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影分身の術
火遁豪火球の術とか言って口に含んだアルコールをライターの火に吹きかけたことはある。
もちろん、印はちゃんと結んだ。アルコールの味を知ったのはこの時がはじめてだったな……。
「コペルニクス的転回って知ってる?」
「知らん」
「だろうな」
ふんっ、と鼻をならした公太は「見せてやるよ」と自信満々に言った。
「今ってコンタクトしてるよな?」
「ん、まあしてるけど」
「じゃあこれ」
公太は自分がかけているメガネを取って渡してきた。
「で?」
「かけてみ」
「掛けたけど?」
「どう?」
「何が?」
「影分身の術」
印を結んできらきらと目を輝かせるこいつの人生は楽しそうだ。
「分身してねーよ」
「マジ? っかしーな」
「なんだったん?」
「コンタクトにメガネ掛けると実像がぶれるんだよ」
「ああ、それで」
「んだよ、知ってんじゃんコペルニクス」
むくれる公太にメガネを返した。
「あ、じゃあこれは」
「知らねーよ」
「まだ言ってねーよ」
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