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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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イカロス


 今日の吉田は駐輪場で見かけた時からすでにそわそわしていた。


「なんかあったん?」


 教室に着いてからそれとなく尋ねてみたが、「いや別に」とカンニングがバレて別室へと連行された時のような緊張感を醸し出している。


 どうにも話してくれそうになかったが、しつこく聞いてみると、観念したのか昼休みにトイレでこっそり教えてくれた。


「風花に告るんだよ」


「はっ? え、今日?」


「実はもう放課後の校舎裏に呼んである」


 吉田はバカでお調子者だが、明るく面白いし、こういう段取りだけは抜かりがない。相手が高嶺の花でなければまだ見込みもあっただろうに。


「無理だろ」


 俺の苦言に対して、吉田は鼻で笑った。


「イカロスは太陽を目指したんだぜ」


「俺はそのあとの話をしてんだよ」


「玉砕、それもまた本望だ」


 どうやら、涙の海に溺れる吉田を助ける必要がありそうだ。


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