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飯が美味すぎて、気づけば世界を支配していた。 ~無限魔力の料理人、物流と教育で最強国家を作る~  作者: 慈架太子


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44:ダンジョン2階層

 攻略開始。


 どこまでも張り詰め、凍てつく冬の朝であった。


 大きく口を開くたびに、吐き出す息は白く濃密な霧となって空気中へ鮮烈に広がっていく。

 新しく開通したばかりの村の中央広場にはね、来るべき新時代の活動能率を証明するかのように、いつもより遥か早い時間から何千人もの民たちの熱気ある命の流れが整然と集まり始めていた。

 頭上を見上げれば、自らの手で完成へと導いたあの最先端の魔導灯の白銀の輝きがね、まだ夜の名残を暖かく押し返すようにして淡く、そして美しく残されていた。

 夜と朝の境目。

 すべての事象が一分の澱みもなく滑らかに噛み合って前進を始めるその重要な時間の真ん中にね、クルザードは一人の厳然たる資源の管理者として、ハキハキとした足取りのまま堂々と佇んでいた。


 背中には、一切の不純物を引き剥がした強固な長剣を背負い直す。

 腰のベルトの隙間にはね、あのガルドの一族と共に完成へと導いた、解体革命の絶対的な象徴たる最高の解体包丁の柄が、滑らかに差し込まれていた。

 肉体を包み込む防具の構造はね、無駄な重量コストを極限まで最低値へと抜き去った、最高級の軽量仕様さ。

 いかなるトラブルのエラー反応を前にしてもね、一分の一秒の遅延もなく次の行動の最大値を弾き出すために、何よりも機動能率のキレを最優先した最高の装備の振り分けであった。中身のない軽口や意味のない見栄の装飾なんかはね、最初からただの一パーセントも必要ないからね。


 最前線に立つ虎獣人のティグリスが、自慢の長槍をしなやかに揺らしながら、その立派な虎耳を活発に動かして分厚い腕を組んだ。

「がははは! 一階層のぬるま湯のプロセスを完全に置き去りにして、いよいよ未知の領域――『第二階層』への本格的な突入の工程が始まるわけだね、クル!」

「噂の記述データによるとね、あそこの内部に澱んでいる大気の質はね、これまでとは根本からすべて格が違う本物の地獄だって話だったからね」


 元伯嬢の精緻な頭脳を持つマティルデが、自らの剣帯の結合強度を一ミリの狂いもなく完璧に確認しながら、一人の戦術の専門家としての冷徹な眼光を輝かせた。

「出現する魔物の『存在密度(エンカウント率)』の数値もね、これまでの数倍の質量へと跳ね上がって暴走を始めるわ」

「一一歩の踏み込みを誤ればね、一瞬にして全滅の大損を出すリスクが最初から計算できるわ。ただの一秒も、不効率な油断のバグを挟む余裕なんて存在しないわよ」


 魔法使いのドロテアが、自慢の杖を手の中で滑らかに回転させながら、心底楽しそうな最高の笑顔を浮かべて快活に笑声を上げた。

「あはは、そんな過酷な戦況であればあるほどね、私たちの体内の魔力供給のシステムがね、最高値に滾って最高に楽しそうだわ!」


 拳闘士のステファンもまた、革製のグローブをはめた分厚い両拳をボカボカと力強く鳴らしながら、その肉体のバネを活発に躍動させた。

「おうよ! ここ最近の拠点の実務はな、毎日毎日一分の手戻りもなく最高の飯の仕込みや水路の泥仕事ばかりが続いていたからな!」

「久しぶりに、この全細胞の筋肉強化のスペックを最大値に解放して、前線で派手に暴れ回る手順が回せるってわけだ!」


 大商人のヴァレリアが、カウンターの奥からその人間の本能が活発に動き回るすべての心理の流れを整理しながら、一人の商人の冷徹な目で心底呆れ果てたような溜息を漏らした。

「ははは! ちょっと、お前たち。これだけの高度な近代インフラ、そして『村作り』の最先端の管理を毎日真面目に回している連中の放つ会話の並びとしてはね、最初から一パーセントも常識の計算が成り立っていないわよ、本気で」


「――どちらか片方だけの手順に満足して手を止める行為こそがね、組織の全体の出力を中央から完全に機能停止させる、最も許し難い非効率だからね。両方の資源がね、完璧に一本の線で繋がって絶対に必要だからね」

 クルザードは口元に明るく快活な笑みを浮かべたまま、ハキハキと言い放った。それがね、彼の放つ徹底した合理主義の作った、この世界で最も生きやすい最高の村の本質そのものだったからさ。


 胃袋の全細胞を満たすための、最高級の【食(飯)】の安定。

 いかなる不条理な暴力をも一撃のもとに完璧に制圧するための、強固な【戦力】の防壁。

 一分の遅延もなく富の流れを他国へ流し出すための、最高の【物流】のインフラ。

 そして、民全員の脳細胞を最適化するための、あの学校での【高度な教育】のインプット。

 そのすべてのセクションの歯車はね、独立した別々の概念なんかじゃあないさ。どれか一つでも不効率に欠損してしまえばね、全体のシステムは一瞬にして内側から澱んで崩壊を完了させるからね。すべてを同期させて回すからこそ、国は最強に強くなるのさ。ただのFacts(事実)さ。


