第3週 三人の怪人
「レッド、ブルー、ピンク、グリーン、イエロー! 正義の味方、五人揃ってエックス・レンジャー、参上!」
「大きい口に、鋭い牙。固いうろこは黒ピカだ。ハンドバッグにしちゃダメよ。ワニ男、見参!」
ワニ男は中央でポーズを決めた。
次に右側から声がする。
「月の砂漠をはるばると旅のラクダは言いました。二つのコブは背中二つ、胸に二つじゃなくて残念か。ラクダ男、見参!」
さらに左側からも声がする。
「三億年も変わらない姿。太古の化石と人は言う。海の王者。陸上でも活躍。サメ男、見参!」
三人が中央に集まる。
「ワニ、ラクダ、サメ、三人寄れば文殊の知恵、仏の顔も三度まで、さあ勝負だ!」
エックス・レンジャーの五人は集まった。
「おい、三人もいるぞ」
「三人は想定外だ」
「五人で一人を攻撃が基本だからな」
「一人ずつ順番に攻撃だな」
「でも待ってくれるのか?」
「まずは、聞いてみるか」
レッドは怪人の方を向いた。
「さあ、最初は誰が相手だ?」
怪人は顔を見合わせる。
「最初は誰?」
「……」
「……」
「……」
「三人一緒だ!」
「……」
「エックス・レンジャーは五人一緒だろ。だから、怪人も三人一緒だ」
「……」
「あるいは一人と一人で順番に戦うのでもいいぞ」
「……」
エックス・レンジャーの五人は集まった。
「ダメだな」
「でも前に1対1では負けたな」
「今度は5対3だ」
「いつもは5対1だろ」
「どうなんだ、勝てるのか?」
「うーん……」
そこに背広を着た人が現れた。
「ちょっと、三人、何をやっているんですか!」
「……」
「私は番組のプロデューサーです」
「……!」
「こんなに予算の無駄遣いして! 怪人スーツ、三人でいくらだと思っているんですか」
「えーと……」
「自分たちが何をしたか理解していないようですね」
「……」
「来週どうなるか、わかりますか!」
「……来週?」
「来週から二週間、怪人なしです。予算がありません」
「……」
「この後、順番に必殺技を出して爆発しなさい。あとはスタッフで編集します」
「……」
「……」
「……」
「大きい口に、鋭い牙。固いうろこは黒ピカだ。ハンドバッグにしちゃダメよ」
「ワニ男、大口アタック!」
「月の砂漠をはるばると旅のラクダは言いました。二つのコブは背中二つ、胸に二つじゃなくて残念か」
「ラクダ男、2つコブ、アタック!」
「三億年も変わらない姿。太古の化石と人は言う。海の王者。陸上でも活躍」
「サメ男、シャーク! シャーク! シャーク!」
三人の怪人は順番に必殺技を出して爆発した。




