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夢の森書房での不思議な体験  作者: 柊瑠璃
第二章 本に喚ばれてしまった少女の話
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8

「ご主人様そろそろ向かわなければ夜が明けてしまいますよ」

彼の言葉に対し、少女は頷きます。そして少女はその本の中に最初に取り出した鍵をさそうとすると鍵穴が出てきました。そのカギ穴の中に少女が鍵をさすと辺りは白い光に包まれました。少女が消える前にこんなことを言います。

「きっと、店主は無事ですよ? では、またお会いできる日まで」

その言葉を最後に少女は消えました。二人は、なぜか瑠璃が無事でいるような気がしました。少女の言葉に安心したのでしょうか。それでは本の世界に戻りましょう。

 その翌日、三人はいい匂いで目を覚まします。よく眠れたのかすっきりとした顔をしていました。食堂へ行くと、朝食が用意されていてロイドの他に少女と青年がいます。昨日はいなかったのにどうしたのだろうと三人が不思議に思っているとロイドがそれを察したのか彼らを紹介しました。

「彼らはこれから食事を作ってくれるそうです。昨日は私が作りましたが、これからは彼らが作ります。名前はユリアとルイスというそうですよ」

紹介された彼らはこちらにむかい小さく頭を下げるとすぐに準備に戻ります。

朝食はふわふわのオムレツと美味しそうにこんがりと焼けたパンでした。朝食を食べ終えた瑠璃はユリアと紹介された黒髪に青色の瞳の少女に話しかけました。

「ねえあなたどこかで会ったことありませんか?」

少女は何かを考えるそぶりを見せましたが、いたずらな笑みを浮かべ曖昧に答えます。

「さあどうでしょう。会ったことがあるようなないようなはっきりと言えません」

その答えを聞き青年の肩が震えていました。どうやら笑いをこらえているようです。

「そうですか。どこかであったような気がしたのですが……」

「あなたがそういうならそうかもしれませんね」

少女は言葉を濁し、はっきりとした答えは聞けず、璃々は首をかしげます。その様子を見守っていたロイドでしたがそろそろ時間のようです。その手には本を持っています。

「璃々様、そろそろお時間です。昨日の続きをお願いします」

「承知しました。」

瑠璃はもう少し少女のことを考えていたかったのですが、そういわれては考えを中断するしかありません。瑠璃はロイドから本を受け取ると、昨日の真っ赤な部屋へと向かうとそこには昨日と同様人数分の椅子が用意されていました。

「昨日は鞄を取り違えて真っ青になったところまで読んだから今日はここからか」

そう小さくつぶやくと瑠璃はゆったりとした口調で語り始ました。それと同時に少女と少年の姿が現れました。


「本当にごめんなさい。鞄を取り違えた上にコートとマフラーまで忘れてしまうなんて……」

クレアは落ち込んでいました。その様子を見てジェイクは励まします。

「急いでいたから仕方ないよ。でも僕がいてよかったよ。このまま帰ったら風邪をひいてしまいそうだからね。買い物あるんでしょう? お詫びに僕も一緒に行くよ。荷物を持つくらいなら僕にもできるからさ。でも少し待ってね。帰りが遅くなることを父さんに伝えないともうすぐ門限なんだ。だから鞄貰ってもいいかな?」

彼の言葉を聞き彼女は驚きましたが、彼女は彼に鞄を渡し、彼から自分の鞄、コート、マフラーを受け取りそれを着て謝ろうとしましたが、彼は電話中のようでした。その声は今まで彼女が聞いたことのないよそいきの声でした。

「ごめんなさい。父さん。鞄の取り間違えがあってそのお詫びにクラスメイトの夕食の買い出しを手伝うことになったので門限は過ぎてしまうと思います。申し訳ありません。僕の落ち度です」

その言葉に対し、怒鳴り声やら罵声やらが聞こえてきましたが、彼はそれに慣れているのか「ごめんなさい」という言葉を繰り返しています。暫くして相手が父親から変わったのか彼の表情が少し和らいだように見えました。そして彼は電話を切りました。

「母さんが、今日は何時になってもいいって。父さんはそれに反発してたみたいだけど……母さん大丈夫かな」

「なるべく早く帰った方がいいかもしれないね。私もさっきお母さんに少し遅くなるって連絡したし早く買い物をしてお互い帰ろうか」

その言葉に彼は頷き、急ぎ足でスーパーへと向かいます。それから20分程たち二人はスーパーに到着し彼女は携帯のメモを開き、かごを手に取りいろいろと呟いています。


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