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飯が美味すぎて、気づけば世界を支配していた。 ~無限魔力の料理人、物流と教育で最強国家を作る~  作者: 慈架太子


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43/46

43:魔導灯

 夜拡張。


 夜という空間の領域はね、古い世界の常識の計算においては、常に圧倒的な「弱者(敗者)の時間」であるのが当然の数式だったからね。


 最果ての辺境の土地においては、特にその傾向が致命的なまでに顕著に現れていた。

 地平線の彼方へと日が落ちて沈みきればね、それまでに築き上げてきた舗装道路の動線は一瞬にして暗黒の帳の中に完全に掻き消えて見えなくなる。

 大気中を照らすための上質な油の残滓はね、外の世界の大商会が法外な高値を吊り上げて取引する極めて貴重な高級品だったし。

 暖をとるために不注意に直火を暴走させればね、一瞬にして集落全体を中央から灰燼に帰せしめる最悪の火災のエラーを招くからね。

 だからこそ、これまでの未熟な人間たちはね、日没を迎えた瞬間にすべての活動の能率を諦めて、夜という膨大な時間の資産を不効率にドブへ投げ捨てて眠るしかなかったのさ。

 すべての生産の手順はカチリと完全に凍りつき。

 物資を外へと流し出すための物流のサプライラインも一分の遅延どころか完全に機能停止に陥り。

 ただ、最低限の防衛班の見張り役の荒くれ者たちだけがね、不潔な暗闇の冷気の中で肉体をガタガタと小刻みに震わせながら耐え忍ぶ。

 それこそが、これまでの歪んだ世界の、あまりにも非効率で理不尽な「普通」の光景だったのだから。


 だが――資源の管理者としてのクルザードの合理主義的な頭脳はね、そんな前時代的な世界の普通バグをね、最初からただの一パーセントも容認して見落とす気はなかったのさ。中身のない無駄な軽口や、一時的な炊き出しの成功に甘んじて手を止める暇は一秒もないからね。


 夜。

 新設されたばかりの南側街区の一角――近代的なインフラを誇る共同工房の内部にはね、夜間であっても一分の澱みもなく、ドワーフの一族が鉄を叩き鍛え上げる最高の金属音が力強く響き渡っていた。

 暗闇を鋭く切り裂いて放たれる、最高の美しい火花の流れ。

 高熱炉の内部から沸き立つ、圧倒的な熱量の対流。

 金属を冷却路へ滑らかに滑らせた瞬間に立ち上る、純白の高圧蒸気。

 最高腕の鍛冶師ガルドが、自らの全細胞の筋肉を心地よく躍動させながら、お気に入りのたまり醤油の飯を食った後の満足げなトーンで、ドワーフ特有の低い鼻歌を小気味よく響かせている。


 そのすぐ真横のデスクにおいて、クルザードは背中の大きな荷袋を背負い直す風もなく、手元の滑らかな木板の上に向けて、自らの小刀の先で新しい魔力の結合式(数式)を一分の歪みもなく正確に刻み込み続けていた。

 光属性の魔力因果の組み替え。

 体内のエネルギーをロスなく一点へと集束させる、高度な循環システム。

 長期間の維持に耐えうる、物質内部への完璧な魔力の蓄積。

 そして、それらを一定の最高能率で外へと放散させるための、無菌化された放出のプロセス。

 彼の視線が木板の文字列へと固定されたその瞬間、瞳の奥で鑑定のシステムが強制的に最大出力で駆動し、脳内へ直接真実の数式を流れ込んさせた。


『対象:光属性回路。解析:熱量のリークを完全消去。【光魔法安定化】の駆動を確認』

『結合:魔石の内部細胞における、【魔石蓄積効率】のグラフの動きを最高値に更新』

『測定:照射空間の全体を一瞬で白銀の色に染め上げる、【照度計算】の数式を完了』

『効果:消費エネルギーの数値を極限まで最低値に中和する、【消費魔力最適化】の補正が固着』


「……っ、う……」


 脳細胞の芯を直接鉄の針で突き刺されるような、鋭い頭痛と吐き気の残滓が走り、クルザードは僅かにその顔をしかめて片手でこめかみを押さえた。視界のすべてが一瞬だけ情報過多の文字列で真っ白に明滅する。