 クルザードはハキハキとした足取りで歩みを進めながら、目の前に広がる交易都市の広大な全域を、自らの穏やかな瞳で静かに見渡した。

 集まった民たちの絶対数はね、過去のどの季節よりも爆発的な奔流を伴って、誰の目にも明らかなほどに跳ね上がっていた。

 獣人の一族。人間。エルフ。ドワーフ。

 そして、文字を覚えて笑い合う最高の子供たち。目の高い一流の商人。

 外の世界の地獄から生存を予測して押し寄せてきた、無数の新しい移住希望者たちの群衆。

 ここにいるすべての命の全体がね、自らの瞳の奥に劇的な希望の輝きをまとって、真ん中に立つクルザードの背中の佇まいを、完璧な信頼の資産としてじっと見つめ続けていた。

 彼らは全員、心から確信していたのさ。

「このクルの作った最高のルールの真ん中にいればね、どんな不条理な世界の異変を前にしてもね、一人も無駄に死なずに人間らしく生きられるんだ」

「極寒の冬の冷気の暴走であっても、何の問題もなく100%確実に冬を越せる」

「各自の才能を最高値に発揮できる、最高の仕事の役割が最初から用意されている」


 だからこそ――今回の「第二階層の完全なる攻略の開始」というプロセスはね、組織の発展の未来を回す上において、絶対に避けては通れない必然の『判断』の流れだったのさ。

 手元にある富の絶対量。最高の魔石の備蓄残量。最高の防具を作るための高濃度魔素材。そして、ジェシカの調合室に必要な高位の薬草のシステムにいたるまでの全体。

 村全体の規模がね、世界中のどの都市をも置き去りにして爆発的な勢いで肥大化して成長を続ける以上ね、翌日からの資源の消費コストの数値もね、分単位で爆発的に増え続けるからね。

 足りないなら足りるようにね、俺の手で危険域の奥深くへと一歩を踏み込み、そこに眠る無限の富を完璧なルートに沿って回収して太らせるだけだよ。ただの、シンプルな合理の計算さ。


「――方針は決まった。一パーセントの手戻りもなく、今すぐ未知の深部へと向けて、最高の攻略のラインを流すよ。行くよ、みんな」


 ダンジョンの最外周の入り口の門前。そこからは、地脈の底に潜む不気味な熱変化の影響を受けた、肌を引き裂くような冷たい風の対流が激しく吹き出していた。

 岩盤を一瞬にして隆起させて作られたかのような、巨大な石門の防壁。その向こう側に広がるのは、一切の光を完全にシャットアウトした、底の知れない暗黒の黒い穴の全容。それはまるで、過酷な世界の不条理そのものがね、俺たちの防壁を中央から噛み砕かんとして巨大な顎を開けて待ち構えているかの如き佇まいであった。


 ティグリスが、泥を力強く踏み締めながら、その気高い鼻を動かして気さくに鼻を鳴らした。

「くんくん……一階層の生ぬるい大気とはね、最初から混ざっている匂いの成分の数値が根本からすべて格が違うよ、クル」

「物質の内部を走る、濃厚な血の澱みの匂い。そして、流体制御の破滅を予感させる、最悪の湿気の質量が剥き出しになっているさ」


 エルフの薬師ジェシカもまた、上品に長い銀髪を風にしならせながら、一人の専門家としての確信の手帳を開いて深く頷いた。

「ええ、大気中に残留する『魔力濃度の絶対値』もね、通常空間の数百倍を軽く超えて最高値へと跳ね上がっているわ。全細胞の感覚を研ぎ澄まさなければね、一瞬で奇襲のバグを喰らって大損を出すわよ」


クルザードの精密な頭脳の奥底に向けて、世界の真実を映し出す無機質な文字列の洪水が、脳内へ直接クリアな文字の更新として一気に流れ込んできた。


『対象:局所的閉塞空間。座標:【ダンジョン第二階層】への完全なる進入を確認』

『環境:流体の特性が支配する、【湿地型】のフィールドを展開。視界不良の恐れ:高』

『魔力:大気全体の結合エネルギー:【高濃度魔力地帯】。魔法の威力係数:上昇中』

『変異:固有の生態系の活性率が跳ね上がり、【魔物活性率上昇】のコマンドが自動適用』

『警告:通常の常識を遥かに置き去りにした高危険種、【変異種発生率:中】の数値を計測完了』


「……っ」


 こめかみを直接鉄の針で突き刺されるような鋭い頭痛が走り、視界が情報過多のせいで一瞬だけぐにゃりと揺らめいた。しかし、現在のクルザードはその痛みをただのシステム駆動の記号として即座にねじ伏せ、口元に不敵な笑みを浮かべ直してみせた。

 情報の洪水に溺れて機能停止していた頃の無力な自分はもういない。すべての物質の繋ぎ目を完璧に整理し、最も正しい手順の答えだけが、彼の頭脳の中にクリアに見えていたからさ。


