9話 給食 5年2組 柏原美月
また給食が食べられるとは、思ってもみなかった。もう小学校には行かないって言ったし、中学はまだ給食ないし。
第二小の教室行きにくい人の部屋。「サポートルーム」っていう名前らしい。運動会の後に、渡したいプリントがあるからいつ来れる?と学校から電話があったので今ここにいる。その時に
「給食食べていく?」
とサポートルームの先生、泉先生に聞かれた。
「え、給食止めているってお母さんから聞いたけど」
「今日は、欠席が出たから一食余っているのよ」
私は隣にいるお母さんの顔を見る。別に学校くらい一人で行けるけど、登校時間じゃないから、保護者が送り迎えしないといけないんですって。学校行かなくなるまで、そんな決まりごとがあるなんて知らなかった。
「給食、食べたい」
「いいよ。食べたら迎えに行くよ」
泉先生が一食分持ってきてくれた。ってことで給食、家ではでないものがでていいなあ。揚げパンとかさんまのかばやきとか・・・。
今日のサポートルームは、誰もいない。広々としていい。と思いきや
「相席いいかな」
泉先生が一人連れてきた。
「どうも」
この間の運動会で会った子だ。うつむき加減で教室に入ってきた。
「運動会で会ったよね」
女の子は話しかけた。
「そうだね、あれ給食は?」
女の子は何も持っていない。
「食べてから来た。持ってきてもらうのも悪いし」
「え、えらいね」
そんなこと、考えたこともないなあ。
「これから、5年生合同でダンスの練習、だから来た」
「運動会は終わったのに?」
「6年生も同じダンス。来年、体育大会あるし」
ダンスが終わっても、まだあるんだ。私もダンスは苦手。
そこへお母さんが迎えに来た。
「帰るよ」
「また給食食べたい」
「9時までに電話すれば食べられるって」
「そんな仕組みがあるんだ」
学校行かなくなってから、わかる色々ある。
家に帰って、お母さんに送り迎えできる日を聞いて、献立表と見比べる。
給食、いつ食べようかな。