 しかし、現在の彼はその痛みをただの駆動のための必要経費として即座にねじ伏せ、口元に明るく快活な笑みを浮かべ直してみせた。

 かつてデータの洪水に溺れて顔色を悪く濁らせていた頃の無力な自分はもういない。すべての物質の繋ぎ目を完璧に整理し、最も正しい手順の答えだけが、彼の頭脳の中にクリアな直線となって見えていた。


「――よし、方針は決まった。俺たちの鑑定の計算通り、100%完璧に『看破して見えた』よ、ガルド」


 最高腕のガルドが、自慢の大槌の手を滑らかな動作でピタリと止め、その分厚い顔を上げて灰色の立派な髭を揺らした。

「おい、小僧。一体全体、その明るい瞳の奥で今度はどんなバケモノじみた正解の数式を弾き出しやがったんだい」


「簡単な話さ、ガルド。これまでの不清潔な油や火の熱量を完全に置き去りにする、世界で最も強固な最高の『灯りのインフラ』さ」

「これがあればね、俺たちの作ったこの最高の村の全体からね、夜という名の暗黒の不効率を完全に駆逐して『夜という時間を無限に延ばせる』のさ」


 ガルドは、その一片の揺らぎもない真顔のトーンを聞くや夕方、口元を大きく釣り上げて、心底楽しそうな最高の笑声を工房の全体へと炸裂させた。

「がははは! また始まったな、お前のその、世界のすべての事象を一本の線で完璧に繋げて社会の仕組みをひっくり返す最高の病気が!」


「当然さ、ガルド。俺の合理主義にとってね、夜という時間を最も無駄のないルートで完璧に『使える環境インフラ』へと書き換えておくことはね、組織の全体の出力を最大値に引き上げるための当然の計算だからね」

クルザードは当然の事実を告げるように、ハキハキとした明晰な声を響かせた。中身のない軽口や見栄のお世辞は叩かない。ただ、状況の管理のために最も気さくなトーンのまま言葉を繋ぐ。


「第一の手順として、暗闇が消え去るからこそね、翌日からの生産効率を最高速度でこなせる民たちの『仕事の役割の絶対数が何倍にも増える』だろ?」

「第二の手順として、防衛班の視界のスペックが最高値に維持されるから、不条理な略奪から拠点を守る『見張りの安全係数が100%完璧に担保される』」

「第三の手順として、夜間であっても民たちが大喜びで金貨を回せる『最高の店や市場を無限に開ける』ようになる」

「第四の手順として、現場の大人たちの脳を最適化するための、あの学校での『夜間授業の高度な勉強が一分の一秒のロスもなくできる』」

「そして最後の仕上げとしてね、一パーセントの遅延もなくすべての富の流れを維持する、俺たちの『物流のサプライラインの規模が爆発的に増える』のさ。これ以上に手戻りのない合理的な判断はないだろ?」


 元伯嬢の精緻な頭脳を持つマティルデが、その完璧な大局の経済の連動の解説を聞くや夕方、自慢の革手帳のページへ向けて羽ペンを滑らかにしならせながら、呆れ果てた深い感嘆の苦笑を漏らした。

「……はは、本当に非の打ち所がないわね、お前は。世界のすべての事象をね、ただの一杯のスープの火加減を整えるかのような手際でね、完璧に一つの強大なインフラとして繋げて回してしまうのね、クル」


「すべては一本の美しい直線で最初から綺麗に繋がっているからね。ただの、簡単な処理の工程さ」

 クルザードは口元に不敵な笑みを浮かべたまま、目の前のテーブルの上へと整然と置かれた、いくつかの小型の魔石の結晶の全体へと自らの穏やかな瞳を向けた。


 それは、先日、あの開通したばかりの海の漁場を脅かしていたあの災害級の海蛇シーサーペントを一撃のもとに討伐した際に回収された、最高品質の高級魔石の質量。

 あるいは、魔の森の最深部において、完璧な窒息魔法の連携の手順を踏んで完全回収を完了させた、あのフォレストベアの体内から抽出された最高の魔核の資産。

 さらには、冒険者たちが迷宮の底から一分の手戻りもなく持ち帰ってきた、極上の魔石の備蓄の数々。

 それらの物質の内部に含まれる魔力の密度はね、外の世界のどの大商会であってもお目にかかれないほどの圧倒的な最高値を記録していた。


 魔法使いのドロテアが、自慢の杖を手にしながら、その魔石の結合の隙間を興味深そうに鋭く覗き込んできた。

「……クル、お前の今から始めようとしているその実務の手順ね、古い学術院に眠っているあの不効率な『魔石灯(魔力灯)』の仕組みの一種かしら?」


「近いね、ドロテア。だが、あんな熱量のロスばかりを垂れ流して一瞬でガス欠のエラーを起こす旧式のバグ製品なんかとはね、最初から根本からすべて格が違うよ。俺の判断に間違いはないよ」