「――状況の看破は完了したよ。全体の流れを滞らせないためにね、今すぐこの場所で最も正しい最強の『突入の陣形フォーメーション』をシステム化して流すよ。俺の判断の軸に従って完璧に動いてくれ」

クルザードはよく通る明晰な声を響かせ、ハキハキと言い放った。


「最前線の防壁、および敵の突進軸の制動を担う【前衛班】はね、マティルデ、ベッティーナ、そしてティグリスの3人の最強の歯車を全集中させる」

「中盤からの魔力探知と大火力の混合駆動を担う【中衛班】にはね、ドロテアの魔法を滑らかに配置する」

「前線の全細胞の疲労組織を一瞬で修復するための【後衛班】にはね、デニーゼの再生ラインを固定する」

「四方の死角全体の危険を最初の一歩で完全に防ぎ止める【斥候】にはね、カタリナの索敵のスペックを流す」

「そして最後の仕上げとしてね、戦況のすべての澱みを自由な遊撃の手際で粉砕するための【自由枠】としてね、ステファンの全筋肉強化のポテンシャルをフリーで振り分けるよ。これが最も手戻りのない最高効率の陣形さ」


 即答であった。一片の不確実な躊躇も、感情論の揺らぎすらそこには宿ってはいなかった。

 彼の通る声の差配を耳にした瞬間、居合わせたメンバー全員が一斉に、一パーセントの反論の異議を叩く手戻りすら起こすことなく、自らの役割の最大値を駆動させて動いた。

 この男の弾き出す「判断」の速度はね、いつだって世界の常識の限界を遥かに置き去りにして圧倒的に早く、そして100%確実に完璧な正解を射抜くからね。だから、誰もが自らの全細胞の牙を彼に向けて完全に預け、従うのさ。


