↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末の七勇者(改)  作者: ヤミ
五章 《終末戦争》
68/77

第六十八話 平和の訪れ

皆さんこんにちは。

ヤミです。

本日から五章の始まりです。

平和になったかと思いきや世界はまだ終末へ向かって歩みを止めずにいた。

星影たちは立ち向かう。この世界から終末を終わらせるまで。

是非お楽しみください。

 悠都、茜と酒場で酒を飲んでギルド宿舎の自室で眠りに就いた星影は窓から差し込む陽射しで目を覚ます。


「…朝…か…。」


 星影は大きく伸びをする。そしてベッドから体を起こし、一階の受付へ向かう。階段を降りている最中、何やら皆の声が聞こえてきて足早に降りる。そこにはエーデル大王とオベイロンがおり、まわりには《暁》の皆が集まっていた。


「どうしたんだ?」


 星影がルベルの隣に行って聞く。するとルベルは星影を見て


「ようやく起きてきたか。これから全員で王城に向かう。何が何だか分からんが非常事態だ。」


 ルベルの言葉にはっきり目が覚めた星影は自室へ戻り、支度をして神器裂破黒曜を腰に下げるとギルドを出る。皆はエーデル大王とオベイロンに続き、王城へと向かう。王の間まで連れてこられた星影達はそこにいた七人の人物達に驚愕した。


「何で…お前らが…?」


 星影は神器の柄に手を掛ける。ルベル達も同じだった。しかし、エーデル大王は


「武器から手を離せ。彼らは戦うためにここへ来たのではない。」


 するとエーデル大王と星影の間に男が立つ。


「メフィスト…!」


「そう怖い顔をするな。今回はお前達に話があってきた。」


「話だと?よくものうのうと顔を出せたもんだな!五年前の事を忘れたわけじゃねぇだろうな?」


 アランは魔神王メフィストを睨みつける。メフィストはフンと溜め息を吐き


「我らはもうお前達と争うことはない。」


 その言葉に皆は言葉を失う。


「我らの目的はこの世界を生まれ変わらせることにあった。しかし、理由が分からんが管理者(アドミニストレータ)が滅んだ。これにより、我らが新たに世界を創り変える必要がなくなったのだ。」


「管理者(アドミニストレータ)が…?」


「お前も気付いているだろう?王権という楔を介して我らを監視していた管理者(アドミニストレータ)の気配が消えたことに。」


 星影とオベイロンは言われて初めて気付いた。


「消えてる…。」


「私もです…。」


「こんなことにも気付いていなかったのか。おちたものだな。」


 マーリンは呆れた目で星影とオベイロンを一瞥した。


「それで?もう本当に俺達に攻撃をしないんだな?」


 星影が警戒を緩めることなくメフィストに聞く。それに対して龍王グラヴィールが


「この事は俺達七人で話し合い決めた事だ。誰か破るような事があれば他の王達がその者を討つ。そして、お前達にもこの話をしたということは、お前達の中に俺達に攻撃する者がいれば、同様にお前達を討つ。」


