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呪いの姫君が振り向かない  作者: 蛙酒夏海
第一章 夜の国編

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間話 第二寵姫 慈姫テオリス

 彼女は多くを愛していた。

 愛すれば、愛してもらえることを知っていたからだ。

 薬師になろうと決めた理由も愛故であった。

 愛をもって人々を癒やし、愛をもって彼女は満たされていた。

 

 しかし時の流れの中で、彼女の愛を独占する男が現れる。

 男は彼女を愛し、彼女も惜しみない愛を男へ注いだ。


 いつしか彼女の愛を独占できぬと知ったものたちは歪んでいった。


 歪んだ愛は彼女を捕らえた。

 歪んだ愛は彼女の愛した男を縛り上げた。

 歪んだ愛は彼女を有りもしない罪で飾り、歪んだ愛は彼女を魔女と呼んだ。


 歪んだ愛によって彼女の愛した男は引き裂かれ、焼かれた。


 そして歪んだ愛に、彼女も焼かれたとき、彼女はこれも愛なのだと微笑んだ。


 次に彼女が目を開けたとき、目の前にあった金色の瞳に、彼女は愛を注ぎ続けようと誓った。

寵姫たちの共通点。

それは悲恋です。


次回から一章のクライマックスに入ります。

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