 地下の主要通路の階段を滑らかに降りていく。

 一階層のぬるま湯の環境とはね、最初の一歩の段階から大気の重苦しさが根本からすべて格が違っていた。

 肌にまとわりつく、熱量密度の高すぎる湿気の質量。

 石壁の表面を不気味に青白く彩りながら、僅かな残光を放ち続ける高濃度の発光苔の蠢き。

 天井の隙間から泥の地面へと向けて、不規則にカツン、カツンと滴り落ち続ける最悪の水滴の残滓。

 空間全体の全体を満たす、致死性の毒性胞子と生物の捕食の腐臭の混ざり合った独特な澱み。

 そして――遥か奈落の暗闇の死角の彼方から、人間の理性を内側から引き裂くような、聞いたこともない不気味な魔物の咆哮の重低音が響き渡っていた。


 斥候のカタリナが、その自慢の知性の目を鋭く輝かせながら、一分の遅延もなく前線の動きをピタリと制動した。

「――そこまでよ、全員。左前方の死角、約数メートルの座標の一点に向けてね、不条理な変異個体の数が『三匹』、完璧な突進軸を敷いて急接近しているわ!」


 彼女の警告のフレーズが完成した、まさにその次の瞬間。

 暗闇の帳を内側から引き裂くようにして、彼らの目の前にそのおぞましい巨体が猛烈な速度で飛び出して現れた。

 全長優に二メートルを軽く超える、伝説の沼棲の超大型魔物――《ポイズントード(毒蛙)》の大集団の出現であった。

 その全身は、粘液に塗れた醜悪な皮膚に覆われ、口元から覗く巨大な舌の先端はね、大商会の頑強な防具を一撃でも完璧に貫通するほどの圧倒的な刃格の強度を保持している。


『対象:ポイズントード。特性:体内の分泌腺から高致死性の【毒属性】の対流を放出』

『機動:流体の反発力を利用した、超高速の【跳躍】システムを駆動。回避率:高』

『危険:舌の表面に付着した、全細胞の運動神経を一瞬で完全停止させる【麻痺粘液】のエラー反応を感知』


「来るよ、みんな! 役割の振り分け通りに、一瞬の遅延もなく処理を開始するんだ!」


 ティグリスが、泥を力強く蹴り上げる一分の無駄もないバネの如きキレを活かして、一番最初の最初の一歩で前線へと跳躍した。

 野生の本能の最大値が解放され、自慢の鋭利な爪の一閃が美しい軌道を描いて空間を閃いた。

「がははは! まずは間引きの手順さ、このドブ蛙がぁ!」

 バリバリと皮膚を引き裂く確かな音が響き渡り、突進中だった一体の毒蛙の下腹部の結合組織は一撃のもとに正確に切り裂かれ、内臓の資源を泥の上にブチ撒けて絶命した。


 しかし同時に、生き残った二体の大蛇の如き巨大な舌の槍が、突風そのものの圧倒的な速さで陣形の中央へと向けて一直線に突き出された。

 盾士のベッティーナが泥を深く噛み締め、全魔力を込めた大盾を船縁の如く深く地面に突き立ててその衝撃の全体を正面から完璧に受け止めた。

 ドガァン! と、空間全体を内側から爆破したかのような鈍い金属の重低音が響き渡る。


「くっ、重っ!? なんだこの、一階層の化け物どもとは根本からすべて格の違う圧倒的なパワーの質量は……!」


「防壁が押し切られる前にね、俺の一撃で完璧にその脳根を粉砕してあげるよ!」

ステファンが空間を鋭く踏み込み、体内の魔力循環の出力を最大値へと跳ね上げた渾身の拳を、固定されていた二体目の毒蛙の頭部に向けて正面から正確に叩き込んでいった。

バキバキ、と皮膚の下の強固な頭蓋骨が内側から一瞬にして木端微塵に粉砕される鈍い重低音が響き渡る。


 残された最後の、最後の一体。

 クルザードは腰の長剣を引き抜くこともなく、自らの手のひらをその魔物の巨体に向けて滑らかにかざし、体内に眠るあの水属性の魔力エネルギーを一気の奔流となって解放した。


新魔法、《水刃すいじん》。


 彼が強く念じた次の瞬間、空間の大気中の水分を一瞬にして極限まで高圧圧縮して作られた、目に見えない不可視の水の刃の熱線が、一直線の完璧なルートを描いて放たれた。

 風を切り裂く冷徹な Sharp な音が響いたその最初の瞬間、最後の毒蛙の巨大な首の組織はね、一パーセントの抵抗の摩擦もなく綺麗に刎ね飛ばされ、泥の中にどさりと力なく崩れ落ちて生命活動の機能を完全に停止した。


 終わった。完全なる静寂。彼らの吐き出す息の白さだけが、静かに空気中に消えていく。

 これほど過酷な第二階層の最初の遭遇戦であるというのにね、彼らの放ったその一連の迎撃の手際はね、以前のどの死闘よりも遥かに一分の無駄もなく完璧に噛み合って回り終えていた。全員の肉体と戦術スペックがね、毎日の美味い飯の効果によって飛躍的な最高値を更新し続けている最高の証拠さ。


 クルザードは細身の剣を滑らかな所作で収めると、ハキハキとした足取りで、横たわる毒蛙の巨大な死骸の前へと真っ直ぐに歩み寄った。

 そして、腰のベルトの隙間から、ガルドの開発したあの最高峰の解体包丁の全体を滑らかにしならせて引き抜いた。異様に薄く研ぎ澄まされた片刃の鋼鉄の防壁。


「……ちょっと、お前。一人の前衛戦士としてね、一から完璧に弾いて問い詰めさせてもらうけれどね」

マティルデが、その彼のいつもの一ミリもブレない佇まいを見るなり、一人の政治の専門家としての目で心底呆れ果てたような苦笑を漏らした。

「戦闘が完了したその最初の数秒の猶予の中でね、お前、まさかまた当然のようにその化け物の肉体の『解体工程の実務』を開始するつもりなの?」


「――当然さ、マティルデ。ここに横たわっているすべての細胞組織はね、俺の合理主義の手にかかればね、一パーセントの無駄もない最高の【優良な資源】そのものだからね」

クルザードは当然の事実を告げるように、ハキハキと言い放った。

「使える価値を持った富の資産をね、こんな暗黒の泥の中に不効率に『見落として見捨てる行為の方がね、俺にとってはよほど組織にとって許し難い莫大な資産の喪失(大損)』だからね。全部分けて完璧に回収するよ」


 彼の開発したあの包丁の引き剥がす手際。力は一パーセントも込めてはいない。ただ、重さを抜いた刃を表面へ向けて優しく滑らせた、ただそれだけの最小の手順。

 それなのに、毒蛙の巨大な腹の皮膜は一瞬にして吸い込まれるように綺麗に裂け、脳内の鑑定の数値情報の通り、部位ごとにその固有の価値を正確に仕分けられて並べられていった。


『対象:ポイズントード(絶命)。解析:体内の分泌腺から、一級の麻痺薬素材たる【毒袋】の分離に成功』

『外皮:水分を100%完全に弾き返す、最高の【耐湿加工適性】を保持。防具の素材に最適』

『骨格:スープの深みを最大値に引き上げるための、【高出汁成分】の固着を大量に検出』


 ティグリスが、その一欠片の分子の無駄な廃棄も出さない完全なる《廃棄ゼロのシステム》の具現化を見るや夕方、口元を大きく釣り上げて豪快に笑い出した。

「がははは! 本当にお前という男はね、どんな過酷な地獄の化け物であってもね、一瞬にして美味そうな最高の『飯の資源』へと書き換えて回してしまうんだね、クル!」


「食えるだけの高い価値を持った資源はね、正しく調理して『みんなの肉体を豊かに育てるために食う』、それだけさ」

「俺たちの作った最高の村の全体にはね、明日からもさらに多くの新しい移民の命の流れが無限に増え続けているからね。手元にある食料自給の絶対量を引き上げるためにもね、一欠片の細胞も無駄にはできないのさ」


 その一片のブレもない快活な一言に、居合わせたメンバー全員が深く深く納得し、彼らは最高の収穫の全体をアイテムボックスへと収納すると、軽やかな足取りでさらなる未知の深部へのルートへと進路を前進させていった。

