クレーマー?
ドガッ!!
バキバキッ!!
轟音にも似た音で 私は目を覚ました。
「な、なにごと!?」
ガバッと身体を起こす。
部屋の窓の外には
白く霞んだ景色が広がっていた。
まだ早朝らしい。
『オイッ!!ガイル!!』
男の怒鳴り声が響く。
『出てこいコラー!!』
慌ててベッドから飛び降りた。
部屋を飛び出し
階段を駆け下りる。
その途中で
ガイルと鉢合わせた。
「わっ!」
危うくぶつかりそうになる。
「あ、ガイル……」
「おお、起きちまったか」
そう言うとガイルは
欠伸でもしそうな顔で声のする方へ歩き出した。
「え!?だ、大丈夫なの?」
思わず後を追う。
「警察とか……呼ばなくていいの?」
ガイルは片眉を上げた。
「ん?」
そして外から聞こえる怒鳴り声へ耳を傾ける。
『ガイル!!聞いてんのかコラー!!』
「ああ」
ガイルは平然と頷いた。
「大丈夫だ、ありゃ客だ」
「……きゃ、客ぅ!?
え、え!?ここ、店なの!?」
答えを聞く暇もなく
男の怒鳴り声が、更に響く
『ガイルー!!てめぇ!!出てこい!!』
「おーおー……」
ガイルは首に手を当てると
ゴキゴキと軽く鳴らした。
「アイツ、朝からうるせぇな」
『聞いてんのかコラー!!』
「……とりあえず話は後だ」
そう言うと
ガイルは店らしい方へ向かった。
「アイツを黙らせてくる」
ガイルの後を付いていこうと一歩踏み出した。
だが……
スッ
ガイルが後ろ手に腕を伸ばす。
まるで通せんぼするみたいに。
「……え?」
ガイルは振り返りもしない。
「…待ってろ」
そのまま玄関へ向かいながら短く言った。
ガイルの後ろ姿を見つめる。
(……待ってろって言われて)
私は玄関の方へ視線を向けた。
(大人しく待つ……わけないじゃない)
ガイルが店の方へ消えたのを確認すると
私はそっと後を追った。