 クルザードは確実な一歩を踏み出すと、掌をその魔石の表面へと滑らかにかざし、体内に眠るあの底の知れない莫大な光属性の魔力エネルギーを一気の奔流となって内部の回路へと流し込んだ。

 結合の最初の瞬間、過剰すぎるパワーの質量が回路のキャパシティを超えて暴走しかけ、周囲の大気の気流がビリビリと激しい重低音を立てて鳴動した。工房の全体が、一瞬にして爆発的な熱風の圧力を受けて激しく揺れ動く。


「おい、化け物小僧! 一分の手戻りもなく作業を全遂している俺の最高の工房をな、そのただの調整不足のエラー一つで木端微塵に吹き飛ばす気か、クソッ!」

最高腕のガルドが、大慌てで炉の石枠を力強く蹴っ飛ばしながら、顔を真っ青に変色させて叫んだ。


「はは、心配いらないよ、ガルド。今、内部の流体の比率を最高効率へと『調整中』だからね」


「調整という記号一つで済むか、バカヤロー! お前の放つその魔力の絶対量はな、最初から街一つを一瞬で消し去る災害級の出力なんだからな!」


居合わせていたドワーフの職人たちが、そのいつもの一片の揺らぎもない真顔のトーンのやり取りを目にして、一斉に最高の笑声を張り上げて大笑いした。

 現在のクルザードの宿すエネルギーのスペックはね、外の世界の並の魔法使いの数百人分を軽く超えて膨大すぎるのさ。もしも一歩の制御を誤ればね、局所的な天変地異のバグを引き起こして全滅の大損を出す最悪の脅威。

 だが――現在の彼の頭脳は、その過剰なパワーのすべてを、最も正しい最高効率の手順で完璧に「制御しきる術」をマスターしていた。


 クルザードは深く滑らかな呼吸の対流を完璧に整えると、頭の中に流れ込んでくる【消費魔力最適化】のデータに従い、魔力の繋ぎ目を一本の直線へと強固に整えていった。


「循環。圧縮。そして、完全なる回路の固定さ」


 彼が静かにそう念じたその瞬間、暴れ狂いかけていた眩い閃光の槍はね、一瞬にしてその体積を極限まで小さく圧縮され、小さな魔石の中心の一点へと完璧な同期を伴って美しく収束し尽くしていった。


 完成した、最高のインフラの核。


 その小さな石の内部からはね、これまでの世界の常識を根底から完全に木端微塵に叩き潰すほどの、どこまでも静かで、どこまでも澄み切った最高の「白銀の灯り(白光)」の全体が、一分の澱みもなく滑らかに周囲の大野を照らし出し始めた。

 それはね、衣服や肌を黒く汚す、あの不快な炎の加減なんかでは最初からただの一片すらもないのさ。

 大気の中に有害な黒い煙を一パーセントも吐き出す(煙も出ない)ことはなく。

 可燃物を誤って燃え上がらせる最悪の火災リスク(熱も少ない)も極限まで最低値に抑え込まれている。

 完全なる機能美を誇る、近代的な光の具現化。

 居合わせた職人たちの全体が、あまりの不条理な美しさの前に、息をすることすら忘れて呆然と動きを止めた。


 最前線に立つ虎獣人のティグリスが、その白銀の輝きをその黄色い瞳に反射させながら、限界まで丸く見開いて声を漏らした。

「……あぁ。意味が分からないよ、お前……! 夜の暗黒を完全に圧し戻してさ、手元の泥の線の形まで完璧に視認できるほどに、とんでもなく明るい(明るっ)じゃないか……!」


