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「皆様、夕食のお時間となりました。おや? レティ様はこちらにいらしたのですね。先ほど璃々様と貴女様の部屋に行きましたら璃々様は目を覚ましていらっしゃいました。よく眠られたようですっきりとした顔をなされています。では、食堂へご案内いたしますね。」
彼は瑠璃たち三人を、廊下を通り少し大きな机がある場所に案内をしました。そこには主と呼ばれている少年がすでにきており席についています。三人とも席に着くと夕食が始まりました。夕食のメニューは、クリームシチューと野菜サラダで、とても美味しく優しい味がしました。夕食の間は他愛のない話をし、その後、各自部屋に戻り眠りについた頃、夢の森書房を訪ねて来る人がいました。現世では昼間で瑠璃たちが姿を消してから一日が経過しており、まだ帰ってくる気配はありません。そこに一人の少女が現れます。少女は金色の髪に紫色の瞳をしていました。少女が扉を開けると二人は一斉に扉の方を見ます。しかし、瑠璃ではないとわかると肩を落としました。灯は瑠香だけでは心配なので昨夜はここに泊まったのでしょう。もし、行方不明になっている家族が訪ねてきても家にはいれないようにとしっかり伝えているようです。そしてしばらくの間瑠璃の家に泊まることも伝えていましたので、対応は店の者に任せるのでしょう。彼は、嘘がつけない性格ですからそのほうが良いかもしれせんね。少女の話に戻しましょう。少女はこういって入ってきました。
「すみません。こちらが夢の森書房でしょうか。私は友人に頼まれてここにきたのですが……はじめまして。私の名前はミア・レリックと申します。こちらの店主を助けてほしいと私の友達が言っていたのですが何かありましたか?」
少女の問いかけに瑠香が答えます。
「こんなこと言っても信じられないかもしれないけど、姉が本の中に吸い込まれるようにして消えてしまって……でも、昔母と一緒に本の中に入っていたと聞いていたので数日すれば戻ってくると思うのだけど心配で」
その言葉に少女は暫く耳を傾けていましたが、静かに頷くととある鍵を取り出します。その鍵は何だろうと疑問に思っていると少女が話し始めます。
「この鍵は本の世界に入ることができる鍵なんです。昔、とある人から譲り受けたんです。この鍵は本の世界で善行を積むともらえるらしくて彼は余るほど持っているらしくてそれに私は精霊が見えるんです。精霊や妖精を信じていない方には見えませんが……私は昔から精霊や天使他の人にはみえないものが見え会話もできます。なので私はとある精霊から頼まれたんです。ちょうどこっちに用事があったのでちょうどよい機会と思って。それにあってみたい人もいましたし……。店主が入ったのはこの本ですよね?」
そう聞いた少女の手には『少女は甘い恋を知る』という本がありました。その本を見ると二人は頷きます。なぜ分かったのだろうと二人が疑問に思っていると少女が違う鍵を一本取り出し、その鍵を前に出し名前を呼びました。
「ルーン」
その呼びかけに答え一人の男が現れました。彼が精霊という存在なのでしょうか。見た目は人と大して変わりはありません。彼は優雅に一礼してみせました。
「お呼びですか? ご主人様」
「ええ、この中に入りたいの。いいかしら? でも向こうは夜か。彼は喜んでくれるかしら?」
「きっと喜ばれると思います。けれど、気づかれないようにしなければ、気づかれればサプライズの意味がありませんから」
「そうよね。あ、ごめんなさい。ルーン挨拶をして」
彼女の言葉に対し彼が自己紹介をします。
「はじめまして、月の精霊のルーンと申します。以後お見知りおきください」
彼の言葉に瑠香は会釈をしましたが、灯には見えていないのか辺りを見回しています。彼が見えないと察したのかルーンに命じます。
「ルーン、彼にもあなたが見えるようにしてくれないかしら? 彼には見えているようだけれど……もう一人には見えていないのよ。」
「かしこまりました。」
彼が不思議な粉を全身に振りかけると灯にもその姿が見えるようになりました。灯は呆気に取られていましたが彼に軽く頭を下げました。