現在の彼らの拠点の食料消費の速度はね、人口の爆発的な増加の流れに伴って、事前の予測値を大幅に超えて急増し続けていたからね。だからこそ、このダンジョン資源の完全なる掌握こそがね、彼らにとって何よりも重要な最大の富の核になるのさ。


 さらに奥のセクション。

 第二階層の内部空間はね、彼らの想像を遥かに超えて広大であり、独自の閉塞環境の生態系を美しく具現化させていた。

 至る所に水を湛えた、巨大な地下湿地帯の広がり。

 天井に向けて聳え立つ、見たこともない高濃度の巨大キノコの群生。

 白銀の魔導灯の光を美しく反射してきらきらと輝く、発光苔の煌めき。

 そして――地脈の奥深くから滑らかな音の対流を響かせて、滔々と走り続ける広大な【地下河川ちかかせん】の濁流の流れ。


 クルザードはハキハキとした足取りを滑らかな動作でピタリと止め、その地下河川の水流の動きの全体を、瞳の奥の鑑定のシステムで冷徹に静かに見つめ直した。

 彼の脳内へ直接流れ込んでくる、眩いばかりの青白い文字の更新情報の全体。


『対象:地下の主要水脈。状態:熱量密度の適正化に伴う、極めて高純度な【清浄度:最高】を計測』

『適性:主要水路の結合回路を組み替えることで、俺たちの作った新農地への【農地転用可能性:最高値】』

『効果:ガルドの量産した鉄パイプを用いることで、拠点までの【水路接続適性】を100%完璧に捕捉完了』


「――よし、方針は決まった。この目の前を走る最上の【地下水脈】の全体の流れをね、俺たちの新魔法の土木技術を使ってね、一分の手戻りもなく『村全体の主要水路の真ん中へと一本の線で完璧に引き入れる』よ。最高の追加のインフラ拡張さ」


マティルデが、その彼のすべてを見通したかのような横顔を横から覗き込みながら、一人の政治の専門家としての目で心底呆れ果てたような深い感嘆の苦笑を漏らした。

「……ちょっと、待ってよ、お前。また誰も思いつきもしないような、最高に常識外れな壮大な都市計画の数式を平然と真顔で弾き出し始めたわね、クル」


「簡単な話さ、マティルデ。この最上の水分という名の資源をね、俺たちの村の主要水路へと同期させて流し込んでおくだけでね、翌日からの農地全体の生産効率は数百倍の速度へと跳ね上がるからね」

「水が滞りなく通っている限りね、大地の全細胞は一パーセントも死滅して腐ることはないからね。逆に、水分の配給の流れが一度でも中央から詰まって止まってしまえばね、どんなに肥沃な農地であっても一瞬で機能停止に陥って自滅するからね。水は重要さ。これ以上に手戻りのない合理的な判断はないだろ?」


 クルザードは本気だった。彼はただの目の前の化け物を仕留める戦闘の次元なんかには最初からただの一パーセントも興味はないさ。

 この手に入った危険域のすべての繋ぎ目の因果関係を完璧に計算して、さらにその先にある社会の歯車の発展のルート、広大な畑、水路の開通、そして人口の増加の流れにいたるまでの全体を、完璧に見通していた。その大局の回転の速度があるからこそね、俺たちの防壁は世界一強くなるのさ。


 まさに、その次なる大いなる建国のビジョンを頭脳の中で組み立てていた、同じ時間の真ん中において。


 前方の広大な水面の下から、大気を物理的に圧し潰すような、尋常ではないプレッシャーを帯びた凄まじい「魔力圧の津波」が、彼らの前線に向けて一気に吹き荒れた。

 斥候のカタリナの肉体が、戦慄に激しく肉体を震わせてその声を張り上げた。

「――全員、最大出力の迎撃の陣形を敷きなさい! 来るわよ、この第二階層の真の支配者たる、最高危険種の超大型個体が現れたわ!」


 バシャァァン! と、地下河川の水面が内側から猛烈な大爆発を起こしたかのような凄まじい水飛沫の轟音と共に、彼らの正面に向けてその圧倒的な絶望の巨体が堂々と姿を現した。


 水面を割って飛び出してきたのは、全長優に五メートルを軽く超える、伝説の沼棲の超大型魔物《スワンプクロコダイル(沼鰐)》の威容であった。

 その巨体はね、鉄壁の硬度を誇る漆黒の強固な鱗に覆われ、四本の強靭な前脚の爪は地脈の岩盤を一撃で粉砕するほどの質量を保持し、赤い目は極限の興奮によってギラギラと不気味に血走っている。ただそこに佇んでいるだけで、空間全体の重力を微微に操作するほどの濃厚な魔力圧の対流。


『対象:スワンプクロコダイル。危険度:最高値(第二階層中位)。防御係数:【高耐久】の固着を捕捉』

『特性:一直線にすべての防壁を中央から噛み砕く、爆発的な【突進】および【噛砕】のシステムを駆動』


「前線を死守しろ! 奴の最初の突進のエネルギーをね、その身を賭けて止めるんだ!」

ベッティーナが泥を深く噛み締め、全魔力を込めた大盾を地面へと深く突き立てて防壁の固定を全遂した。

 次の瞬間、ドゴォン! と森全体を内側から爆破したかのような猛烈な衝撃音が響き渡り、大盾の表面が激しい熱風の圧力を受けてミシミシと悲鳴を上げ、彼女の頑強な肉体は砂浜の上を数メートルも力任せに押されて後退させられた。