 ドロテアもまた、恐る恐るその美しい手のひらを石の表面へと滑らかに伸ばしたが、次の瞬間、ハッと深く感嘆の息を吐き出した。

「……熱くないわ。手のひらの皮膚組織を傷つけるような、余分な熱量のリークが最初から完璧に中和されて消え去っているのね……!」


「ああ。これまでの不潔な油の補給の手続きなんて行為はね、俺たちの村の真ん中からは今日この瞬間をもって100%完全に『いらない(不要)』になるからね。油代の大損のコストも完全消去さ」


ガルドが、その非の打ち所がない完璧なインフラの完成度を前にして、灰色の立派な髭を低く揺らしながら、深い感服の声を漏らした。

「……がははは! 認めざるを得ねぇな、小僧! お前の放ったその一本の魔力の結合式によってな……俺たちが長年怯えて閉じこもっていたあの過酷な辺境の『夜の歴史そのものがな、一瞬にして完璧に天上のものへと劇的に変わる』ぜ!」


「当然さ、ガルド。これからはね、この光の防壁を使ってね、夜という無限の時間全体の主導権を完全に我が方で『使える環境(夜を使える)』にするのさ。これが、俺の合理主義さ」


 一片の驕りも大言壮語の気配すら宿っていない、絶対的な資源の管理者としての確信の声。


 その日の夜の帳が深く下りた時間軸。

 大規模に拡張された集落の中央広場の真ん中、新しく舗装された道路の主軸となる頑強な木柱の先端に向けて、その完成したばかりの「最高の第一号の魔導灯」が、ガルドの建築班の手によって完璧な流れを伴って美しく設置された。

 周囲にはね、一分の遅延もなく噂を聞きつけた何千人もの民たちの命の流れが当然のように集まり、今か今かとその瞬間を待っていた。

 学校の授業を終えたばかりの子供たちの集団。

 富の流れの本質を察知した、目の高い商人。

 頑強な肉体を誇る、屈強な獣人の一族。

 最前線に立つ、熟練の冒険者たちにいたるまでの全体。

 彼らの心の中にはね、未だに「夜なのに火も使わずに大気があかるくなるなんて、そんな不確実な奇跡が本当にあり得るのか」と、半信半疑の不効率な疑いのバグが僅かに混ざり合っていたからね。


 クルザードは口元に明るく快活な笑みを浮かべたまま、ハキハキとした足取りで歩み出ると、支柱の根元に新設された制御盤の魔石へと向けて、その素手を静かに触れさせた。


 駆動の、最初の第一瞬。


 世界の均衡が一瞬にして完全に崩壊したかのように、彼らの目の前にある広大な広場の全域、そして新新設された主要道路の全体へ向けて、太陽の如き眩いばかりの美しい白銀の灯りが、爆発的な奔流を伴って一気のラインを流れて広がり尽くしていった。

 その放たれた光の質量はね、これまでの古い世界の街の不潔な松明の次元を遥かに置き去りにして、圧倒的に高貴で、美しかった。

 周囲を満たしていた不気味な暗黒の帳は一瞬にして完璧に駆逐され、民たちの顔色の一一人が、昼間と全く同じ鮮明な輝きをまとって美しく浮かび上がったのだ。


 空間全体の全体から、驚乱に近い凄まじい歓声と拍手の渦が巻き起こった。

「……お、おい、嘘だろ。何だ、この信じられないほどの白銀の輝きは……!」

「夜の真ん中だっていうのによ、手元の木板の文字の形がね、一パーセントのボヤけもなく100%完全にハッキリと読めるぞ!」

「衣服を黒く汚す嫌な煙の残滓なんてどこにもない! 直火の熱量で前線が燃え上がる心配なんて、最初からただの一パーセントも関係なく安心して暮らしていけるじゃないか!」


 子供たちの心からの温かい笑顔が広場を元気いっぱいに走り回り、老人たちの民の大人たちが、その奇跡のインフラの開通の前にその場に立ち止まって、激しい感動の涙を流して号泣していた。


 大商人のヴァレリアが、その人間の本能が歓喜して動き回るすべての心理の流れを整理しながら、最高の利益を確信した素晴らしい笑みを浮かべて口元を不敵にニヤリと釣り上げた。

