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終末の七勇者(改)  作者: ヤミ
四章 第二次異世界大戦
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第六十一話 漆黒の悪魔

皆さんこんにちは。

ヤミです。

本日は第61話を投稿させていただきました。

第二次異世界大戦でのノワールの活躍をピックアップ。

遥か昔からパーシヴァルに仕える漆黒の悪魔の力とは…。

是非お楽しみください。

 ノワールはルージュと対峙していた。


「やっぱり君が来るんだね。」


「それが主の命だから。」


 ノワールは感情のない声で答える。


「相変わらず忠誠心が強いね。まるで犬や猫のようだ。」


 ルージュの挑発的な言葉に、ノワールは何も答えない。


「君はパーシヴァルに就いてたはずだ。なのになんであんなガキに就く。」


「それは彼がパーシヴァル様の意志を継いだお方だからだ。」


「つまり、パーシヴァルの意志さえ継いでいれば、どんな臆病者や怠惰な者であっても仕える、と?」


「何が言いたい?」


 ノワールの声に、わずかに苛立ちが滲む。


「君はパーシヴァルの意志の奴隷だ。ただ従っているだけ。それがあんなガキであっても。先代のパーシヴァルは強く美しかった。だが、ただのガキにそこまで仕えようとする意味が分からない。」


 その言葉は、ノワールの心に確かに波紋を広げた。


「主をバカにするな!貴様に主の何が分かる!」


 ノワールは魔剣を引き抜く。その膨大な魔力は地表を震わせるほどだった。ルージュはメルダインから奪った剣と魔剣を腰から抜く。


「花吹雪!」


 ノワールへ花びらのように散った剣の欠片が襲う。ノワールは跳躍し


「黒曜千刃!」


 と高速で何度も魔剣を振り花吹雪を一瞬で弾き返す。そのままルージュへ迫り


「黒曜滅雷!」


 ルージュへ一閃する。が、ルージュは自身の魔剣でその攻撃を受け止め


「流石だよノワール!」


 ノワールの魔剣を弾き返す。そして今度はルージュがノワールへ迫る。


「リリースソウル!」


 ルージュは最後の魂を燃やす。


「これで君を倒して、君の魂をいただくよ!ノワール!」


 ルージュはリリースソウルにより先程よりも百五十パーセントステータスが上昇している。その状態で魔剣を振るう。ノワールはそれを受け止めるが吹き飛ばされる。


「っ!バカ力が…!」


 ノワールは空中で体勢を整え、迫るルージュに備える。


「まだまだいくよ!」


 ルージュは次から次へと攻撃を畳み掛けてくる。その度にノワールは叩き飛ばされる。


「これじゃ埒が明かない。」


「確かにそうだね。やり方を変えよう。」


 するとルージュはノワールの目の前から消える。目に負えずにいると背後から魔剣で貫かれる。


「くっ…。」


「一つ貰ったよ。」


 ルージュは魔剣をノワールから引き抜き


「リリースソウル。」


 魔剣に取り込ませたノワールの命を消費し、百五十パーセント上乗せした状態にまた百五十パーセント上乗せする。つまり今のルージュは通常時の三百パーセントステータスが上昇したことになる。


