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03 【混沌事件調査】  作者: 非常口どん八
第一章 

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4 某帆船のチョコレートに似た名前の車

 それはさておき、本題に入る。

 碇賀元が、

「――で? ガイシャたちは、私人逮捕とか、そんな真似してたような連中なんだな? あまり、知名度はなさそうだが」

 と、資料を見ながら、群麻と無二屋のふたりに確認する。

「みたい、ですね」

 群麻が、うなづく。

 碇賀が続けて、

「それで、何やら、ガイシャの女を囮にして……、売春を持ちかけた男をターゲットにして、動画を撮りながら、強請(ゆす)ってたて話だがな」

 と、資料を確認しながら、同時に、彼らのメンバーの一人が撮っていた、“売春をもちかけてる男を成敗する”趣旨の動画を再生させながら。

 横から、

「――で、それが原因で、この被害者たちは何者かに殺された可能性がある――、ってわけね」

 と、賽賀忍が言った。

 まあ、直接の原因かは分からないが、ガイシャたちのグループは、先ほど確認したような、“美人局”と動画撮影という現代的な手法を組み合わせることで、あくどい小遣い稼ぎを行っていたとのことだった。

 中には、金目的でなく、単純に面白半分で行ったとしか思えないものもありながら。


「何か、ほかの犯罪グループと、シノギがかち合ったの、か――」

 碇賀元が、問を投げかけるように言い、

「あるいは、“本職”の怒りに触れるようなことでも、やってしまったんですかね……」

 と、群麻が、その続きを言った。

 シノギだの、本職だの、アウトローな匂いのする言葉が出ながら。

 まあ、ここまでは、部分的には分かる。

 先ほど刑事たちとも話していたとおり、対立していた犯罪グループどうしの報復というケースも、あり得ると言えばあり得る。

 はたまた、被害者たち犯罪グループが、“やってはいけない相手”にやってはいけないことを――、例えば、某帆船のチョコレートに似た名前の車を盗難したところ、その持ち主がアウトローの大物だった――、みたいなことをしてしまい、粛清されてしまったなど……

 そういう、マンガみたいなことも、すくない確率ながら、あるといえばあり得るのかもしれない。


 しかし、

「ただ、そうすると……」

 と、賽賀忍が前置きして、

「今回のガイシャたちだけなら、話は分かるだけどさ? 過去の、これまでの、多くのケースの被害者たちは、どうなの――? って、話になるわね」

 と、疑問をあげた。

「そう……、そこ、なんですよね」

 群麻が、そのとおりだと相づちする。

 というのは、これも先ほど現場で話していたとおり、同様の事件はここ最近ずっと続いており、その被害者は2、30人ほどにのぼる。

 これまでの被害者たちに関する資料も見ながら、

「中には、今回の被害者たちのような、犯罪だったりアウトローなどと、つながりありそうな者もいるが……、それ以外は、おおむね、一般ピープルの範囲内の人間ばかりなんだよな……」

 と、碇賀元が言った。

 その資料を見るに、被害者は学生だったり、会社員だったり……、あるいは、フリーで何かをしている人間だったりする。

 また、その横から、

「ふぇー……、動画配信者だったり、Ⅴチューバーだったり……、あるいは、SNSライター、インフルエンサーっぽい人も、いますねぇ」

 と、無二屋も、資料を見ながら言った。

 また、群麻が、

「まあ、ちょっと変わった職業といえば、変わった職業なんですけど……、こういう仕事も、認知されて久しいですからね。それでも、一般人よりの人たちになりますよ、ね?」

 と、皆に確認するように聞いたところ、

「……」

 と、碇賀元は無言で、何か考えるように、チラリ……と見ていたが。

 その碇賀元が、

「はぁ~……」

 と、煙草を吸いたいのをこらえる様子で、眠たそうに、ため息しながら、

「そう、だな……? このガイシャたちが皆、そのような、犯罪グループや本職と関係あるのか――」

 と、間を置くと、

「……」

「……」

 と、群麻と無二屋が、沈黙して耳を傾ける。

 ひと呼吸おいて、碇賀元が、

「――あるいは、たまたま、ただの、猟奇殺人鬼のターゲットになってしまったのか?」

「……」

 と、賽賀忍も、流し目でチラ見をする中、

「……まあ、もう一度、いままでのガイシャのプロフィールなり、共通点なりを――、調べたほうが、いいのかもねい」

 と、まるで、溜めたタバコの煙でも吐き終えるように、碇賀元が言った。

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