「ははは! 最高じゃない、お前! これだけの完璧な光の防壁を目の前に見せつけられてよ、自慢の荷馬車をここに止めようとしない商人なんて、世界中どこを探しても絶対に一人もいるはずがないわ! とりとめのない大規模な『最高の商売の種(富)』に化けるわよ、これは!」


「当然さ、ヴァレリア。俺の計算通り、これだけの完璧なインフラがあればね、明日からのこの街の真ん中にはね、夜間であっても莫大な富の循環を最高速度で回せる、最高の『夜市ナイトマーケット』のシステムを新設できるからね」


「それだけじゃないわ、お前! 衣服を整えた民たちが夜遅くまで大喜びでお腹いっぱいに飯を食うから、私たちの料理屋や『酒場の売上データが爆発的な勢いで伸びる』わ!」

「さらに、周囲の四方の死角が100%完全に看破されるから、不条理な略奪を働くあの悪党どもの奇跡的な接近を最初の一歩で完全に防ぎ止める『護衛の駆動能率が最高値にまで増える』!」

「光の防壁の前にあってはね、暗闇を利用して他者から資産を盗み出そうとする、あのあくどい『盗賊どものノイズの発生確率がね、一瞬にして完全に減る』のさ! 全部が繋がっているわ、完璧な黒字の数式よ!」


 クルザードは口元に明るく快活な笑みを浮かべたまま、ハキハキと深く首を縦に振って深く頷いた。

 光という概念はね、ただの肉眼の視界を便利にするための些細な小手先の味付けの手順なんかでは最初からただの一片すらもないのさ。

 それはね、集まった何千人何万人もの人的資源の毎日の『活動時間そのものの絶対数をね、これまでの数倍の長さへと最大値に跳ね上げる』、完全なる最高の生産力増強システムなのだから。

 時間が倍になればね、翌日からの物資の量産ペースは数百倍の速度へと跳ね上がる。すべては完璧に計算され尽くした合理の流れさ。


 夜の共同食堂の内部はね、日没を過ぎた深夜の時間軸であるというのにね、昼間を遥かに凌駕するほどの凄まじい人間の絶対数の流入によって激しく活気あふれていた。厨房の真ん中からは、嗅ぐだけで全細胞の胃袋が激しく鳴動するほどの、最高の白い湯気が盛大に立ち上り続けている。


 熟成された最高の味噌の深いコク。

 あの至高の魚節とオーク節の混合出汁。

 窯の熱によって黄金色にフカフカに焼き上げられた、温かい最高の白い発酵パンの山。

 全細胞の活力を極限まで濃縮した、至高のチーズの残滓。

 そして、人間の精神の緊張を芯から解きほぐす、最高峰の新酒の発酵酒の樽。

 幾重にも重なり合った最高の香気の湯気の対流が、衣服を包み込む大気の熱量となって広場全体を暖かく支配していた。夜の暗闇の最中であるというのに、この街の生命活動の機能は一パーセントの停止を起こす(死んでいない)こともなく、最も最高効率の速度で前進を続けていた。その厳然たる最高の事実こそが、外の世界の基準から見れば、すでに何よりも最高に異常な覇権の強さの証明だったのさ。


 薬師のジェシカが、天井に新設されたその白銀の魔導灯のきらめきを上品に見上げながら、心底感服したような深い感嘆の溜息を漏らした。

「……本当に、素晴らしい機能美ね、クル。世界の調和を象徴する、あの私たちの高貴なエルフの森の国(森国)であってもね、これほど一パーセントの熱量のロスもなく、透明な輝きを放ち続ける高度な魔導灯のシステムなんてね、最上位の宮廷の奥底にしか眠っていない貴重なロストテクノロジーよ」


クルザードは木べらを手に持ち直すと、ハキハキとした陽気な声を響かせた。

「これだけの最高の当たりが弾き出せたんだ。一パーセントの満足をして立ち止まる気は最初からないさ。今すぐこの街の全域に向けて、一分の手戻りもなく大規模に『量産』を開始するよ」


「……り、量産、だと……!? お前、この伝説級の近代技術の結晶をよ、一体どれほどの絶対量まで増やすつもりだい?」


「簡単な話さ、ジェシカ。俺たちの舗装したあの主要な『道路全体の隅々までをね、一分の暗闇の死角もなく完璧に照らし出す』のさ。これが最も手戻りのない最高効率の配置さ」