「まずい…。」


 ノワールの命は残り六つ。次奪われリリースソウルを使われたなら今のノワールに勝ち目はない。今ここでルージュを殺す。ノワールは強く決意する。


「黒曜穿閃!」


 と魔剣をルージュへ突き付ける。しかし、目の前にはもうルージュの姿はなく


「こっちだよ。ノワール。」


 また背後に移動したルージュに背中を斬りつけられる。


「っ!」


 ノワールは膝を付く。


「ノワール。まだあのガキに就くつもりかい?今からこちらに就くのなら僕はもう君を痛めつけない。」


「バカを言うな。私は、この命尽きるまで主に仕える。」


「残念だよ。ノワール。」


 ルージュは目に追えない速さで魔剣を振り下ろす。途端に周囲は吹き飛び、ノワールは跡形もなく消える。


「もう彼の魔力は感じない。僕の勝ちだ。」


 そしてルージュはマーリンがいる方向へ歩き出す。その時、亜空間の中から黒い手が幾つも伸びてきてルージュを掴む。


「っ!これは!」


「ルージュ。私の能力はパーシヴァル様から受け継いだものだけではないのを忘れたのか?」


「そうだったね。この手を離してくれないか?」


「離すわけないだろ。お前はここで殺す。」


「昔からの仲じゃないか。」


「そうだな。」


 ノワールはそれでも亜空間から伸びる数多もの腕を引かせることはなく。


虚無を(ニヒル・)貪る者(デウォーランス)。」


 亜空間から伸びる数多の手はルージュを亜空間へと誘うように引き込んでいく。


「待て!ノワール!止めてくれ!」


 ノワールはルージュの目の前に立ち


「止めて欲しかったらそのメルダインから奪った剣を寄越せ。」


「ああ、わかった。これで交渉成立だね。」


 ルージュは一安心したように安堵のため息を漏らし、ノワールにメルダインの剣を手渡す。それと同時にルージュは勢いよく亜空間へ呑み込まれていく。


「お前は主を罵倒し、メルダインを手にかけた。それで良く助かると思ったな。」


 もうこの世から消えてしまったルージュへそう言葉を残しノワールは星影の元へ向かう。


───


 タルタロスはアンデッド達を呼び起こし星影を襲わせる。星影はアンデッド達に捕まり、タルタロスは身動きの取れない星影へ獄炎を纏わせた拳を振るう。


「死ねぇ!影塚星影!」


 その時星影の魔力切れと共に帳が開き、タルタロスの腕が切断される。しかし、腕はすぐさま再生する。


「主、遅くなりましたがただいま戻りました。」


 そこには傷だらけになりながらも魔剣を握ったノワールが立っていた。


「ノワール…。」


「主。ご無事で良かったです。ゆっくり休んでください。」


「ありがと…う…。」


 星影はうつ伏せに倒れる。


「さあ、冥界王タルタロス。ここからは私があなたの相手ですよ。」


「ほざけ!貴様なんぞこのタルタロスが叩き潰してくれるわ!」


 ノワールは右手に魔剣、左手にメルダインの剣を握りタルタロスへ駆け出す。


「領域展開。」


 ノワールは領域を展開し、タルタロスの能力を全て無効化する。


「小賢しい!」


 タルタロスはノワールへ拳を振るう。


「メルダイン。力を借ります。…花吹雪!」


 舞う花びらがタルタロスの腕をボロボロに切り裂く。そして跳躍したノワールはタルタロスの頭上へ


「黒曜崩天斬!」


 と強力な一撃を放つ。タルタロスはどんな傷を負おうと再生させる。


「何をしようと無駄だぁ!このタルタロスに勝てると思うなよ!悪魔風情が!アンデッドども!ノワールを捕らえろ!」


 その声に周囲にいたアンデッド達がノワールへ駆け寄る。


「黒曜千刃!」


 ノワールは周囲から近寄るアンデッド達を切り倒す。しかし、アンデッドもタルタロスと同様にすぐ再生する。その時、星影は燃え盛るような魔力を纏い目を覚ます。


「主!」


「っ!バカな!」


 ノワールとタルタロスの目の前、魔力が尽き倒れていた星影が立ち上がっていた。


「それにその魔力…何故貴様が鬼人王の魔力を!」


「ノワール。ありがとう。俺はもう大丈夫だ。」


 ノワールは星影の側に寄り、片膝を付き頭を下げる。


「お帰りなさいませ。主。」


 星影はノワールの肩にそっと手を置き優しくどこか寂しそうな眼差しを向ける。


「ノワール。またお願いしてもいい?」


「何なりとお申し付けください。」


「ダルヴィッシュの元に三体巨大な魔力が近付いてる。でもダルヴィッシュはもう動けなさそうだから、その三体を倒してきてくれ。」


「御意。」


 するとノワールは姿を消す。


───


 星影の目の前から姿を消したノワールはダルヴィッシュの元へと現れる。


「何だ?お前は?」


 倒れているダルヴィッシュへ大剣を突きつけようとしていたゴライアスは目の前に現れた強者に身の毛が逆立っていた。


「私はリチャード・ノワール。パーシヴァル様の意志を継ぐお方、影塚星影様に仕える悪魔です。」


「お前が…か…。ガルーダ、ブレイド。三人で一気に片付ける。」


「団長、そんな奴俺一人で十分だぜ!」


 ブレイドは腰に下がる二振りの剣を抜くと、すでにノワールを切り裂き、ノワールの背後へ移動していた。


「どんなもんよ!」


 ブレイドが振り返ると、ブレイドの剣は両方とも砕け散り、ブレイドは胸から鮮血を噴き出す。


「なっ…。」


「そんな奴とはどんな奴でしょうか?」


 ブレイドはノワールを睨みつけ、懐に忍ばせていた短剣をノワールへ投げ付ける。


「止めろ!ブレイド!」


 いつも冷静なゴライアスが声を上げる。しかし、それはもう遅かった。


虚無の(ニヒル・)穿孔(ペネトランス)。」


 虚空から現れた漆黒の槍がブレイドの胸を貫く。槍が消えるとブレイドは大量に出血して倒れる。


「行くぞ!ガルーダ!」


 ゴライアスの声にガルーダは一気に上空へ飛び上がり、ノワール目掛けて急降下する。ゴライアスは大剣をノワールへ突き付ける勢いで迫る。


虚無の(ニヒル・)共鳴(レゾナンス)。」


 ノワールは周囲に迫る二体の戦士へ強力な闇の力を常に鼓動している核心へ放つ。


「っ!」


「ぁ…!」


 ガルーダは急降下していたが意識を失いノワールから外れた場所へ落下する。ゴライアスも力が振り絞れずに膝を付き、うつ伏せになる。


「な…にを…した…?」


 ゴライアスが声を絞り出す。


「心臓を虚無に蝕ませています。直に楽になれますから、ご安心ください。」


 ノワールはそう言うと側に倒れていたダルヴィッシュを抱え、妖精の森へ運んだ。


「流星様。」


「っ!ダルヴィッシュ!彼は!」


 ノワールが抱えていたダルヴィッシュを見ると流星は慌ただしく駆け寄る。


「死んではいません。ただこの出血に途轍もないほどの魔力消耗により、一時的に意識を失っているだけだと思います。」


「そうでしたか。ノワールくんありがとう。」


 ノワールは流星の指示で近くのベッドへダルヴィッシュを運ぶ。その後は流星と妖精の森の医療班による応急手当が行われた。そしてノワールは次なる戦場へと向かう。

皆さん、いかがだったでしょうか。

パーシヴァルの意志を継ぐ星影に仕えるノワールはヴィルヘルム・ルージュ、百獣王幹部三人を倒すなど大きな活躍を見せていく。

しかしそれだけではこの第二次異世界大戦は終わらない。この戦いの結末はどうなるのか。


次回第六十ニ話 因縁

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