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役立たず鑑定士を追放した配信サークル、崩壊する 〜レアドロップ逆転の俺と黒髪の最強少女〜  作者: モコナッツ


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6/22

反転

 コロッ


 音がした方に目をやる。アレが本当なら、このドロップにも何が変化があるはずだ。


 とはいえ、ハムスターのドロップなのであまり期待は出来ない。

 ポーションでも落ちれば大当たりだろう。


 おかしい。


 小さな音がしたはずなのに、音のする方には何もない。思わず二人で顔を見合わせた。


 …そりゃそうか。

 コミックじゃあるまいし、そううまい話はないよな。


 せめて、爪先程の魔石の破片でも落ちてないかと、目を凝らす事にした。


 鑑定———


 その時だった。本当に爪先程の小さな欠片が鑑定に引っ掛かった。駆け寄る。

 それは魔石ではなかった。


「これは…種?」


 《鑑定結果》

【スキルの種(体力強化 小)】

【スキルの種(敏捷強化 小)】


「なんだ?スキルの種?」


 拾い上げた種をランプにかざす。

 見た目はひまわりの種だ。かなり痩せている。

 ただ、何かが異様だ。


「スキルの種?」


 その言葉に凛が反応した。目を丸くしている。


「この種がどうかしたか?」


 種を手のひらで遊ばせながら訊いた。


「その種一粒で、最低でも20万以上はしますよ」


 凛が言った。


「20万!?」


 危うく40万を落としそうになった。俺は種を両手で大事に持ち抱えた。


「何で?」


「食べるだけで簡単に【コモンスキル】が手に入るからです」


 俺の「鑑定」や、凛の「戦禍の加護」みたいなやつは【固有スキル】と呼ばれ、大体、思春期のあたりで発現する。


 コモンスキルはそれとは違い、ダンジョンで鍛錬を積んだり、経験を積めば誰でも身につけられるスキルだ。


 上位のギルド探索者や、坂城やひなのみたいな連中は、固有スキル自体がそもそも優秀だ。


 俺のような鑑定スキルや、そもそも固有スキルのない、その他大勢はコモンスキルの多さが強さといっても、過言ではない。


 …もっとも、そのコモンスキルも、俺は一つも持っていないが。


「因みに何のスキルか分かりますか?」


 凛が訊いた。


「どっちも身体能力小アップ。体力と敏捷らしい」


 こんな種が20万とは…というか、食べるだけでスキルが身につくとは。不思議なもんだ。


「なるほど。スキル自体は低ランクです。ただデスハムスターからのドロップとしては破格ですね」


「私はどっちも持ってるんで、神谷さん、今食べてください」


 平然と言ってのける。


「いやいや、待て待て待て」


「これ一粒20万円くらいするんだよな」


「正確には今の買取で22万くらいですね。身体能力は必須スキルですから最低ランクでも重宝されますし」


 スマホを取り出して、タタタッと相場を弾いた。


「それは凛がもらってくれよ。何回も助けてもらったし、さっきもナイフと腕輪を貰ったんだ。その上44万も貰ったら、流石に罪悪感で吐くぞ、俺」


 凛は、呆れたような顔をした。


「神谷さん」


「何?」


「これ以上、足を引っ張られると困るので、自分で使ってください」


 真顔だった。遠慮がない。


「神谷さんは弱すぎます。今は目先の損得より、少しでも戦力になってください。それが結果的に1番早く稼げます。お礼はそれからで良いです」


 あまりにも合理的で反論の余地はなかった。

 余計な気遣いが無いからこそ、納得出来る言葉だった。


 俺は苦笑した。


「……じゃあ、遠慮なく」


 種を一つ、口に放り込む。カリッ、と石のような感触が一瞬だけして、すぐに溶けた。


 次の瞬間。


 体の奥にじんわりとした感覚が広がる。

 そして、視界の端に文字が浮かび上がった。


【スキル習得】

【体力強化:小】


「……お」


 劇的な変化はない。

 だが、先程よりも疲れが取れた。上手く言えないが、体を楽に動かせる感覚だ。


「どうですか?」


「なんか…ちょっと体が楽になった」


「良い感じですね、体力系はそういう感覚が出やすいので」


 凛は小さく頷いた。


 俺はもう一つの種を見る。


「じゃあ、こっちもいくか」


 同じように口に入れる。今度は、違う感覚が走った。背中に小さな羽がついたように、体が軽くなる。


【スキル習得】

【敏捷強化:小】


 足を動かしてみる。一歩踏み出すだけで、わずかに前に出過ぎる。

 トン、と軽く跳ねる。身体が浮いたような感覚。


「本当だ…。凄いなこれ」


 ただ、俺の興奮をよそに、凛はじっとこちらを見ていた。


「どうしたんだ?」


「いえ…やっぱり神谷さんのスキル、ちょっと強すぎる気がします」


「《逆転鑑定》か?」


「はい」


 足元に視線を落とす。


「ミスリルスライムのドロップとデスハムスターのスキルの種…どちらも、普通じゃありません」


「まあ……そうだな」


 俺も頷く。さすがに、偶然で片付けるには出来すぎだ。どうやら、凛の言うことは本当らしい。


 凛は、少しだけ真剣な表情になった。


「こういう強いスキルには、だいたいデメリットがあります」


「デメリット?」


「発動条件が厳しかったり、私みたいに明確なマイナスがあったり…」


「まだ分かりませんが…警戒しておいた方がいいと思います」


 俺は少しだけ考える。確かにうますぎる。

 うますぎる話には裏がある、ってやつだ。


 だが、俺に何が出来るでもない。

 凛が心配はありがたいが、今はこの新しい可能性をもう少し試したい。


「まあ、それはおいおい考えようぜ」


 凛も小さく頷いて、笑った。


「そうですね」


 俺は通路の奥へ視線を向けた。ダンジョンの奥からこっちへ来いと誘うように、風が吹き抜ける。


「じゃあ、もう少し進むか」


「はい」


 凛が短剣を構える。


 俺たちは再び、ダンジョンの奥へ足を踏み出した。


 ――そのときだった。


 通路の奥から、声が聞こえた。


「……くん」


 女の声だ。聞き覚えがある。


「坂城くん!!」


 ひなのだ。


 俺と凛は、同時に顔を見合わせた。


 どうやら向こうも、足踏みをしているらしい。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

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