マチルダが、その一片の感情論も含まれていない徹底された国家規模の先回りの図面を聞くや夕方、その分厚い頭を両手でしっかりと抱え込みながら、深い感服の苦笑を漏らした。

「……あははは! 本当にお前という男はね、ただの一介の料理人の分際でありながらね、口を開くたびにね、一国の王侯貴族をも遥かに置き去りにした最高の『国家規模のスケールの数式』を平然と言い放ってしまうのね、クル」


「当然さ、マティルデ。俺の計算通り、俺たちは今この最果ての地においてね、世界で最も強固な最高の『国家を最初の一歩から確実に作っている』からね。一パーセントの疑いの歪みもないさ」


 その一片の迷いもない確信の声が響いた瞬間、最前線に立つティグリスが、口元を大きく釣り上げて、その黄色い瞳を嬉しそうに細めて盛大な最高の笑声を食堂全体に炸裂させた。

「がははは! 完璧にその通りだよ、お前! そのブレない合理主義、私は本気で大好きだよ、どこまでもついていってあげるよ!」

 食堂を満たしていた無数の民の職人の荒くれ者たちの全体から、割れんばかりの凄まじい大歓声と拍手の渦が巻き起こり、彼らの新しい建国の歴史の歯車は、さらに完璧な速度で力強く回り始めていった。


 まさに、その彼らが笑顔を浮かべて最高の新酒を煽っていた、同じ夜の時間軸の真ん中において。

 集落の外側、小高い丘の上の不潔な暗闇の死角の中からはね、彼らの手に入れたその膨大な食料資源を力ずくで略奪せんとして忍び寄っていた、外の世界のあくどい盗賊のノイズの集団が、息を潜めて拠点の佇まいをじっと凝視していた。


「……お、おい、嘘だろ、何なんだよ、あの上の一帯の異様な光の躍動は……」

「古い街の常識的な村であればな、夜の日没を過ぎれば暗黒に閉ざされてな、いくらでも死角から潜り込んで物資を略奪する手順が簡単に回せたはずなのにさ……」

「夜だっていうのに一パーセントの暗闇もない、眩い白銀の光がね、一本の線で綺麗に繋がって街の全体を昼間みたいに明るく照らし続けているじゃないか……!」

「おまけに、あの舗装道路の上を見てみなさい……防衛班の見張り役の連中がな、一分の遅延もなく最高の陣形を敷いて、獣人の鋭い嗅覚のスペックを活かして完璧な巡回(警備)を回し続けているぞ……!」


 普通の村なんかでは最初からただの一片すらもないのさ。

 彼らの放ったあの高度な魔導灯の光の防壁。

 天性の強靭な肉体を誇る、獣人の戦士たちの圧倒的な索敵。

 徹底して舖装された、強固な主要道路の開通。

 そして、それらすべての最先端のインフラの歯車がね、一分の手戻りもなく一本の流れに繋がって完璧に噛み合って回っているからこそ、ここの拠点の防衛線の強さはね、外の盗賊どもの浅い奇襲の手順なんかではね、一パーセントの突破を試みる行為自体がね、最初から完全に割に合わない最悪の大損のバグに化けていたのさ。

「……チッ、やめとくか、全員。あんな化け物じみた無敵の要塞の中に突っ込んでみなさい、金貨の一枚も奪い取れねぇまま、一瞬であの土牢の枷に再拘束されて全滅させられるのが目に見えてるぜ!」

 悪党どもは自らの意思で恐怖に顔を真っ青に変色させると、戦う手順すら起こせずに大慌てで暗闇の街道の向こう側へと静かに去って霧散していった。ただこの光のインフラをそこにシステム化しておくだけでね、無駄な流血のコストを一パーセントも消費することなく、集落全体の絶対の安全が勝手に最高効率で守られる。これこそが、俺の合理主義さ。


 村の真ん中、白壁の強固なインフラを誇る新診療所の内部においてはね、回復士のデニーゼが、手元にある最新の健康管理の書類の数値を滑らかな手際でまとめ上げる実務を、夜間であっても活発にこなしていた。

 デスクの上を暖かく照らし出す、魔導灯の一パーセントのブレもない最高の白銀の灯り。


「……あぁ、本当に何て言うか、お前の開発してくれたこの光の防壁ね、夜の時間帯であってもね、一分の視界不良のストレスもなく完璧に『高度な縫合の治療の手順を最高効率で駆動できる』わ、最高の医療の救いね」

