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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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釣り

沖堤防を汚すカスが多すぎて最近は初見じゃつれてってもらえない。


「ほんじゃ頑張れよ」


「あざっす!」


 帽子を取って礼をするのは野球部だった時の名残である。


 沖堤防に大量の荷物と共に降りて船を見送り、「よし」気合を入れた。


 諸々の準備を終え、今ではすっかりバッドより馴染んだ竿を振り投げる。


 手に持ってしばらく遊ばせていたが、まるでかかる気配がなかった。


 しかし今日はここでキャンプする覚悟と準備をしてきたのだ。


 いくらでも粘ってやる。


 とはいえ体力は温存しておきたいので竿受けにセットして、堤防下に別の釣り糸を垂らした。


 こちらは入れ食い状態で、つい夢中になっていた。


 ちゃぽん、と波の音に紛れて音がした。


 音のした方を振り向くと、セットした釣り竿が波間を泳いでいた。


「ドラグ締めたまんまじゃん」


 高校最後の初打席で見逃し三振をしたあとのグラウンドを眺めるように、夕陽に向かい波にさらわれていく竿を見つめるしかなかった。


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