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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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88/100

境界

他人の視界を得ても脳みそはお前


 幽霊でもいいからって言われて、とりあえず文芸部に入部した。


 運動部は面倒だし、バイトもしたかったし、校則もあってちょうどよかった。


 部室に行くと本棚にはよく分からない、難しそうな小説が並んでいる。


 漫画しか読んだことがなくて、手に取るのも億劫だった。


 部長が「とりあえず」で渡してきた小説は読んでたら寝るのを忘れた。


 それっきり、ちょこちょこ顔を出すようになっていた。


 クラスの話したこともない人も所属していた。たしか、小林?


 部室で会っても見向きもしないし、いっつも本を読んでいる。


「何読んでんの」隣に座った。


 ぱたん、と本を閉じられ冷たい視線がこちらを向いた。


「全部持ってる側のくせに、こっち来んじゃねぇよ」


 小林は言うなり読んでいた本を机に置いて部室から出ていった。


 その本を手に取って、家に帰って読んで、それっきり。


 部室のドアを開けられないまま、幽霊になった。


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