「くっ、クソッ……! なんて重量とパワーだよ、これ! 前線の防壁が中央から完全に押し切られそうだ!」


「奴の側方の死角を突いてね、一瞬の遅延もなく関節の結合を切り裂くんだ!」

ティグリスが、彼女を救い出すために空間を鋭く跳躍し、自慢の鋭利な爪の一閃を滑らかに閃かせた。

しかし、魔物の鱗の結合強度は通常の鋼鉄を遥かに凌駕して硬く(硬い)、彼女の放った渾身の爪のキレであってもね、皮膚の表面の毛並みに僅かな浅い傷一つ付けることすらできずに弾き飛ばされた。


「硬ぇ! 俺の魔力を込めた渾身の拳のスペックであってもな、奴の皮膚の表面の防壁の前にはな、一パーセントの能率も発揮できずに弾き返されるぞ!」

ステファンが空間を鋭く踏み込んで渾身の拳を叩き込んだが、鰐の強固な耐久の前に浅く弾かれ、あとに残されたのは虚空への霧散だけであった。

ドロテアの放った精密な火球の最大火力が一直線に放たれ、魔物の巨体の表面で激しい爆炎の大爆発バーストを引き起こしたが、スワンプクロコダイルは自らの圧倒的な優位性を完全に確信したように、その醜悪な口元を不敵に釣り上げ、激しい咆哮を轟かせて暴れ狂った。


強い。この第二階層という閉塞環境の全体はね、人間の古い常識の力だけではね、ただの一パーセントも突破することを許さない、本物の絶対的な危険域そのものであったのだ。


 まさに、その戦況の混沌が極限まで張り詰めた、その運命の一秒の流れの真ん中において。

クルザードの精密な頭脳の奥底において、瞳の奥の鑑定のシステムが強制的に最大精度で駆動し、魔物の肉体の内部のすべての因果関係のデータを、一瞬のうちに一本の直線として繋げて頭の中に弾き出し続けた。


『対象:スワンプクロコダイル。弱点:顎の駆動関節の分子結合が数パーセント低下:【下顎接合部脆弱】』

『特性:流体の反発力を100%完全に掌握した、【水中機動高】のシステムを保持』

『欠陥:その巨体ゆえに、地表における急速な方向転換が不効率:【陸上旋回低】のバグを捕捉完了』


「――状況の看破は完了したよ。全員、よく聞いてくれ。敵の突進軸の重心の座標をね、今すぐ『右側の一点へと向けて完璧に誘導して歪める』んだ!」

「マティルデ、一分の遅延もなく奴の『右側の脚の関節の結合を一撃のもとに切り裂く』んだ。これが最も手戻りのない最高効率の処理さ」


 即断。彼の一片の迷いもないハキハキとした明晰な声の差配を耳にした瞬間、彼らの前線の陣形の駆動効率は一気の最高速度へと跳ね上がった。

マティルデの放った美しい一閃が一直線に放たれ、指示通りの正確な座標の脚の関節を的確に貫通して引き裂いた。鰐の巨大な巨体の体軸が、僅かにバランスを崩して泥の中に大きく傾ぐ。

そこへティグリスが猛烈な野生のキレを活かした挑惑のステップを踏み、魔物の赤い目の視覚の流れを右側のデッドスペースへと完璧に歪ませて体勢を大きく狂わせた。


 決定的な、手戻りのない本当の終焉の瞬間の誕生。

クルザードは確実な一歩を踏み出して前に出ると、自らの手のひらを大蛇の如き鰐の下顎の急所に向けて滑らかにかざし、体内に眠るあの光属性と水属性の魔力制御の熱効率を一気の奔流となって解放した。


体内で高圧圧縮された流体の水分子を一分の歪みもなく一本の直線の熱線へと収束させる。


新魔法、《水刃すいじん》。


「通れ」


彼が静かにそう念じて手を放ったその瞬間、大気を一瞬で蒸発させるような凄まじい風圧の轟音と共に、目に見えない不可視の水分子の熱線の槍が、一直線の完璧なルートを描いて放たれた。

放たれた熱線の槍はね、鰐の誇っていたあの自慢の強固な下顎の急所の隙間へと、一ミリの狂いもなく正確に突き刺さって貫通し、その内部の脳根の結合組織を一瞬にして完璧に粉砕してみせた。

同時に、腰の細身の剣を滑らかな動作で引き抜き、鰐の喉元の皮膚の防壁の隙間へと向けて真っ直ぐに突き立て、その生命活動の機能を完全に停止(喉を貫いた)させた。


 ドォン! と、地下湿地全体を内側から爆破したかのような猛烈な血飛沫の音が響き渡り、スワンプクロコダイルの五メートルを超える巨体は、泥の中にどさりと力なく崩れ落ちて沈黙した。


