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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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おれのもの


 三百メートル四十秒以内のインターバル走×5を終え、トラックの外に置いていたペットボトルに手を伸ばす。


 息を切らして、酸素が足りない。蓋を開けるのすら億劫だ。


 その場にへたり込み、中身を半分ほど飲み干した。


「ねえ! それ私のなんだけど」


 突然の大声にびっくりして振り向くと、この世の終わりみたいな顔をした女子が立っていた。


「え、あ、すっー、ごめん」


 恐る恐るとペットボトルを渡すが「いらない」ゴキブリでも見るような目で拒否された。


「もういいあげるそれ」


 そう言って立ち去る女子を見ながらふと、思いついた。


 他人のペットボトルに口をつけたら、なぜかもらえてしまった。


 それなら、彼女にキスをしたら彼女は俺のものになるかもしれない。


 ごくりと生唾をのみ、彼女を追いかけ肩を掴んだ。


 振り向いたその唇に、自分の唇を重ねた。


 嬉しかったらしく、彼女はその場でぼろぼろと泣き出した。


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