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おれのもの
三百メートル四十秒以内のインターバル走×5を終え、トラックの外に置いていたペットボトルに手を伸ばす。
息を切らして、酸素が足りない。蓋を開けるのすら億劫だ。
その場にへたり込み、中身を半分ほど飲み干した。
「ねえ! それ私のなんだけど」
突然の大声にびっくりして振り向くと、この世の終わりみたいな顔をした女子が立っていた。
「え、あ、すっー、ごめん」
恐る恐るとペットボトルを渡すが「いらない」ゴキブリでも見るような目で拒否された。
「もういいあげるそれ」
そう言って立ち去る女子を見ながらふと、思いついた。
他人のペットボトルに口をつけたら、なぜかもらえてしまった。
それなら、彼女にキスをしたら彼女は俺のものになるかもしれない。
ごくりと生唾をのみ、彼女を追いかけ肩を掴んだ。
振り向いたその唇に、自分の唇を重ねた。
嬉しかったらしく、彼女はその場でぼろぼろと泣き出した。
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