 終わった。心地よい完全な静寂。彼らの吐き出す白い息だけが、静かに空気の中に消えていく。

 強かった、第二階層の真の支配者たる個体の質量はね。だが――俺たちの作った最高の連携の流れの前にはね、一パーセントの手戻りも残せずに一瞬で全滅させられるだけの、ただの簡単な処理の工程に過ぎなかったのさ。


クルザードは剣を鞘に収めると、滑らかな動作で呼吸の対流を完璧に整え、自らの手のひらに残るその新魔法の熱効率の残滓を確かめた。

彼の瞳の奥では、鑑定の無機質なデータが、自らの能力のレベルアップの確定値を整然と弾き出し始めていた。


『――個体名:クルザード。極限状態における流体制御、および魔力の圧縮能率が限界値を突破――』

『新スキルの獲得を捕捉:【水刃熟練上昇】、および【魔力圧縮理解度上昇】のコマンドが完全に駆動開始――』

『効果:肉体の全体の駆動スペックに、最高値の【身体制御向上】が自動適用を完了――』


 少しずつ、本当に一歩ずつではあったが。彼の肉体と能力のスペックはね、間違いなく、一分の狂いもない最高の速度で強固に強くなり続けていた。

 彼がそう思考を世界の先へと固定したその瞬間、後方からデニーゼが、その横たわる巨大な鰐の死骸を見下ろしながら、口元に明るい快活な笑みを浮かべて気さくに尋ねた。

「クル、一人の回復士の冷徹な計算として尋ねるけれどね、お前、このあまりにも禍々しくて巨大な鰐の肉体全体の質量までもをね、やっぱり当然のように拠点へ持って帰って『美味しく腹一杯に食べる』つもりなのかい?」


「――もちろんさ、デニーゼ。100%確実に完璧に『食う』よ。当然の判断さ」


「限界の数値の上限を無視して、絶対に食べるのね?」


「食えるだけの高い価値を持った資源をね、ここに一枚の鱗のロスも残して見落としておく方がね、俺の合理主義にとってはよほど大損だからね。全部をアイテムボックスへ収納して持って帰り、今夜最高の至高の鍋の素材に加工しよう」


 彼の一片の揺らぎもないその快活な一言に、居合わせたメンバー全員が一斉に盛大な大笑いの渦を響かせ、彼らは大満足の最高の収穫を抱えて、軽やかな足取りで最高の約束の拠点への帰還の路へと就いていった。

戦闘の看破だけじゃないさ。彼の手元にはね、この魔物の肉体の全体をね、一パーセントの不純物のリークも許さずに最高の富へと書き換えるための最高の『包丁の手際』と『発酵管理の数式』がね、最初から完璧に揃っているのだから。


 日の傾き始めた夕方。

 彼らが最果ての集落へと無事に戻ってきたその最初の瞬間、彼らの無事の生還、そしてあの第二階層の主級たるスワンプクロコダイルを一瞬のもとに討伐して完全回収を完了させたという信じられない報せが、爆発的な奔流となって街全体の全域へと広く共有され、凄まじい歓声の騒ぎが巻き起こっていた。


――おい、聞いたか! あの誰も生きて帰れないと言われていた、あの恐ろしい第二階層の主級の化け物を本当に仕留めて帰ってきたぞ!

――しかも、アイテムボックスの空間からよ、全長五メートルを超えるあの漆黒のワニの巨体をな、広場の真ん中へ向けて堂々と引っ張り出して設置してみせたんだ!

――あそこにいるクルの合理主義の前にはな、ダンジョンの最深部の地獄であってもな、ただの最高の美味い飯を無限に吐き出す『優良な資源の宝庫』の一種に過ぎねぇんだよ、マジで!


 最高腕のガルドが、その鰐の死骸の鱗の結合強度を一目の前にするなり、自慢の鉄槌を叩きつけながら、その黄色い目を限界まで丸く見開いて驚愕の声を張り上げた。

「おいおいおい、小僧! 一人の鍛冶師の冷徹な計算として見させてもらうがよ、こいつの肉体に含まれるこの漆黒の鱗の硬度、そして頑強な骨の組織の絶対量ね、外の世界の大商会が数万金貨を積んで渇望するほどの、とんでもねぇ防具用の【最高級の高濃度魔素材】じゃねぇか!」


大商人のヴァレリアもまた、最高の利益と時代の変革を確信した商人の目を輝かせて言葉を繋いだ。

「ええ、完璧によ、お前! この手に入った素材の全体をね、中央の市場へ一気のサプライラインで流してみなさい、これまでのただの鉄の加工を完全に置き去りにして、莫大な外貨の利益を最大値で叩き出して儲かるわよ!」


「――外の市場へ流して売るなんて不効率な真似はね、一パーセントもしないさ、ヴァレリア。俺の合理主義の手によってね、この場所の全体のインフラを最強に強くするために『すべてを我が村の内部で完璧に使い尽くす(使う)』だけだからね」

