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壁
世の中の大半は道じゃなくて壁
どでかい壁がある。目の前に。
触れてみるとざらりと荒く、ぽろぽろ崩れてきた。
どれくらいの高さだろうかと見上げも、空の果てを貫いている。
どれくらいの幅だろうかと横を見ても、地平の先まで続いている。
どれくらいの厚みだろうかと叩いても、音は帰ってこなかった。
周りを見てみると、つるはしで壁に穴を開ける者、スコップで地面を掘る者、小さなくぼみを作ってよじ登る者など様々だった。
——俺も何かしなければ。
焦りを覚えると、足元にぼろっちいつるはしが落ちてきた。
これで掘れということだろうか。
しかし、どれだけ掘ればいいのか。掘って何になるのか。というかこんなつるはしで掘れるのか。
じっと壁を見つめていると、同じように立ち尽くしたり、壁から去って行く者の姿が目に入った。
——とりあえず掘ってみるか。
がん、鈍い音が響いて、壁の一部が崩れて落ちた。
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