第5週 ピンクの恋
変身前のピンクが街を走っていた。
「遅刻、遅刻!」
街角を曲がる。男性とぶつかりそうになった。
ピンクはバック転で避けた。男性も避けた。
二人はそのまま走り去った。
◇
翌日。
ピンクが街角を曲がる。
昨日の男性とぶつかりそうになる。
ピンクはバック転で避けた。男性も避けた。
「あ、昨日もお会いしましたね」
「そうですね」
「お急ぎですか?」
「いえ、そうでもありませんよ」
「では」
「では」
二人は別れた。
◇
さらに翌日。
また同じ街角。またもや同じ男性とぶつかりそうになる。
ピンクはバック転で避けた。男性も避けた。
「またお会いしましたね」
「そうですね」
「お急ぎですか?」
「いや、そうでもないんです」
「じゃあ、お茶でも」
「そうしましょう」
二人は一緒に歩いていった。
少し離れたところから、ブルーとグリーンが見ていた。
「おかしいな」
「ああ」
◇
翌日。
ピンクと男性が腕を組んで歩いていた。
その後ろを、ブルーとグリーンが手をつないで歩いていた。
◇
さらに翌日。
「レッド、ブルー、ピンク、グリーン、イエロー! 正義の味方、五人揃ってエックス・レンジャー、参上!」
一人の男性が立っていた。
ピンクが男性を見る。
「……あ、あなたは!」
イルカ男はピンクを見た。
「そうだ。俺がイルカ男だ」
「でも、その姿はあなたには見せたくない」
イルカ男は変身せず、走り去り、爆発した。
ピンクはその場に崩れ落ちた。
「なんで……」
レッドは黙って見ている。
ブルーに抱えられているグリーン。上半身は裸だった。
◇
プロデューサーは安心した。
「今週も怪人なしで完了。しかも視聴率が高いぞ、なぜ?」