「そうですか。分かりました。」


 オベイロンはグラヴィールの説明に頷く。


「おい!オベイロン!良いのかよ?こんな奴らの言う事を聞いて!」


 アランがそう言うが、オベイロンは


「龍王が言うのであれば嘘ではないでしょう。私は龍王を信じます。」


「影塚星影。お前も異論はないか?」


 グラヴィールは星影に視線を向ける。


「…ない。」


「決まりだな。そんじゃ俺達は帰るわ。」


 星影の答えを聞くと釈迦は伸びをしてエーデル城を出ていく。その後に続き他の六王も出ていく。


「…。」


「…。」


 皆が黙っている中悠都が


「なぁ、これで俺達、戦わなくていいのか?」


「そういう事になるな。」


 ルベルはそう答える。悠都、茜は安堵の涙を流す。皆も喜びの声を上げ、すぐに国中にこの話は広がった。ルベルは星影とアランを連れて王城の裏へ向かった。


「何かおかしくないか?」


 ルベルの言葉に星影とアランは頷く。


「ああ。七王が本当にそんな答えを出すか?」


「それにまだ《堕天使》に星の主(シュテルネンヘル)も倒せてない。それにマーリンの目的は《堕天使》の復活のはずだ。」


「そうだな。つまりアルケインのように洗脳する力を持つものがいるか、世界の理屈を書き換える力を持つものが外部から俺達に接触している可能性がある。」


「とりあえず、シエル達にも話そう。」


「…そうだな。」


 ルベルは一瞬躊躇うが星影の言葉に頷く。それから星影達はシエル、アリス、ダルヴィッシュ、ルシファーを呼び集め、先ほどルベル達と話した事を伝える。


「…考えたくはありませんが、それが事実ならば私達の戦いはまだ終わっていないと言うことですね。」


 ダルヴィッシュは顔色を曇らせて言う。


「ああ。そうなる。」


 アランは腕を組み受け答える。


「でもならどうして私達にそんな事伝えたの?」


 シエルの問いに誰も答えを出せなかった。しかし、星影が


「ここは別の世界かもしれない。」


 と言い放った。


「どういうことですか?」


 ダルヴィッシュが星影を見る。


「オリジンにもパーシヴァルさんにも魂の世界を通して繋がれない。だから多分何者かによって作られた世界に俺達は閉じ込められているのかもしれない。もしここが現実なら二人とも繋がれるはずだ。」