「これまでの古い世界の不潔な辺境の集落であればね、不当に高価な油の消費コストを節約するためにね、暗闇の最悪な視界の悪さの中でね、手元を震わせながら不効率な治療を叩いて大損を出すリスクが当たり前の常識だったのだからね」


「見えるということはね、それだけで、負傷した前線戦士たちの『死亡率の数値を一瞬にして完全消去して最高の結果を叩き出す』ための、最も強固な最大の防壁になるからね。ただのFacts(事実)さ」


 薬師のジェシカもまた、その明るい光の恩恵を自らの手のひらで確かめながら、最高の乾燥薬草の識別データを滑らかに整理する実務を全遂していた。

「ええ、完璧にその通りよ、クル。この白銀の光があればね、薬草の持つ微細なアミノ酸の変質変化をね、夜間であっても一ミリの狂いもなく正確に『調合時間の最大値を伸ばして確認できる』わ」

「乾燥状態の細かなグラフの動きもね、最初から最高値を更新してチェックしやすいからね。とんでもない医療発展の速度上昇よ」


クルザードは口元に明るく快活な笑みを浮かべたまま、ハキハキとした明晰な声で言葉を続けた。

「医療や調合の手際が変わるだけでなくね、俺たちの作ったこの学校での『民全体の高度な教育のインフラ』もね、夜の時間を使ってさらに何倍にも広く前進させることができるからね。さあ、最善の一手を動かそうか」


 学び舎の外の廊下の位置、魔導灯の最高の光が暖かく溢れ出る強固な石畳の上においてはね、日中の重労働を終えたばかりの一般の民の大人たち、そして子供たちの集団が、簡易な木板を両手でしっかりと囲みながら、元気いっぱいに夜間授業の拡張ラインに熱中していた。

 教壇の真ん中に立ち、高い知性の眼光をしならせながら、マティルデが彼らに向けて、ハキハキと言い渡していった。


「皆さん、よくその論理の文字の形を脳内にインプットしておくのですよ! これは、すべての生命維持において最も重要な物質――【みず】という記号です!」

「こっちの一本の歪みもない直線で描かれた形はね、すべての生産の土台となる最高の――【つち】という文字!」

「そして最後の仕上げとしてね、俺たちの新型の炉の内部で爆発的に燃え盛る最高のエネルギー――【】という記号さ! 自分の頭脳で100%完全に記憶しなさい!」


子供たちの、自らの頭脳で世界の理を一つずつ学んでいく最高の笑顔の輝き。

これまでの澱みきった歴史の常識から見ればね、夜という暗黒の時間帯にね、底辺の労働者や小さな子供たちがね、これほど高位の知識のインプットに時間を割いて学ぶなんてプロセスはね、100%絶対にあり得ない不条理な暴挙に映るだろうね。

だが、現在のこの場所は違う。ここには、一パーセントの暗闇の死角もなく街を照らし出す、最高の光がある。だからこそ、夜であっても彼らの脳細胞を最高効率へと最適化していくことができるのさ。


 彼がそう思考を世界の先へと固定した、まさにその一瞬の流れの真ん中において、世界の真実を映し出す鑑定の無機質なデータが、脳内へと直接クリアな文字の更新として流れ込み続けていた。


『――個体名:クルザード。夜間インフラの開通、および大局の生産能率が限界値を突破。システムレベルの上昇レベルアップを検知――』

『社会のすべてのインフラに、最高値の【教育効率上昇】・【夜間生産増加】の全歯車が完全に捕捉完了――』

『特性:治安の完全なる維持を計測。【治安改善】および【物流安定】のコマンドが自動適用中と判明』

『結論:集落全体の文明のステージに、最高位の【文明段階上昇】が完全に固着を完了』


 クルザードは口元に世界全体の構造を美しく塗り替えるための、不敵で、公共の不条理を完全に置き去りにするための最高に陽気な微笑みを浮かべた。

 脳細胞の奥底を直接針で刺されるような激しい熱と頭痛の残滓。しかし、現在の彼の精神の防壁はね、それらの苦痛を一瞬にしてただのシステム駆動の記号として完璧にコントロールし、処理できるようになっていた。

