44話 サポートルーム研修会 第一小教諭 藤井恵子
第一小のサポートルーム担当2年目。サポートルームは教室に行きにくい子のための部屋ではあるけれど、用途はそれだけではない。保健室がいっぱいだった時に使ったり、遅刻や早退の保護者待ちのための利用もある。これまで普通の学級担任しかしたことがなかったので、わからないことも多くある。そんな時に、第二小のサポートルーム担当の泉先生から、サポートルーム担当同士、情報交換を兼ねた交流会をしませんかとお誘いがあったので、放課後に第二小のサポートルームに行ってみることにした。
第二小までは徒歩20分くらい。広い道を通り、危ないところは特になさそう。サポートルームに着くと、泉先生が出迎えてくれた。泉先生は教員経験もサポートルームの担当経験も長く、頼りになる存在だ。
サポートルームの様子は第一小とは全然違う。普通教室くらいの大きさで、空の色を基調としたレイアウト、大きな窓からは校庭が見える。机といすが並んでいるが、ソファーと床に座るスペースもある。ソファーの後ろには本棚があり、子どもが好きそうな図鑑や漫画がある。第一小は普通教室の半分の広さ、机といすしかないので第一小とはずいぶん環境が違う。
「広いですね」
机やいすを並べながら、私は思わずつぶやいた。この後、第三小や西中、東中のサポートルームの担当の先生も来る予定なので、泉先生と5人分の席を作った。
「第二小が先にサポートルームできたからね。学校群の導入に合わせて、他の学校も順次できたのよね」
「そうだったんですね、うちももう少し広いといいんですけれど」
まあ、広さはどうしようもないから、他に工夫できるところがあればうちにも取り入れよう。
「学校群ができてから、サポートルームは何か変わりましたか?」
私は聞いてみた。
「使う人、だいぶ減ったのよ。これまでは高学年の女子が多かったけれど」
「高学年の女子ですか?」
「そう、私が見ているとよくあるのよね。4年生ごろから女子がクラスを超えた集団になって、そこでうまくいかない子がいづらくなるのよね。ターゲットがよくかわるから、今日はこの子、1週間後には別の子みたいな」
「それで、学校群になって、グループが解体するってわけですか」
「そう、だから学校群は一定の効果があると思うのよ」
「遅くなりました」
第三小や西中、東中の先生も到着した。
そこで話されたことは、
「小学校の学校群は人間関係のリセットに一定の効果があるかも」
「小学校は学校が変わって、行きにくい子が行けるようになったが、その逆もあった」
「中学では行きにくい子は、そのままってことが多いですね」
「中学校では、合同部活や合同行事があるから、学校が変わっても人間関係はあまり変わらないかもしれません」
「中学は2校しかないですしね」
「学校が変わると支援の必要な子の引継ぎが、難しくなる」
どれも参考になる話だった。第一小に異動が決まったとき、学校群の説明を聞いた。人間関係の固定を防ぐ効果を狙ったという意味が少し見えてきた。




