31話 総合防災訓練 第一小6年1組 柏原美月
夏休みが終わった。今日は学校で避難訓練があるらしい。地域の人も参加する総合防災訓練だって。だけど、私には関係ない。周りはちょっとうるさくなるけれど、サポートルームは訓練の対象外と聞いていた。
「え、話が違うんですけど…どうしましょう」
サポートルームの廊下で、藤井先生が誰かと話している。
「おはようございます」
私は藤井先生に近づいた。
「柏原さん、今日の避難訓練、サポートルームは関係ないって私先週言ったけれど、どうもそうじゃないのよ」
藤井先生は動揺しているように見えた。
「ということで、今回は全教室対象なので、藤井先生よろしくね」
藤井先生と話していた先生は、さっと行ってしまった。
とりあえず、先生と私はサポートルームに入った。
総合防災訓練、第一小では毎年、9月1日の防災の日前後に行われている。地域の人が各クラスに2人くらいいて、児童が避難訓練する様子を見学しながら一緒に校庭へ避難するという流れの訓練。今年はサポートルーム、保健室など1階に並ぶ教室にも、地域の人がついて一緒に避難するらしい。という藤井先生の説明だった。
地域の人かあ、知っている人だったらちょっといやだなあ。なんでここにいるの?ってなるよね。避難訓練は9時45分からってもう始まるじゃないの?!
「訓練、地震発生、地震発生」
校内放送がかかった。
「ここで、机の下に隠れて・・・あれまだ地域の人来ないわね。まあ訓練を始めましょう」
藤井先生は私に指示をした。私も机の下に隠れた。考えている暇はない。
コツコツとヒールのような音が聞こえてきた。学校でそんな靴はく人いるの? 地域の人は今日の訓練は、靴のままで入るらしい。
机の下から廊下を見ると、地域の人と思われる人がいた。よかった知らない人だ。
「揺れが収まりました。担任の先生は児童の安全を確認後、校庭へ避難してください」
放送がかかった。私は藤井先生と、謎の地域の女の人と一緒に校庭へ向かった。上履きのままで校庭へ行くって変な感じする。
校庭へ着くと、児童はクラス別に並んで、地域の人と思われる人はその後ろに集まっている。こんな人の多い学校にいるのは久しぶりだ。でもあまり見たことある人がいない。先生はだいたいわかるのに。そうか、学校群だからかあ。
そこで驚いた顔で私を見て手を振る地域の人がいた。
「お母さん…」




