7話 運動会、出席。 第二小5年2組 柏原美月
第二小の運動会は、6月にある。今私は屋上から運動会を見ている。校舎が3階建てだから、そんなに高さはないはずだけど、玉入れしている1,2年生が小さくて、誰が誰かわからない。といっても、もともと私は学校来ていないからわからないんだけど。
運動会の日、私は屋上にいて競技を見ている。屋上には広報委員と腕章をつけたお母さんと、他にも広報委員と腕章をつけた大人がいる。運動会には出ないけど、お母さんはPTAで出るし、出席扱いにしてもらえるというから一緒に来てみたわけ。今月の生存確認のノルマ達成と。
「うーんこれじゃあ何しているか見えにくいわね。下行って撮ってこようかな」
「私も行く」
知らない大人と屋上は微妙なので、お母さんについて下へ。運動会出るより動いているような気がする。下に降りても、特に知っている人はいない、第二小になってよかったのかも。
「お昼どうするの?」
「あの部屋。学校に行きにくい子の部屋、使っていいんだって」
お昼は校長面談で案内された、学校に行きにくい子の部屋でお母さんの作ったお弁当を食べた。
午後になって、日が差してきて、外はずいぶん暑くなった。
「もう、外に行きたくないなあ。ここエアコン効いている。漫画もある~」
「まだ撮影あるのよ」
お母さんとそんなことを言っていたら、隣にある保健室の先生がやってきた。
「美月さん、午後もここにいる?」
「はい」
「そしたら、相席いいかな」
保健の先生が一人の女の子を連れてきた。女の子はすっと入って、適当な席を見つけて置かれている漫画を読んでいた。お母さんは、午後も撮影だと走っていった。
女の子は体操着。私は完全な普段着、とても運動会に出るような恰好ではない。女の子が顔を上げて私を見て言った。
「初めて見るね。今年から来たの?」
「うん、この部屋初めて入った。去年は第一小だった」
「ここ、広いでしょ。窓も大きいからここから運動会見える」
「そうだね」
窓から見える運動会は、ダンスをやっていた。去年の後半から練習していたらしいが、私は踊れない。
学校群になって学年ごとの3校共通のダンスになった。
「ダンスだけは無理なんだ」
そういうと女の子はうつむいた。
ダンスが終わって、踊っていた子たちが退場する。次は最後の種目選抜リレー。保健室の先生がまたやってきた。
「真中さん、ダンス終わったけど行く?」
「はい」
女の子は去っていった。同じ学年かな。
閉会式が終わった後、お母さんが部屋に迎えに来た。そしてそのまま帰宅。
「お母さん、なんで私が学校行っていないのにPTAやったの?」
「ただ学校いるより、行きやすいのよ」
「そんなものなのか」




