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「今日の夕食は肉じゃがなの。あとはほうれん草のお浸しと豆腐とわかめのお味噌汁。買い物リストにはじゃがいもと豚肉・牛肉の小間切れ。人参と白滝は昨日買ったから大丈夫。ほうれん草はまだあったはずだけど、念のため買っていこう。乾燥わかめはまだあって豆腐はないから豆腐を買えば大丈夫」
彼女は声に出し確認していましたが、彼の視線を感じ少し慌てて言いました。
「ご、ごめん。いつも口に出して確認しているの。そうしないと忘れてしまうから。ああこんなところをみられてしまうなんて恥ずかしい」
彼はクスリと笑みをこぼすとクレアに優しく語り掛けます。
「そんな言い訳しなくても大丈夫だよ。さあ早く売り場に行こうか。」
その言葉にクレアは頷きまずは野菜売り場に向かいほうれん草、じゃがいもをかごに入れ、次は豆腐売り場へ行き豆腐をまたかごに入れます。最後にお肉売り場へいき豚肉・牛肉の小間切れをかごにいれてレジへ持っていき買い物は終わりました。じゃがいもを5つも買ったせいかクレアは少し重そうにビニール袋を持っています。その様子を見てジェイクは声をかけます。
「重そうだね。その荷物貸して、家まで送るよ」
「大丈夫だよ。私の家ここから近くて2、3分で着いちゃうの。母さんが帰ってくる前に作っちゃわないといけないし……それにジェイク君のお母さん心配なんでしょう? わたしなら大丈夫だから帰っていいよ。あ、ここを曲がるの白いアパート見えるでしょう? あれが私の家。家の電機はついてないから母さんはまだ帰ってきていないはず。ごめんねすっかり暗くなっちゃった。私のせいで……」
「きにしないで。もう大丈夫そうだね。そういえばお母さんは何の仕事をしているの?」
「母さんは看護師、父さんは公務員。あまり言いふらさないでほしいっていわれているの何か困ったことがあったら相談してね」
「ありがとう。困ったことがあればそうさせてもらうよ」
その日をきっかけに二人の仲は縮まっていきました。まずは、朝の挨拶から始まり、お昼を一緒に食べるようになり毎日一緒に帰るようになりました。けれど、彼は時間を気にしてばかりいました。その理由を聞くと彼の家の門限はなんと18時! そんなことを話しながら帰りました。けれど、その2週間後にはテストが迫っておりお互いテスト勉強に追われる日々を過ごし、ついにテストの日がやってきました。私の結果は450番中250位まあまあな結果だとクレアは満足しました。彼の方がすごくなんと2位。しかし、彼は顔を真っ青にしていました。もっと喜んでもいいはずなのに……。その翌日から彼の様子はおかしくなっていきました。いつも爽やかな笑みを浮かべているはずの彼はそんな余裕もないのか目の下には隈、うわ言のように勉強しなくちゃと言い続ける日々となりクラスのみんなも心配しているようでした。そんな彼をみて心が痛みました。なぜ心が痛むのかクレアにはわかりませんでしたが、彼のことが気になって勉強が手につかない日々が続き、友人に相談しましたがわかりませんでした。その友人からジェイク君が他の人といたら嫌か聞かれその時クレアはこの感情が恋だと気づき、恋とは楽しいだけではないことを知りました。クレアはジいつのまにかジェイクのことが好きになっていました。今思えば話した日からいつの間にか彼を目で追うようになっていました。いつのまにか彼のことを考えていた日もありました。実のところクレアは男性が苦手でした。高圧的な態度をとってきたり、意地悪をしてきた人もいたりしてこの人のこと苦手だと思いあまり関わらないようにしようと決意したときに実は好きだったと告白されたこともありました。好きだからいじめてしまうことも男性にはあるようなのですが、クレアにはそういう男性の気持ちが理解できませんでした。