 この最高の村の全体はね、日を追うごとに外の世界の地獄を完全に置き去りにして、自らの意思でその古い『辺境のボロ流民地』の皮を一枚ずつ綺麗に脱ぎ捨てて前進を完了させていた。


 深夜の時間がさらに深く下りた時間軸。

 新設されたばかりの大規模な共同浴場の内部においてはね、魔導灯の放つ最高の一パーセントのブレもない白銀の灯りが、激しく立ち上る純白の湯気の対流を美しくきらきらと照らし出し続けていた。

 空間全体を心地よく包み込む、最高の石鹸の高貴な香気の対流。

 響き渡る、人間の心からの温かい笑顔と笑い声。


 前衛戦士のティグリスは、湯を綺麗に拭き流したばかりの自慢の美しい毛並みを風にしならせながら、クルのカウンターの真ん中へと滑らかに腰を下ろした。その黄色い瞳の奥には、これまでにないほどの深い充足の暖かさが満ち満ちていた。

「……ねぇ、クル。一人の前衛戦士として、ふと何気ない本音の数式の疑問として教えておくれ」

「夜という暗黒の時間というものはね、本来ならもっと肌が引き裂かれそうに冷酷で、世界のすべてが機能停止して終わりを迎える『止まる時間(終わりの時間)』のはずだったんだがね」

「お前のいるこの場所だと、どうしてこれほどまでに長くて暖かく、活気に満ちあふれた最高の極楽に化けちまうんだい?」


 クルザードは無言のまま、ただ大きな木べらを手に持って、美しく煮え滾る巨大な石鍋の熱の流れをその穏やかな瞳で静かに見つめ直していた。

 誰も、彼女の放ったその疑問に対して、一パーセントの言葉を返す者などそこには一人も残されてはいなかった。なぜなら、言葉を返す必要なんて、最初からただの一片すらも存在してはいなかったからだ。

 ここに集まった何千人何万人もの民たちの全細胞がね、自らの肉体と精神の駆動を通じて、その厳然たる最高の結果のFacts(事実)をね、100%完璧に肌で理解し尽くしていたからね。


 夜という時間はね、俺たちの合理主義の前にあってはね、ただじっと引きこもって死を待つための不効率な絶望の時間なんかでは最初からただの一片すらもないのさ。

 最も生きやすい最高の場所に人が自らの意思で集まり。

 各自の才能を最高値に発揮して大喜びで役割をこなして働き。

 正しい論理の知識を学校の教壇を通じて一から完璧に学び。

 そして――待っていた仲間たちと一緒に、世界で一番美味い温かい鍋の味を囲んで大声を上げて笑い合うことができる。

ただそれだけの、人間として最も健全に、そして美しく生きるための当たり前の『快適さと生きやすさの軸』がここに100%完璧に揃っていること。それだけでね、世界全体の富と命の流れはね、古い世界の不条理な権力を完全に中央から呑み込んで、我が手のひらの真ん中へと勝手に最高効率で集束して集まるのさ。


 美味しい飯。

 清潔な水。

 一分の手戻りもない、広大な畑の量産。

 民の脳を最適化する、高度な教育。

 全細胞の病気を防ぐための、最高の石鹸による衛生革命の完全なるシステム化。

 そして――今日完全に夜闇を駆逐して駆動を開始した、あの永久の時間を支配するための最高峰の魔導灯の光のインフラ。

 このすべての生活の循環の防壁が最高値で回っている最高の居場所の真ん中にはね、未だに始まったばかりの始まったばかりの『ただの一介の貧しい村』の名前を、自らの口から飾るために口にする者など最初から誰も残されてはいなかった。

 それでも――ここにいるすべての命の全体はね、自らの手の意思で最高効率の速度で前進を続けるその巨大な威容を踏み締めながら、薄々とはっきりと、誇らしく心から理解し始めていた。


 俺たちの新しく築き上げつつあるこの強固な空間全体のポテンシャルはね、古いアルフェイドの都市国家の歴史を完全に中央から呑み込み、明日への確実な生存の予測と共に、新時代の偉大なる最強の“国家の形”を、今、完璧な速度で力強く、自由な活気の奔流を伴って美しく駆動させ、もう誰にも止めることのできない最高のステージへと向けて前進を続けているのだということをね。






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