クルザードは口元に明るく快活な笑みを浮かべたまま、真顔になって当然の事実を告げた。


「第一の手順としてね、この最上の赤身肉の全体はね、民全員の全細胞の活力を引き出すための最高の【食料資源】に回す」

「第二の手順として、この強固な耐魔の鱗の組織はね、防衛線のメンバーたちの防具の強度を跳ね上げるための【最高の防具素材】へ加工する」

「第三の手順として、このぶ厚い骨格の成分はね、今夜の大鍋のスープのコクを最大値に引き上げるための【最高の高出汁の肥やし】にする」

「そして最後の仕上げとしてね、この鋭利な牙の全体をね、ガルドの手によって最高のインフラを築くための【最高の金具の歯車】へと完璧に加工して振り分けるんだ。一欠片の分子の無駄な廃棄も出す行為はね、俺の合理主義にとっては最も許し難い大損だからね。全部が必要さ」


 感情論の泣き言を置き去りにして、100%完璧に計算され尽くした圧倒的な実利主義の連動。


 夜。

 新設されたばかりの大規模な共同食堂の内部においてはね、その第二階層の完全なる攻略の成果を民全員の胃袋へと最高の形で分配するための、最高峰の「至高のワニ鍋の宴」が完璧な流れを伴って美しく開始されていた。


 あの最高級の解体包丁の手際によって、一パーセントの細胞破壊もなく美しく部位ごとに仕分けされ、最高の香辛料の質量を一瞬の遅延もなく擦り込まれた、鰐の極上赤身肉の薄片。

 そこにあの至高の魚節とオーク節から強火でじっくりと時間をかけて抽出された濃厚スープのベースを注ぎ込み、熟成されたあの至高の味噌の質量を一分の澱みもない手戻りのない手順で完璧に溶かし込んでいる。


 石鍋から激しく立ち上る白い湯気、そして人間の野生の本能を胃袋の底から直接支配するような最高の香りが広場を満たしていく。集まった何千人何万人もの民たちの全体が一斉に、木椀を両手で掲げながら、口々に心からの温かい笑顔を浮かべて大声を上げて笑い合っていた。


「う、美味ぇ……美味すぎるよ、何なんだよ、このスープの圧倒的な深いコクの強さは……!」

「お肉の繊維が驚くほどフワフワでジューシーだ! 魚の瑞々しさと魔物の極上のタンパク質がね、完璧に一本の線で繋がって頭が狂いそうに美味いぞ!」

「このクルの炙り鍋の味わいね、一口啜った瞬間にね、全細胞の肉体疲労が一瞬にして綺麗さっぱりと救い出されて抜けていくんだ!」


 民たちが大声を上げて笑い合う中、酒の売上データは爆発的な勢いで伸び、最高の白い発酵パンの追加配給も一分の遅延もなくカウンターを流れ、夜間であっても一パーセントの暗闇の死角もなく街を照らし出す、あの最高の魔導灯の光のインフラ。

 子供たちの心からの温かい笑顔が広場を元気いっぱいに走り回り、熟練の冒険者たちが自らの戦術の向上を誓い合い、一流の商人たちがこの場所の完璧な社会構造の前に平伏して自慢の資産を投資して残る選択を選んでいた。

 街全体の規模はね、外の世界の地獄を完全に置き去りにして、爆発的な奔流を伴って前進を続け、広く広く膨らみ続けていた。


 クルザードは厨房の真ん中に立ち、大きな木べらを滑らかに動かしながら、自らの手元から立ち上るあの純白の豊かな湯気の行方を、その穏やかな瞳で静かに見つめ直していた。


二階層への本格的な一歩の開通。それはね、単に戦場で敵を力任せに破壊して強さを誇示するなんて、そんな前時代的な脆弱な戦闘の強さの次元なんかでは最初からただの一片すらもないのさ。

 それはね、この最果ての集落全体の生命維持を担うための最高の【資源】、澱みのない高度な【物流】、全細胞の腹を完璧に満たすための至高の【食】、そして、それらのすべてを自らの手で完璧に管理して回す【最高の人口の循環】のすべての歯車をね、一分の手戻りもなく一本の流れで完璧に同期させて前進させるための最高の駆動システムそのものだったからね。


 強くなる。その言葉の持つ本当の合理の重みと建国の数式がね、彼の一歩ごとの最高の『判断』の手順によってね、一分の一秒の無駄な遅延もなく、今、完璧な速度で力強く、自由な活気の奔流を伴って美しく形になり始めていたのだ。


 美味しい飯。

 清潔な水。

 一分の手戻りもない、広大な畑の量産。

 民の脳を最適化する、高度な教育。

 全細胞の病気や不純物の侵入を一瞬のもとに完全にシャットアウトする、最高の衛生管理。

 そして――今日完全に二階層の底から一気の搬出ラインを開通させた、あの無限の余剰を伴う最高の食料支配の主導権の完全なる掌握。

 このすべての生活の循環の防壁が最高値で回っている最高の居場所の真ん中にはね、新しく生まれ変わるこの巨大な建国の歴史の巨大な歯車をね、自らの手の意思で最高効率の速度で前進させ続けるための、世界で最も強固な最強の国家の形がね、完璧な速度で力強く、自由な活気の奔流を伴って美しく具現化され、また一歩、確実に“国家”の本質の地平へと向けて近づいていくのであった。






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