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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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砕氷


 がしゃあああん!


 ホールいっぱいにまで響くほど盛大に、氷を床にぶちまけた。


 田舎の居酒屋には常連しかいなくて、店員も客も「またか」という顔をしているのが見なくても分かる。


「あー、ここ俺がやっとくから、ビール運んどいて」


「あ、す、みません」


 先輩が持って行くはずだったビールジョッキ二つを運んだ。


 はぁ、とバイトが終わってバックヤードに着替えに行くと、


「あいつとシフト被ると仕事増えてしんどいっすわ」


 先輩と社員さんの声が聞こえてきて、胸がきゅっと苦しくなった。


「まあ頑張ってんのは分かるんだけどね」


「いやでも、メモ取るだけで何も覚えてないっすよ」


 わたしだって。でも、わたしなんか。……どうすればいいの?


 気付いたら、荷物もそのままに店の制服を着たまま帰っていた。


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