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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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崖っぷち

崖の先には跳んだものしか辿り着けない


 今日は課長になってから初めての経営会議だった。


 株主たちもいる中で、携わっている事業の進捗報告をしなければならない。


 厳しい追及が待っていることは明白だったが、俺の番が回ってきてしまった。


 一通りの説明を終え、シン、と会場が静まり返る。


「崖っぷちじゃないか」


 質疑応答へと移り、株主の一人から意見が飛んできた。


 たしかに業績はお世辞にもいいとは言えない。


 この言葉は真摯に受け止めるべきだろう。


「崖っぷちであるとの認識に間違いはございません」


 だが、へこへこと頭を下げて言われっぱなしでは終われない。


 なぜって、その崖っぷちで踏ん張っている部下たちがいるからだ。


「ですが」


 俺はすっと短く息を吸って、追及をかわす一手を打つ。


「競合他社は我々より崖っぷちの一歩先を行っております」


 会場には小さな笑いと渋い表情が入り混じり、それ以上の追及はこなかった。


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