14話 学校に行きにくい 第一小5年1組 丸山友理奈
林間学校が終わった。朝練も、球技大会ももうない。あとは6年生に向けてかな。
そんなころ、最近学校に行くのが辛い。私が学校に行くとすぐにお母さんは仕事に行くから、集団登校に間に合うように家は出る。でも、集団登校はもう行っている。
一応学校には着く。教室に行けば間に合いはする。でもいけないこともある。最近私ちょっと変。
今日は、行けない時かも。廊下を歩いている先生に声を掛けられる。
「どうしたの。授業始まるよ」
「・・・・いけない・・・・」
「具合悪いの?」
「わからない」
「保健室行こうか」
先生と保健室へ行く。だいたいここ最近のパターン。でもここからが少し違った。
先生が保健室の引き戸を引く、
「あ、保健室いっぱいだ。具合悪い子多いのかな」
え、どうしよう。教室行かないとなの?
「こっちでもいいかな、あれ鍵があいている」
先生は保健室の隣の小さい部屋のドアを開けた。ドアの上の札は、何も書いていない。あ、ここ校舎案内で見た。担任の先生もわからなかったあの部屋。
「あれ、ごめん他にいたけどいいかな。ちょっと待ってて」
先生は慌てて去っていった。
普通の教室の半分の大きさ。壁沿いに2列、机といすが並んでいる。扉を開けて、正面の窓からは、校庭が見える。ドアの前の席に一人女子が座っていた。
「あ、同じクラスの子だよね。名前なんだっけ?」
女子は私にそういう。あ、見たことあるような・・・
とりあえず適当な席に座る、近過ぎず遠すぎず。
「丸山友理奈。え、私も名前わかんないだけど」
「友理奈ね。私横溝あゆみ。5年1組だけど、普段はサドベリースクールに行っているんだ。今先生待ち」
「え、担任来るの? ここに」
私はびっくりして、何故か逃げたくなった。いきなり呼び捨てされたとかどうでもよくなるくらいだった。
「担任、嫌なの? 担任は授業中だから、教務主任っていう先生が代わりにきて、プリントとか持ってくるんだって。
担任さあ、ゆうきがいってた。おもしろくて、人気あるってさ」
「ゆうきって?」
「弟、2年にいるの。変な子だよ」
「変な子って・・・」
私は思わず笑ってしまった。
担任が面白くて、人気があるってのはそう。私も最初はそう思っていたんだ。
教務主任の先生が来て、あゆみに何か渡して、あゆみは帰っていった。
「丸山さん、どうしたの」
教務主任の先生が言った。
「保健室いっぱいだって・・・」
「ここ使う?」
「この部屋、なんですか」
「教室に行きにくい子のためのサポートルーム。ここで勉強したり、給食も食べられるよ。でも今つける先生がちょっとあれなのよ。どうしよう」
「・・・・教室行きます」
「無理しないで、使いたいときまた言って、できるときはあるから」
教室に入ると、授業はもう始まっていた。先生は私を見たけれど、何も言わなかった。




