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境界
他人の視界を得ても脳みそはお前
幽霊でもいいからって言われて、とりあえず文芸部に入部した。
運動部は面倒だし、バイトもしたかったし、校則もあってちょうどよかった。
部室に行くと本棚にはよく分からない、難しそうな小説が並んでいる。
漫画しか読んだことがなくて、手に取るのも億劫だった。
部長が「とりあえず」で渡してきた小説は読んでたら寝るのを忘れた。
それっきり、ちょこちょこ顔を出すようになっていた。
クラスの話したこともない人も所属していた。たしか、小林?
部室で会っても見向きもしないし、いっつも本を読んでいる。
「何読んでんの」隣に座った。
ぱたん、と本を閉じられ冷たい視線がこちらを向いた。
「全部持ってる側のくせに、こっち来んじゃねぇよ」
小林は言うなり読んでいた本を机に置いて部室から出ていった。
その本を手に取って、家に帰って読んで、それっきり。
部室のドアを開けられないまま、幽霊になった。
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