第4週 にせものエックス・レンジャー
「レッド、ブルー、ピンク、グリーン、イエロー! 正義の味方、五人揃ってエックス・レンジャー、参上!」
「一寸の虫にも五分の魂! 昆虫の足は六本! クモは八本! ツルは千年! カメは万年! 黄色と黒のシマシマ模様! クモ男、見参!」
五人の首には、黒いマフラーが巻かれていた。
クモ男も黒いマフラーをしている。
エックス・レンジャーの五人が次々と攻撃する。
「レッド、一文字斬り!」
「ブルー、ブルー・アタック!」
「ピンク、ピンク・ビーム!」
クモ男が大爆発した。
「お疲れさまでした」
「お疲れさまです」
エックス・レンジャーとクモ男は、そのまま近くのレストランへ入った。
食事が終わると、六人で記念撮影をした。
少し離れたところから、本物のエックス・レンジャーが見ていた。
「……あれ、何だ?」
「エックス・レンジャーのファンじゃないか?」
「でも、危ないぞ」
「まあ、戦ってるからな」
「怪人が本当にあんなものだと思われても困る」
「どうする?」
「本物の怪人がどれだけ怖いか、教えてやろう」
◇
翌日、レッドはクモ男を追いかけた。
「ちょっと待て! その着ぐるみを貸してくれ」
「嫌だ!」
しばらくして。
クモ男の姿をしたレッドが立っていた。首には赤いマフラー。
◇
再び、黒いマフラーをした五人が現れた。
「レッド、ブルー、ピンク、グリーン、イエロー! 正義の味方、五人揃ってエックス・レンジャー、参上!」
そこへクモ男が現れた。
「クモ男、スパイダーウェブ!」
いきなりウェブを放った。
「え?」
「ちょっと待って!」
五人は瞬く間に捕まった。
クモ男は五人を天井から吊るした。
「いいか。本物の怪人は、とっても怖いんだ」
「……」
「危ないんだ。こんな偽物エックス・レンジャーごっこをしちゃダメだぞ」
「……」
「分かったか?」
「……」
「返事がないな」
「……」
「ちゃんと反省しなさい。ちょっと休んでくる」
クモ男は出ていった。
◇
二時間後。
クモ男が戻ってきた。
五人はまだ天井から吊るされていた。
「そろそろ分かったかな」
「……はい」
「反省したかな」
「はい」
「もう偽物エックス・レンジャーはやめるかな」
「はい。やめます」
クモ男はテレビカメラを見て言った。
「良い子のみんな、危険な行為は、ダメだぞ」
◇
プロデューサーは安心した。
「怪人なしで今週は乗り切った。よかった」