「なるほど。」


 ルベルは納得したように頷く。


「それで打開策はあるのか?」


 アランは星影へ視線を送る。


「いや、ない。けど、ここを創り出した奴に思い当たる王がいる。」


「誰ですか?」


 アリスがきょとんとする。


「多分、夢幻王ルミナス。能力を見たわけじゃないけど、どの王も冠する名に関連する能力を持ってる。」


「つまりここは夢の世界、だとでも言うのか?」


 ルシファーが周りを見渡しながら言う。


「多分。」


「カゲ、ちょっといい?」


「うん?」


 シエルが星影に近付き星影の頬を強く抓る。


「いっ!…痛いって…。俺にしなくたっていいのに…。」


 星影が頬を擦りながら不満を零す。


「痛みは伴うのか。」


 アランが少し感心した様に声を出す。


「もしここが夢の世界ならどう脱出するかだ。」


「ノワールならいけるんじゃない?」


 シエルが言う。


「確かに…。ちょっと呼んでくる。」


 星影は城に戻り


「ノワール。ちょっと来てくれ。」


 星影が呼ぶとノワールが瞬時に星影の隣に移動する。


「お呼びですか?」


「うん。近い…。」


「おっと、これはすいません。私としたことが勢い余ってしまいました。」


「…そうか。まあ外来てくれ。」


「はい。」


 星影はノワールを連れて城の裏に戻る。


「ノワール。俺達は今ここが夢幻王ルミナスの夢の世界なんじゃないかって考えてるんだ。もしそうならノワールの力でどうにかできない?」


「夢幻王の…?なるほど。王が手を引いたのは夢なのではないかと考えているのですね。」


「そう。」


「でしたら夢から脱出する方法がありますよ。」


「本当か?」


「はい。ただこれが夢でなかった場合、死にますけどね。」


「…ぇ?」


「夢から醒めるには夢の世界で死ぬ必要があります。ただここが現実であれば文字通り死にます。」


「多分ここは夢の世界だ。オリジンとパーシヴァルさんに繋がれないから。」


「そうでしたか。」


「俺がまず死ぬよ。」


 星影は裂破黒曜を鞘から抜き、自身の首に当てる。


「っ!」


 星影は自分の首を切り裂き倒れる。鮮血を噴き出した星影の体は消えることなくその場に倒れたままだった。


「星影…?ノワール!夢から醒めても体はこっちに残るものなのか?」


 アランが焦ったようにノワールへ聞く。


「分かりません。私も眠りから醒める方法を知っているだけで、その後夢の世界でどうなるかまでは…。」


───


「準備は整ったぞ。」


「それじゃあ殺しちゃっていいよ。」


 マーリンは神器禍津神を手に握り、眠りに就く星影達を見下ろしていた。その隣では欠伸をしながら伸びをする夢幻王ルミナスと、天界王釈迦がいた。


「どんな夢見てんだろうな。」


 釈迦はそう言いながら星影の頬を突く。


「《終末の七勇者》なんかじゃなければ長生きできただろうに。」


 ボソッと釈迦がそう言っているとマーリンが禍津神を星影へ振り下ろす。だが禍津神は裂破黒曜に受け止められる。


「な!」


「マジか!」


 マーリンと釈迦は星影から飛び退く。


「どうやって起きた?」


 釈迦の言葉に星影は


「ノワールに夢幻王の夢世界からの脱出方法を聞いた。」


「ノワールを一緒に眠らすんじゃなかったな…。」


 釈迦は頭をポリポリ掻きながら構える。


「ルミナス。みんなの眠りを解け。」


「そう言われて素直に解くと思う?まだ起きてこないってことは君があっちで死んだけど死体だけが残って、現実だったんじゃないかって疑い始めてるんじゃないかな?」


「好都合だ。影塚星影。今度こそ確実に殺す。」


 マーリンは神器禍津神を星影へ向ける。


「俺一人じゃ三人相手はキツイから、二対三でいかせてもらう。」


 星影はキューブの能力を使い星影自身の分身を創り出す。


「所詮コピーだろう。そんなもので私達に勝てると思うな!」


 マーリンが星影へ飛び掛かってくる。


「このコピーは俺と魔力量も変わらない。こいつを創り出すために五年も掛かった。」


「しかし、そのお陰でこうして私は元に戻れたわけだ。」


 すると星影のコピーの姿が変化し、マーリンの斬撃を腕で受け止める。そのコピーは髪が長く伸び顔立ちまでも別人へと成り代わる。


「まさか…。」


「マジかよ…。」


「…。」


 マーリン、釈迦、ルミナスは目の前に現れた人物に驚愕した。


「この世に捕食王が二人というのも面白いものだ。」


「そうだな。」


 星影とオリジンは目の前の敵を睨む。そしてオリジンはマーリンとルミナスへ迫る。星影は釈迦へ飛び掛かる。


「死んだら蘇るし、殺した敵を味方として蘇らせるとかマジチートかよ。」


 釈迦は溜め息を吐き星影の振るう攻撃を躱す。星影が連続で神器を振るうが釈迦には当たる気配がない。


「遅いぜ、影塚。」


 釈迦は笑みを浮かべ、星影の鳩尾に蹴りを入れる。


「っ!」


「オリジンがこうして戻ってきたってことはお前はもうオリジンの力を使えないんだろ?」


「…いや。」


 星影は鳩尾を押さえながら否定する。


「一つだけある。」


 オリジンは血液から生成された触手を硬質化し、マーリンとルミナスへ放つ。


「っ!もう一度私の元へ戻って来い!オリジン!」


「断る。私は勇者に憧れた。もう二度と自分の憧れを曲げるわけにはいかない。」


 そう言って腕を振るう。


「格子斬糸!風刃滅破!」


「危険な盾(アエギス・ペリクルム)!」


 オリジンの攻撃をマーリンは危険な盾によりオリジンへ反射させる。


「鏡写反射!」


 だがそれをオリジンが鏡により反射させる。予想外の攻撃にマーリンはダメージを受ける。


「っ!オリジン!」


 マーリンが血眼にしてオリジンを睨む。


「オリジン。寝てもらうよ。」


 ルミナスが掌をオリジンへ向ける。


「宵闇棺。」


 ルミナスは黒い闇の棺に閉じ込められる。


「しまった…。」


 棺の中では闇に魂が蝕まれていく。ルミナスは膝を付き苦しむ。


「さあ魔王。次はお前だ。」


「神威開闢 覇道冥府滅世之禍津神(はどうめいふめっせのまがつかみ)!オリジンを潰せ!」


「無限の餓えよ、世界を喰らえ。神威開闢 虚食之神紅悪食姫(きょしょくのかみべにあくじきひめ)。」


───


「一瞬こいつが目を覚ましたときは驚いたが…。助かったぜルミナス。」


「別にいいよ〜。あそこで眠らせておかなかったらどうなってたか分からないし。」


 星影が再び眠る中、冷や汗を拭う釈迦が見下ろす。


「閃光の柱(アストラピ・ピラー)。」


 マーリンは眠る星影へ光る柱を降り落とす。


「領域展開。」


 だが、星影には当たることなく光の柱は消えていく。


「っ!もう目覚めたか…。」


「こりゃまずいんじゃないか?」


「いや、もう一度眠らせればいいだけさ。」


 目の前に立ち上がる《暁》の皆は三王と対峙する。

皆さん、いかがだったでしょうか。

ついに始まった五章。ここから六王や星の主などの世界を終末へ導く者たちとの最終戦争が始まります。

星影たちは終末を終わらせることができるのか。


次回第六十九話 新《巫女》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。