」

「薬を調合するついでに挑戦してみましたの。前から茶葉には興味があったので」

「トワ、凄いです…私、だ…大好きですわ!この紅茶!」

「まぁ…ふふっ、ありがとう。リオネ」



リオネちゃんと何か盛り上がる話でもないかと考えたところ、庭にあったハーブを発見したのだ。


茶葉を自分で選んでの紅茶は格段に美味しく出来て、今じゃローズやカモミールとかにも挑戦している。

一種の趣味になりつつあります。


そんな、ほんの思い付きの紅茶だったけれどリオネちゃんもランジェ様も気に入ってくれたらしかったので良かった。

今度はミントティーなんかも作ってみよう。



「そういえば、トワ殿の義弟さんは今どちらに?ハルトから義弟さんがいると聞いたのだが?」

「ヴァンならもうすぐ帰ってくると思いますわ。今日はお父様とお兄様の三人で、お出掛けになっているのです」

「義弟さん…ですか…」



少し緊張した面持ちになったリオネちゃん。

私に対しては大分、積極的に明るく話してくれるようになったけれどやっぱりまだ初めて会う人とは緊張するみたい。


前回は顔見知りのお父様とお母様にしか会ってなかったからね。

ちなみに、お兄様とはパーティーで何回か会ったことがあるらしい。



噂をしていると何とやら、ヴァン君達が乗った馬車がちょうど帰って来たと侍女達から教えられた。


その数分後、裏庭に来たヴァン君は綺麗なお辞儀で挨拶をして現れた。



「俺が兄のランジェだ。以後、よろしく頼む」

「妹の、リオネ…です。よ、よろしくお願い致します」

「こちらこそ、先日は挨拶に伺えなくて申し訳ありませんでした。姉から、お二人のお話は伺っております」



ヴァン君の分の紅茶を入れると、私の隣に座ってきた。


挨拶を済ませるとヴァン君とランジェ様は気が合ったのか二人で剣の話をし始めた。

熱く語り合っている様子を見ると、もうしばらくは終わらなさそうだ。



「ラン兄様は大の剣好きですの。だから、ヴァン様と剣のお話が出来て凄く嬉しいんですわ」

「ふふっ、その様子ね。私達は私達でたくさん話しましょう?」

「は、はい!えっと、実は私…今日をとても楽しみにしてたんです…」

「まぁ!私もだわ!一緒ね!」

「はい!!」



向かい側に座るリオネちゃんと顔を近付けて、私達も会話に花を咲かせた。



(…あ、何か耳みたい…可愛い。)



リオネちゃんが笑う度に髪につけた両サイドのリボンがふわふわと揺れるのが癒しポイントだと新しい発見をした。


感情を表す様に揺れるリボンがワンちゃんの耳みたいなのだ。実に可愛い。



「ハルト様も来れれば良かったのですが…すみません、予定が合わせられなくて…」

「あら、全然平気よ?ハルト様は毎日の様に来てるもの。たまには休みも必要よ」

「トワ様に毎日の様に会えるなんて…ハルト様は欲張り、です…」



プンッと頬を膨らませるリオネちゃんを見て、危うく鼻血が噴き出すところだった。


爆弾級に可愛すぎだわこの子。


ニヤけないように、頑張って平静を保っていると隣のヴァン君達の話が一段落したらしい。

二人とも、凄く満足そうな顔をしていた。



「今度、是非とも手合わせ願いたい。ヴァン殿」

「勿論です。俺も楽しみにしています」



ガシリと固い握手を交わしていた。


まさかこの二人がこんなに意気投合するとは驚きだった。


男同士の熱い友情を目の当たりにしていると、キュイーと良く知った鳴き声が上から聞こえてきた。



「ハヤテ、どうしたの?貴方、レイン達とあっちに遊びに行っているんじゃなかったかしら?」


『トワのことが気になって来てもうた!お、こいつが新しい男か?ああん?』


「随分と人懐っこい神鳥だな。初めてこんな近くで見た」

「わぁ…綺麗な羽…本当に空の色みたい」



私が言った「あっち」とは妖精界のこと。

あれからハヤテとリリィも妖精界へとよく遊びに行っているのだ。


そして、その妖精界で遊んでいた筈のハヤテは帰って来たと思ったら何故かランジェ様にガンを飛ばし始めた。


いきなり飛んできて何してるの…ハヤテ。


溜め息を我慢して、苦笑いで抑えておく。

ガン飛ばしを人懐っこいと勘違いしているランジェ様に感謝する。

まさか、相手にガンを飛ばしてますなんて言えないので。


ヴァン君もハヤテの声が分かるので、私と同じ様な表情をしていた。



「元気良く育つのだぞ神鳥よ」


『なんやねん!頭撫でんな!!』



頷きながらハヤテの頭を撫でるランジェ様と一見、キュイキュイ鳴いているけれど実際はかなりご立腹のハヤテ。


そして、その隣でハヤテの空色の羽を輝かしい瞳で見つめているリオネちゃん。



「おい…どうすんだよ」

「…今、突っ込んだら駄目な感じがするわ」

「同意」



ヴァン君とコソコソ小声で話し、仲良く意見が合ったので様子見をしておくことにした。


多分だけれど…そろそろハヤテ回収係が来ると思うんですよね。





その予感が当たって、リリィが猛スピードで登場するまで後十秒。

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